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池永 秀幸 院長の独自取材記事

馬車道レディスクリニック

(横浜市中区/馬車道駅)

最終更新日:2022/06/13

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子どもが欲しいと願う夫婦にとって、不妊は深刻極まりない。自然に授かることが普通とされる世の中で、どうして自分たちは違うのだろうと……。不妊治療を専門に行う「馬車道レディスクリニック」の池永秀幸院長は、この道約30年のキャリアを持つベテラン。「不妊症」という命題に立ち向かい、患者のメンタルな問題にも目を向けることで、多くの人を妊娠へ向けて導いてきた。しかしながら、池永先生は本当に明るい。時折見せる笑顔や豪快な笑い声を聞いていると、不妊治療の暗いイメージも払拭されてしまいそうだ。不妊治療の歴史や社会的な認知度について、そして不妊治療を受ける際の心構えについて話を聞くことができた。

(取材日2011年4月26日/情報更新日2022年6月6日)

結果を出すことで人を大きく救うことができる不妊治療

開業されて20年以上とのことですが、横浜の様子もずいぶん変わりましたよね。

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この辺りの開発は目まぐるしく、新しい建物が次々とできています。20年前はまだ「みなとみらい線」が開通していませんでした。もともと関内駅から徒歩5分のところにあり、市営地下鉄の馬車道口からでも徒歩で3分くらいですが、みなとみらい線の駅はもっと近くにできたのでより交通の便は良くなりました。また、20年前は不妊専門の医療機関が少なかったので、かなり遠方からいらっしゃる方もいました。今は不妊施設も増えてきたので、この近辺にお住まいの方、横浜市在住の方はもちろんですが、たくさんある施設の中から当院の治療内容や特色を選んでいただき通院されている方が多い気がします。

先生は横浜のご出身だそうですね。

私は横浜の本牧で生まれ育ちました。ほとんど横浜を離れたことがなく、勤務医時代に出張で3年ほど名古屋にいたくらいです。少し変わっているかもしれませんが、小さい頃からなぜか病院が好きだったんですよね。身内に医療関係に従事している者はいませんでしたが、小学生の頃にはすでに医者になりたいと思っていて、卒業文集にも将来の夢として「医者になる」と書いた記憶があります。医学部に入った後に専門を選ぶことになりますが、「お産」という特殊性を持つ産婦人科に魅力を感じ、その道に進むことを決めました。産婦人科には、ほかの科にはない特徴があります。当たり前ですが、病院は病気の方が来る所なので、病棟に行ってもあまり明るい感じはしませんよね。でも産科の病棟は、新しい命が生まれておめでたい人たちばかりなので明るいし、笑い声が聞えるような雰囲気です。そういう明るさに大きな魅力を感じたんだと思います。

不妊治療に特化されるようになったきっかけは?

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不妊治療のイメージは一般的に暗いというか、ナーバスなものかもしれません。確かに患者さんの抱えている問題は深刻ですが、結果を出すことで明るい状況をつくり出すことができます。しかもその幸せは、普通のお産で子どもを授かった場合よりも大きなものになり得ます。実際に、不妊で悩んでうつに近い状態だった方が、妊娠によって人が変わったように前向きになられたりしますから。その人の未来に光を射すというか、人生を大きく救うことができる仕事だと思います。ただ、結果を出さなければ治療の意味はありませんので、とても厳しい分野でもあります。その辺りに責任を感じながら、日々真剣に治療と向き合っています。

30年近い歴史に裏づけされた、不妊治療の可能性

不妊治療の技術は著しく進歩しているそうですね。

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私はこの道30年になりますが、その間の進歩は著しく治療技術のみではなく、医療機器の進化、また根本である患者さん自身の体質を見直すことなど、ありとあらゆる方向から不妊治療を診ています。また、今年の4月より不妊治療が自費から保険適用になり、不妊で悩んでいらっしゃる患者さんにとっては治療へのハードルが下がったと思います。まだまだ、保険では認められていない検査や治療方法などもありますが、今は一般的ではないものでも積極的に治療に取り入れ妊娠に導けるようサポートできたらと思います。

