玉置 恭士 院長の独自取材記事
市之倉たまおき歯科
(多治見市/多治見駅)
最終更新日:2025/03/28

多治見駅から車で8分ほどの自然豊かなエリアに、コンクリート打ちっぱなしのおしゃれな外観が目印の「市之倉たまおき歯科」がある。院長の玉置恭士(たまおき・やすし)先生は、「怖くない歯科医院」をめざし、スタッフとともにさまざまな工夫を凝らしているという。工夫の一つは、院内をできるだけ明るい空間になるよう設計したこと。待合室には自然光が差し込み、温かみのある空間となっている。もう一つの工夫は、患者とのコミュニケーションを重視すること。診察室から患者とスタッフの笑い声が聞こえるほど、患者とスタッフの距離が近いという同院の取り組みについて、玉置院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月20日)
怖くない歯科医院をめざして地域に貢献
開業の経緯を教えてください。

私は、ここ多治見市市之倉町で生まれ、育ちました。実家がすぐ近くで、保育園も小学校も地元です。開業場所を検討する際には、やはり「地元の皆さんのお役に立ちたい」という気持ちがありましたので、この地での開業を決めました。この辺りは昔から住んでいる方が多く、住民同士仲が良くてとても温かい雰囲気です。顔なじみの方が来院することも多く、人と人のつながりを感じます。私は患者さん一人ひとりとじっくり向き合いながら診察するのが好きなので、患者さんとの距離が近いこの地域での診療にとてもやりがいを感じています。
大切にしている理念があると伺いました。
理念は「皆さまに喜んでいただける歯科医院をめざす」ことです。この理念は、毎朝の朝礼でスタッフと一緒に読み上げるほど大切にしています。歯科医院は「怖い」「痛い」というイメージがあるのではないでしょうか。実は、私も子どもの頃は歯科医院が大嫌いでしたので、気持ちがよくわかります。だからこそ、少しでも気持ち良く通えるような歯科医院にしたいと、スタッフ一丸となって取り組んでいます。最も大切にしていることの一つが、患者さんとのコミュニケーションです。不安を持って来院する患者さんを最高の笑顔で出迎え、治療の前後に明るい雰囲気で声がけすることを意識しています。ありがたいことに、理念に共感してくれるスタッフばかりで、一人ひとりが「患者さんを笑顔にしたい」という思いを持って行動しています。その結果、スタッフと患者さんとの距離が近く、笑い声が聞こえるほど打ち解けた雰囲気になることもしばしばです。
どのような患者さんの来院が多いですか?

ホームページにも「怖くない歯科医院をめざす」と明記しているので、今まで歯科治療が怖くて一歩踏み出せなかった人や、治療を先延ばしにしていた人の来院は多いです。患者さんはご近所の方が多いですが、怖くない雰囲気を求めて、市外や県外からの来院も増えています。実際に当院で治療を受けて「怖くなかった!」と言っていただけたら一番うれしいですね。また、歯科治療が終わった患者さんが審美面に関心を寄せることが多く、ホワイトニングを希望する患者さんもかなり増えています。治療以外でも、定期的に歯科医院に通って歯のメンテナンスをするという意識が根づいてきたことをうれしく思っています。
歯科医師の工夫で患者の笑顔を引き出す
診療で心がけていることをお聞かせください。

