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山寺 博史 院長の独自取材記事

やまでらクリニック

(武蔵野市/三鷹駅)

最終更新日:2019/08/28

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三鷹駅からのんびり歩いて2分ほどの武蔵野市中町に、心療内科・精神科「やまでらクリニック」はある。ビル5階の静かな環境、落ち着いた雰囲気の院内では、山寺博史院長が明るい笑顔で迎えてくれる。精神科の医師として40年以上のキャリアを持ち、海外の研究機関も含め、多くの大学病院などで研究・臨床を積み重ねてきた山寺院長は、日本東洋医学会漢方専門医の資格も有し、「患者さんに合った治療」を研究し続け、治療では漢方薬や認知行動療法を用いるという。「日本人に合う治療法を確立していきたい」と語る山寺院長に、めざす医療や診療の特徴などについて話を聞いた。
(取材日2019年3月11日)

睡眠障害の治療には保険が使える漢方薬も活用

どのような患者さんが多いのでしょうか?

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いろいろな方がいらっしゃいますが、一番多いのは適応障害を含むうつ状態やうつ病の方。若い方も多く、中高年以降に発症される方も少なくありません。一方、最近増えているのは睡眠障害ですが、今はまだ睡眠の専門家が少ない現状です。夜眠れない「不眠症」のほか、若い方に多いのは、眠るべき時間に眠れず、起きるべき時間に起きられない「睡眠覚醒リズム障害」。また昼間眠たくてしょうがないことから「過眠症」ではないかと相談される患者さんもいらっしゃいます。しかし、よく調べると実は睡眠不足だった、ということも。必要な睡眠時間は人によって異なって、6時間未満の睡眠で十分な方もいれば、10時間眠っても睡眠が足らない方もいらっしゃいます。その人にとって十分な睡眠時間が確保できていれば問題はないのですが、残業や長時間通勤が常態化した社会構造の中では難しいことなのかもしれません。

睡眠障害に対してどのような治療を行っていらっしゃるのですか?

症状がさまざまで原因の特定も難しい睡眠障害ですが、治療法はある程度確立されています。治療では、まず睡眠の仕組みと良質な睡眠をとるためにできることは何かを丁寧にご説明します。加齢による変化として50歳以降は眠りが浅く短くなるなど、必要な睡眠量はライフステージによって変化します。「睡眠不足だ」と思い込まれている方の中にも、実は十分に睡眠をとれている場合も。そのような方にも依存傾向のある睡眠薬が処方されている現状は、たいへん危険と言っても過言ではありません。それよりも寝る時間を決めるなど、規則正しい生活を心がけて「睡眠衛生」を整えることが重要です。例えば、就寝・起床時間を記録するだけで変化がみられ、薬を使わずとも改善につながる方もいらっしゃって、それは喜ばれますね。薬を使うのはその後です。また、どうしても薬を使いたくないという方には、自費診療になりますが、認知行動療法をお勧めしています。

お薬はどのようなものを使われますか?

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一般に睡眠障害の治療では、ベンゾジアゼピン系などの西洋薬を処方されることが多いです。正しく処方されていない場合、依存性が高いため一度使い始めるとなかなかやめられなくなることもあります。また、使ううちにだんだんと量が増え、効果を求めてさらに量が増える、という悪循環に陥ることも多いです。これまでの経験から、当クリニックでは保険を適用できる生薬を組み合わせた飲みやすい顆粒状の漢方薬を積極的に処方に取り入れています。漢方薬は副作用も少なく日本人の体質に合う場合が多いなど、多くのメリットがあると考えています。症状が軽い方は、まず漢方薬の処方から始めることもありますし、患者さんによっては漢方薬と西洋薬を合わせて処方し、自然治癒力を生かしながら徐々に睡眠薬を減らしていくようにしています。また、他院で処方されている睡眠薬を止めたい・減らしたいという方にも、漢方薬や認知行動療法などが有用なこともございます。

生活習慣や認知の「ゆがみ」からトータルにケア

漢方を用いた治療の特徴とは?

