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柴田 賢三 院長の独自取材記事

ぽぱい歯科

(名古屋市北区/味美駅)

最終更新日:2021/10/12

柴田賢三院長 ぽぱい歯科 main

名古屋駅から程近い住宅街。スタイリッシュな外観が目印の「ぽぱい歯科」を訪れた。院長は地元育ちの柴田賢三先生。学生時代から地域での開業を視野に入れ、経験を積んだ後、このクリニックをオープンさせた。モットーは「患者第一の治療」。いついかなるときでも患者の立場を尊重した手法を選択している。地域包括ケアシステムや他クリニックとの徹底した連携体制もそのため。医療に対して向き合う姿は厳しい柴田先生だが、本人はいたって明るくユーモラス。開業のきっかけから今後の展望まで、時折ジョークを交えながら話をしてくれた。

(取材日2016年11月24日)

生まれ育った町で地域に根差したクリニックをめざす

まずは、歯科医医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

柴田賢三院長 ぽぱい歯科1

高校の頃、矯正をしてもらった歯科医師に憧れたことがきっかけです。しかし、この先生に出会ったことで歯学部という確かな目標ができたんです。入学当初は矯正を専門にするつもりでしたが、学んでいくうちに考えが変わり、一般歯科でやっていこうと決めました。中でも惹かれたのが、根管治療です。生来細かい作業が好きな性質ですが、どんなに時間がかかっても落ち着いて施術に臨めるところから、自分には合っているのではないかと思うようになりました。開業してからも根管治療には、特に力を入れています。

最初から地元で開業されるつもりだったのでしょうか。

エリアはここにしようと決めていましたが、開業場所は近くで洋品店を営む母の推薦によるものです。店の名前が「サンぽぱい」なので、院名もそれにちなんで名付けました。僕が1歳のときに開店したので、この辺りではそれなりの老舗なんですよ(笑)。そのせいか開業当初は、お店のお客さんや母の知人が多く来院してくれました。地元の人にとっても、なじみの店の息子のクリニックということで来やすいのだと思います。

地域に根差したクリニックをめざしているのですね。

手広くやらずに、自分ができる範囲内で診察していきたいと思っています。もちろん、遠方からお越しいただく方も大歓迎ですし、患者さんを居住地域で絞るつもりはありません。ただ、そのために大所帯にするつもりは、僕はないんです。一人ひとりの患者さんときちんと向き合うめにも規模は広げず、今の状態を維持しながら日々しっかりと診察していきたいですね。

シンプルで親しみやすい内装も、患者さん目線で考えられたのでしょうか。

柴田賢三院長 ぽぱい歯科2

いかなるときでも患者さん第一に考えるのが、当クリニックの方針ですから。住宅地でエステサロンみたいにお洒落な外観にしたら、患者さんも入りにくいかなと思ったんです。特にお年寄りはあまりにモダンな入口だと気が引けてしまうでしょう。こだわろうと思えばいくらでもこだわれますが、設備にお金をかけるよりその分、患者さんに還元したいんです。バリアフリーやキッズコーナーなど必要な部分は作りましたが、それ以外は極力シンプルにして治療に貢献したいと思っています。

地域包括ケアシステムで患者の立場に立った治療を

クリニックの診療方針について、お話しいただけるでしょうか。

柴田賢三院長 ぽぱい歯科3

治療に関しては、極力、歯を残すことをモットーとしています。インプラントは、基本的な治療を施した上で、やむを得ない場合のみ行うようにしています。抜歯や矯正も同様です。僕の得意分野でもある根管治療を中心に施術していきます。その分治療は長くかかりますし、根気のいる作業になりますが、患者さんのためを思えばこのほうが絶対にいいと僕は思います。もちろん、最後に決めるのは患者さんですから、僕の考えを押し付けるつもりは毛頭ありません。こちらの説明を聞き、それでもインプラントをしたいという場合は、ご本人の意志を尊重いたします。いずれにしろ、大切なのはじっくり話し合うこと。どんなに混んでいても患者さんが納得するまで、とことん相談し合うようにしています。

