倉茂 秀平 院長の独自取材記事
北24条ターミナル歯科
(札幌市北区/北24条駅)
最終更新日:2021/10/12

「北24条ターミナル歯科」は、地下鉄南北線北24条駅に直結し、バスターミナル上の建物「ターミナルハイツ24」の3階に位置するアクセス至便な歯科医院だ。月曜から木曜は最終受付が19時30分なので、仕事帰りにも立ち寄れる。虫歯や歯周病などの一般歯科を中心に診療を行っている。今回は、2018年2月に院長に就任した倉茂秀平先生に、同院の特徴から専門の歯科麻酔学のこと、日々の診療に対する思いまで、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2021年7月5日)
「一口腔一単位」を大切にした診療を心がける
まずは、「北24条ターミナル歯科」の特徴を教えてください。

当院は、札幌市営地下鉄南北線・北24条駅に直結している歯科医院なので、雨の日も濡れずにお越しいただけます。虫歯や歯周病などの一般歯科を中心に行っていますが、私の専門が歯科麻酔学なので、全身管理をしながら治療ができるというのも特徴です。例えば、高血圧、糖尿病などの基礎疾患がある患者さんの治療で麻酔を使用する際には、特に全身管理に気をつけています。患者さんが普段から血圧などをしっかり管理していれば問題ないことが多いのですが、管理していない場合は、麻酔をすると思っている以上に危険なことがあります。そういう患者さんを見極めて、心配だなと感じたときは、血圧計やモニターなどでチェックしながら治療を行います。当院のモニターは、心電図まで取れるのですが、このモニターを設置している歯科医院はなかなかないと思います。当院では、AEDも準備しています。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?
バスターミナルがあり、乗り換えの中継地点となっているので、乗り換え前に当院に寄られる方がいらっしゃいます。当院の月曜から木曜の最終受付は19時30分なので、仕事帰りに来院していただくことが可能です。それから、この辺りに古くから住んでいるご近所の方もいらっしゃいます。周辺の住民の年齢が基本的に高いので、それにも比例しているのですが、午前中や日中は高齢の患者さん、夕方から夜にかけては仕事帰りの患者さんがいらっしゃいます。男女比は、同じくらいです。「歯が痛い」「歯茎が痛い」「歯が抜けそう」「入れ歯を作りたい」という内容が多いです。
印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか?

以前診療を担当した高校生の患者さんで、治療の前にエックス線写真を撮ったところ、骨に腫瘍を見つけたことがありました。私は歯科麻酔学の専門家の立場から、口腔外科の手術にたくさん携わってきたので「これはかなり危険な状態だな」と理解しました。早く治療しないと、顎を全摘出しなければならなくなるような疾患です。その患者さんは結果的に、顎を部分的に切除することで済みました。この経験から、虫歯が主訴の患者さんに対しても虫歯だけを見るのではなく、口の中全体を見るということをさらに大切に思うようになりました。「一口腔一単位」と言うのですが、口の中を一つのかたまりとして認識することを大切にしています。
自身のケガの治療がきっかけで、歯科麻酔学に出合う
歯科医師をめざしたきっかけや、麻酔・歯科麻酔学を専攻したきっかけを教えてください。