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副作用の少なさもありますが、最も大きな特徴は、特定の症状に限らず、体をトータルに良い方向へと導ける点ではないでしょうか。望診、聞診、問診、切診からなる四診などの東洋医学独特の診察を用いて、体全体を総合的に診断します。その上で、得られた情報に合せて漢方薬を処方するのです。漢方薬はレジリエンス、いわゆる回復力を高めることをめざしていきますから、主だって困っている症状に限らず別の不調まで同時に改善につながることもあります。こうした東洋医学の診療は、西洋医学とはまったく方法論が異なるもので、西洋医学の延長線上で行うのは難しいもの。漢方薬に大きな可能性を見出してからは勉強と経験を積み重ね、日本東洋医学会の認定する漢方専門医も取得しました。日本人に合った診療として、今後も追求していきたいと考えています。

漢方の活用に加えて認知行動療法も取り入れているのですね。

はい。認知のゆがみを訂正して良い行動にもっていく認知行動療法、いわゆるカウンセリングを、睡眠障害をはじめ、うつ病やパニック障害・不安障害といった神経症などの診療に取り入れています。最近では不眠症の認知行動療法も確立されつつあり、先に述べたとおり当クリニックでも対応しています。認知行動療法では、専門スタッフが毎回50分間のカウンセリングを行い、生活習慣、思考パターン、体の状態を整え、眠れる習慣の定着をめざします。ほかにも、適応障害、自律神経失調症、月経前不快気分障害(PMDD)やうつ状態などの診療でも、漢方治療や認知行動療法などが有効といわれています。

診療の際にどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

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患者さんはお一人お一人、考え方も生き方も違います。それぞれの患者さんの考え方、生き方に沿った形で治療をして差し上げないと、治療はうまくいかないと思っています。相手の目線に立って考え、患者さんが話しやすい状況に導いて差し上げることができるよう心がけています。薬を処方する際にも、患者さんの希望をできる限りくみとり、患者さんが納得いく形で治療に取り組んでいけるような手助けをして差し上げたいと思っています。

自然治癒力を高め、自分の体を守ることに努めてほしい

精神科の医師を志し、最終的に開業に至られた経緯を教えていただけますか?

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もともと脳の勉強がしたくて、新潟大学に進みました。医学部附属ではない、独立した脳の研究所があったためです。その後、出身が東京でしたもので、東京医科歯科大学の精神科神経科に入局。その頃は神経内科も精神科も一緒でしたが、それが分かれることになって、治療の成果がわかりやすい精神科を選びました。当時医科歯科大学には、いろいろなスペシャリストの先生がいらして、多くのことを教えていただけたのは恵まれていたと思います。それから、神経生理学と精神薬理学を専門にし、スイスの研究所や大学、ドイツの大学、国内では日本医科大学や杏林大学などでも研究・教育を行ってきました。また、国立精神・神経医療研究センター病院の設立にも参加してきました。そんな中、これまで幅広く勉強してきたことを生かし、自分で治療する場所をつくりたいという気持ちから地元多摩地区での開業に踏み切りました。

今後の展望を教えてください。

今後も、今まで自分が積み重ねてきた勉強なり研究の成果を、臨床面で出していきたいですね。当クリニックなりの方法で、日本人にあったスタイルや治療方法を生み出していくことで、お困りの患者さんの助けになれれば良いなと思っています。

読者に向けてメッセージをお願いします。

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病気になったり体調が悪くなったりすると、薬さえ飲めばいいと思っていらっしゃる方も多いようですが、それだけでは真の意味での治癒は望めません。生活習慣を見直し、自然治癒力を高めることで、根本から体を良い方向へ整えるべきなのです。自分の体は自分で守らなければいけないということをいつも考えていてほしいですね。最終的には自分が自分の体に責任を持つのだということ。もし自分の状態が悪いと思ったら医療機関を受診してください。ストレスを自分の努力で取り去れればそれはそれで良いですし、病気になる前の予防策として、自分で自分の体をケアすることも必要です。キュア、すなわち治療ではなく、ケアです。それが精神障害一般に対する予防になるのではないでしょうか。

自由診療費用の目安

自由診療とは

カウンセリング1回50分/8000円

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