痛みに配慮した治療を心がけ、麻酔の方法や歯の削り方などで、痛みが出にくいように細心の注意を払っています。でも、痛みを完全になくすことは難しいのが現実です。そこで大切なのは、患者さんの不安な気持ちを最小限にするため、意識的に話しかけること。治療前には、口腔内カメラを使いながら、治療内容を細かく説明します。痛みが出る治療なら、正直に「ちょっと痛みはありますよ」と言います。そのほうが、患者さんも心の準備ができますからね。治療中もこまめに声をかけて、患者さんの様子を常に確認します。治療後に今後の見立てをお伝えするのも大事です。例えば、「数時間後には麻酔が切れて痛みが出ることがあるので、痛み止めを飲んでくださいね」と見立てをお伝えするだけで、痛みが出た時に「先生が言っていたとおりだ」と不安に思うことが少なくなります。一つ一つの声かけや対応は小さなことですが、積み重ねることで、安心につなげていきます。
力を入れているホワイトニングについて教えてください。
歯の治療が終わると審美面に意識が向きやすく、ホワイトニングの需要が高まっています。専用の個室で、ヒーリングミュージックを聴きながら施術を受けられます。つい寝てしまっても大丈夫ですよ。当院では歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、ご自宅で行うホームホワイトニングに対応しています。それぞれ歯の色を変えるための機序が違い、メリットとデメリットがあります。例えば、オフィスホワイトニングは1回の施術で有用性が見込めやすいですが、全員に対応できるわけではありません。歯の表面のエナメル質の状態や歯ぎしりなどの癖を見極めた上で、適切な施術を提案します。また、歯が白くなればなるほどいいと思われる方もいますが、その人に合った歯の色があります。そのため、一人ひとりのニーズを丁寧に聞きながら、柔軟に対応しています。
歯周病治療についても教えてください。

歯周病治療もニーズが高いです。口臭や歯茎からの出血は不快なものですからね。歯周病治療はクリーニングで歯石を取ったりブラッシングしたりするのが基本です。しかし、それだけでは原因菌が減らない場合もあります。当院では位相差顕微鏡を使った検査によって、菌がどれぐらい増えているのかを調べることができます。もし増えている場合は薬剤で除菌を図ることで、菌の減少が期待できます。自由診療にはなりますが、菌を特定する検査も可能です。検査によって増えすぎている菌が特定できたら、その菌に合った薬剤を選択することもできます。もちろん、どれだけ除菌してもやがて歯周ポケットで歯周病菌は再び増えていきますので、少しでも増やさないように、除菌後の定期的なクリーニングは大切です。頻度は検査結果を見ながら、個別にアドバイスいたします。
チーム全員で患者に寄り添うことが大切
スタッフの皆さんは仲が良さそうですね。

スタッフの人柄の良さは当院の自慢で、人間関係はとても良好です。開業してから20年以上ずっと勤務してくれているスタッフも複数いるほどです。だからこそ、患者さんに心から笑顔で接することができるのだと思います。週に1回開催している院内ミーティングでは、技術的なことだけではなく、接遇や考え方についても話し合います。例えば、「プラス思考でいるためにはどうしたらいいか」といったことが議題に上がることもあるんです。一見哲学的なテーマに見えるかもしれませんが、とても大切なことです。スタッフとともに人間性を高めることをめざしながら、「どうすればより患者さんに喜んでいただけるか」を考え続けています。
定期的に勉強会に参加されていると伺いました。
はい、月に1度、20人ほどの歯科医師が集まるスタディーグループに参加しています。各歯科医院の院長が、自身の歯科医院での取り組みを発表し合う場です。他の先生方の発表から、新しい知識や技術を学び、診療に生かせるヒントを得ています。毎回順番にそれぞれの歯科医院で開催しているので、他院を見学できるとても貴重な時間でもあります。他院で使用されている器具を参考に、実際に当院で導入したものも多いんですよ。スタディーグループへの参加は、視野を広げる良い機会となり、診療に大いに役立っています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これからも、「怖くない」治療を追求し、地域の皆さんに安心して通っていただける歯科医院であり続けたいです。また、ホワイトニングなどの審美歯科にもさらに力を入れ、一人でも多くの患者さんの笑顔を増やしていきたいと考えています。そのためにも、新しい技術や知識を学び続け、スタッフ一同、常に成長し続ける歯科医院をめざします。かつて歯医者嫌いだった私のように、歯科医院に苦手意識を持つ方にも、「歯医者って、意外と悪くないかも」と思っていただけるよう、努力を続けてまいります。歯のことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング
オフィスホワイトニング/1万8000円、ホームホワイトニング/4万円
歯周病菌検査/2000円~