祖母が入れ歯だったのですが、いつもフガフガしていて「合わない」と言っていました。祖母の様子を見て、「何とかしてあげたい」と思ったのが歯科医師をめざすきっかけとなりました。歯学部に進学した後、膝をケガしてしまったことがあって、治療をしてもらう際の痛み止めや、手術の麻酔に驚き、とても感激したのです。通っていた大学の教授が麻酔を担当してくれたのですが、「この先生についていこう!」と思いました。それが、歯科麻酔学を学んだきっかけです。麻酔・歯科麻酔学を専攻して、のめり込み、集中して勉強しました。しかし、現実的には麻酔の仕事だけではまだまだ需要が少ないので、現在は一般歯科の診療も行っています。
歯科麻酔とは、どのようなものでしょうか?
医学の中で「眼科」「耳鼻科」「麻酔科」などと、それぞれの分野に分かれているように、歯科の中にも「入れ歯」「かぶせ物」「矯正」「口腔外科」などと、さまざまな治療分野があります。その一つに、「歯科麻酔」があります。例えば、口腔外科での大がかりな手術や、親知らずを抜歯する際の全身麻酔などのときに活躍します。全身麻酔ではなく、半分寝たような状態になる麻酔の方法を「静脈内鎮静法」というのですが、そのような麻酔を扱うのも歯科の麻酔科が行います。全身麻酔をするような治療は、大きな病院以外ではほとんど行いませんが、インプラント治療の場合は、手術を安全に行うために歯科麻酔と全身管理ができる歯科医師が必要です。歯科麻酔ができる歯科医師はそう多くはいないことから、私も休みの日にはほかの歯科医院さんの依頼で手術に加わることもあります。
診療の際に心がけていることは、どのようなことですか?

まずは主訴の解決です。「歯が痛い」と言う患者さんであれば、その痛みを何とかしようと考えます。患者さんの要望を聞き、「これをやってほしい」とおっしゃる部分から治療し、患者さんの希望を早急に解決することをめざします。ただ、歯科医師としては、治療を始める時に全体をしっかり把握してから、患者さんのご要望も聞いた上で、必要に応じ「こちらの治療もしたほうがいいですよ」と、提案をすることもあります。しかし、私が一方的に治療計画を立てて押しつけるようなことはせず、患者さんと一緒にどこまで治療するかを決めていくスタンスで臨んでいます。
噛めることの喜びや予防歯科の大切さを広めたい
先生はボランティアの経験もあるそうですね。

東日本大震災の時、私は北海道医療大学の歯科麻酔科にいたのですが、地震が起きてすぐ「これは異常事態だ」と思い、大学を通じてボランティアに行きました。現在は、休みの日などに格闘技のリングドクターのボランティアをしています。選手は衝撃から歯を守るためにマウスガードをしているのですが、当院でもスポーツマウスガードの作製を行っています。マウスガードは競技によってそれぞれ形が異なりますが、いずれも歯全体をしっかり保護し、いかに負担を減らすかが重要です。噛み合わせをしっかり記録して、グッと噛み込んだ時に力が出るよう、それに耐え得る厚さで作ることにこだわっています。
今後の展望を教えてください。
今後は、予防歯科の大切さを広めていきたいと思っています。今は、患者さんが痛みなどの不具合を感じて、当院を訪れています。痛みを感じてから訪れるのでは、治療がかなり大変になってしまいます。現在も、治療やクリーニングの後にお伝えしているのですが、なかなか伝えきれずに、もどかしい思いをしています。これから時間をかけて、歯があることで、きちんと噛めることの喜び、予防歯科の利点などをお伝えしていきたいと思っています。それから、歯科麻酔の注射が実際にどういうものかについても皆さんに伝えていきたいですね。痛みをできるだけ軽減できるよう、細い針を使ったり、針を刺す前に表面麻酔を使ったりしていますし、テクニックやこつも駆使して注射をしていますので、安心して治療や麻酔を受けてほしいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

今までの診療スタイルは、「痛くなったら歯科医院に行く」というものだったと思いますが、痛くなってからでは、治療が大がかりになることが多いです。何度も来ていただいて、大変な治療をすることになります。そうならないためには、早期発見・早期治療を心がけ、なるべく3ヵ月に1度くらい、ご自身では何も感じていなくても歯科医院でチェックをしてもらうのがよいでしょう。当院は、札幌市営地下鉄南北線・北24条駅とバスターミナルに直結しており、19時30分まで診療を受けつけているので、仕事帰りにも来ていただけます。急なアクシデント以外は、基本的に待ち時間がないのでご安心ください。気兼ねなく美容院に行くようなイメージで、リフレッシュしにいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガード/1万5000円~、ホワイトニング/3万円~