診察時に心がけていることはありますか。

病状に関することはすべて、正直に話すようにしています。ベストな治療法を選択するためには、現状をきちんと理解していただく必要がありますから。そうは言っても初診のときは、なかなか心を開いてくれないものです。そこで最初は主訴の部分をある程度解決し、こちらが信頼に値する人間だということを患者さんに示すようにしています。今後の治療方針を話し合うのは、その後です。その頃はお互いに意見を言いやすくなりますので、よりよい治療法を選べるようになるでしょう。最初から型にはめるようなことは絶対にしません。患者さんの立場を尊重し、できる限り希望に沿えるよう努めています。

子どもの患者に対しては、どう接しているのでしょうか。

なるべくおさえつけず、その子のペースに合わせて対処するようにしています。恐怖心をなくすため、いっぺんに治すのではなく、3回くらいに小分けして治療していますね。もちろん、保護者の方が安心できるよう、診察、治療ともすべて同席してもらっています。動画の撮影や録音もOKです。歯科の治療は、レストランの厨房と同じです。過程を見せれば、お客さんは安心するものです。これだけオープンにしていると、お母さん方からの質問も多く受けるのですが、その都度丁寧に答えるようにしています。

患者第一の姿勢を徹底して貫いているのですね。

柴田賢三院長 ぽぱい歯科4

患者さんの健康を心から願うのなら、いつでも誠実に対応すべきだと思っています。当院は、すべての治療を一つのクリニックで行う、いわゆる一院完結型ではありません。自分の手に負えなければ素直に認め、然るべき専門医に委ねるようにしています。それをもっと密に行えるよう地域包括ケアシステムに賛同し、他の病院や施設とも積極的に連携を取っています。歯科医院同士が強い絆で結ばれているのも、この地域ならではの特性かもしれません。そんな風にお互い協力し合って、患者さんの健康を守っているんです。

地域の高齢化に備え、世代に合った治療を考える

日々の診察でやりがいを感じるのは、どんなときですか。

柴田賢三院長 ぽぱい歯科5

やはり、患者さんに感謝してもらったときですね。「痛みがなくなった、噛めるようになった」と笑顔で言ってもらえると、どんな苦労も吹き飛びます。最近は高齢の患者さんが増えているせいか、息子さんや娘さんからお礼を言われることもよくあります。ご本人が亡くなったため、代わりに来院されたというケースも多いですね。この地域も着々と高齢化が進んでいます。悲しいことですが、これからそういう機会は徐々に増えていくと思われます。

今後の方針について教えてください。

この地域は交通の便が悪いですし、今の状況を見ていても高齢化するのは間違いないと思います。患者さんが年を取れば、治療の範囲も狭まってきます。そうなったら、世代に合わせて施術の仕方を取捨選択していかなければなりません。介護施設からの患者さんも増えますから、今と同じスタイルでやっていくわけにはいかなくなるでしょう。将来的には訪問診療も視野に入れていますが、院内はすでにバリアフリーにしてありますので、現時点で車いすの方でも通えるような体制は十分整っています。あとは経験の積み重ねです。臨床を繰り返しながら、時が来るまで少しずつ準備していくつもりです。

最後に、ドクターズファイルの読者へメッセージをお願いします。

柴田賢三院長 ぽぱい歯科6

歯科医院はその都度変えるのではなく、長く付き合えるかかりつけ医を一つだけ、決めることをお勧めします。主治医なら口内がどのような状態にあるか、時が経ってもきちんと把握してくれるでしょう。これと思うクリニックが見つかるまで、渡り歩いてもいいんです。はしごしながら自分に合った歯科医院を見つけ、長く通い続けてください。僕もそんな風に患者さんから信頼され、お付き合いできる歯科医師になりたいと願っています。

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