「不妊症は他人事」や不妊治療自体に偏見を持つ方はまだまだ多いようですね。

患者さんを診ていると不妊治療に対して偏見を持たれているなと感じることはあります。出生児に何か問題が発生しないだろうか、異常や奇形が出たりしないか……という不安を持たれている方がいます。体外受精によって得られた結果については日本産科婦人科学会に報告を行う義務があります。体外受精はそういった根拠の積み重ねのある治療法です。不妊症も他の病気と同様に隠れて通院するのではなく、働いている方にも通院をしやすい環境や理解のある社会になるよう願っています。

先生の治療方針についてお聞かせください。

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妊娠が見込めるのは、ほとんどが治療を始めて1年以内の方です。女性の妊娠できる能力は年齢とともに年々低下していきます。特に男性も女性も35才を過ぎると著しく妊娠率が下がることが統計結果から出ていますので、早く結果を出すことはとても重要です。ですので私自身、長くても1年以内には結果を出すという意気込みで臨んでいます。また、不妊治療は毎月排卵日を中心に通院しなくてはなりません。今は仕事をしながら治療を受けられる方がほとんどですので、患者さんのライフスタイルと希望に添った治療法を提案し治療を進めています。精神的にも経済的にもストレスを抱えないよう、クリニックの専門スタッフがサポートしながら治療を行っています。

治療が不可欠ではない、「不妊」という特殊な状況

ご主人の理解を得られず困っている方もいるそうですね。

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基本的に病気というものは健康を害するので治療が必然ですが、不妊症に限っては、当事者の意思が固まらなければ治療に意味が見出せないものです。また、不妊治療は女性だけでなく男性も治療対象になります。夫婦お二人を診なくてはならないので、そこで足並みがそろっていないと治療が進みません。ただ実際は、ご主人が「子どもは欲しくない……」と思っていたり、治療の段階が進むにつれて人工授精や体外受精はやりたくないとおっしゃることもあります。そのため治療を行う前に、ご主人にその必然性をしっかりと理解していただくことが大事です。クリニックでは円滑に治療を進められるように、そしてお二人の意見を併せられるように、いつも丁寧な説明を心がけています。不妊という状況だけを診ているのではなく、患者さんの生活環境や背景にも目を向け、できる範囲で無理のない治療方法を選択することが大切だと考えています。

不妊治療中に気をつけるべきことを教えてください。

同様の質問をよく受けますが、とくに何かをしたほうが良いとか、何かが悪いということはありません。むしろ、そういう些細なことは気に止めずに普段どおりに生活しているほうがいいです。必要以上にいろいろなことに気を使うとかえってストレスになります。治療に一番良くないものはストレスです。子どもを作ることばかりに頭がいってしまうと、情報を集めることに必死になる方がいらっしゃいますが、ネットの情報も散在しているため何が正しいものなのかを見極めるのは難しいと思います。不安やわらないことがあれば、クリニックで積極的に質問していただき、正しい情報を得るようにしてほしいです。治療以外のこともいつでも何でも相談していただき、通院が負担にならないようにしていただきたいと思います。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

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現在、不妊症は多くの方に認知されるようになってきました。2022年4月より自費から保険診療に移行したことで、赤ちゃんを望むご夫婦には身近で積極的に受けられる治療となりました。しかし、未だご自身が不妊に悩んでいることを打ち明けられず、ストレスを抱えている方も少なくありません。まずは気軽に当院のような場所に相談に来ていただきたいです。ひとりで悩まず、専門スタッフに話をすることで解決方法が見つかるかもしれません。当院では限りなく100%に近い結果を出すことが一番の目標です。そのために、新しい情報にアンテナを張り、有用な方法は積極的に取り入れること、最良の医療を提供できるように心がけていきたいと思っています。

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