福垣 健 院長の独自取材記事
福垣歯科医院
(大阪市西淀川区/塚本駅)
最終更新日:2025/05/02

塚本駅から徒歩約5分の場所にある「福垣歯科医院」。老若男女問わず多くの近隣住民が通う、地域に密着したクリニックだ。白を基調とした院内は、明るく清潔感にあふれている。3階建てのクリニックだが、全体がバリアフリー設計になっている上、エレベーターも設置されているため、車いすやベビーカー利用者も安心して通えるだろう。かぶせ物や入れ歯などの補綴を専門とする福垣健院長は、専門外の分野でも研鑽を重ね、幅広い年齢層の診療に対応。「地域に密着した歯科医院をめざし幅広く診療していますので、どなたでも気軽に来院してほしいですね」と優しく語る。患者一人ひとりにしっかり向き合うよう努める福垣先生に、院内のこだわりや診療の際の心がけ、歯科医師をめざしたきっかけなど幅広く聞いた。
(取材日2017年7月26日)
地域に密着し、0歳児から高齢者まで幅広く診療する
きれいなクリニックですね。院内のこだわりについて教えていただけますか?

車いすやベビーカーを利用される方も来院しやすいよう、院内全体をバリアフリー設計にしました。2階を治療スペース、3階をメンテナンススペースと分けているのですが、1階の待合室から上階への移動が楽にできるよう、エレベーターも設置しているんです。また、2階の診療室は、診療ユニットの横までベビーカーを入れられるようになっています。診療室の横にはキッズスペースも設けていますので、お母さんが治療を受ける間、そばで子どもを遊ばせることもできます。本来もう1つユニットを置く予定だった所にキッズスペースを作ったら、とても好評だったんです。3階は口の中をお掃除して歯を健康に保ってもらう場所として、主に歯科衛生士が用いています。
クリニックの患者層をお聞かせください。
さまざまな世代の方が満遍なく来院されています。この辺りは歴史ある土地ですので、ご年配の方も来られますが、若い人たちも多くいらっしゃるんです。ご家族で通ってくださる方も多いですね。中には、おじいさんとその娘さん、お孫さんと、3世代で通ってくださる方もおられます。近隣の子どもたちも多く来ていますよ。子どもたちの診療にも力を入れているんです。お子さんが来て、そのお母さんの紹介で友人の方が子どもを連れて来られることもよくありますね。キッズスペースに本やおもちゃをたくさん用意しているのも、子どもたちに来てほしいからです。治療を頑張ったご褒美としてあげるため、カプセル入りのおもちゃが出てくる機械も用意しています。
子どもたちも多く診ておられるのですね。

クリニックを開業した年に私自身にも娘が産まれましたので、地域の子どもたちの成長を長く見守っていきたいという思いは強いですね。小さい子ですと、0歳数ヵ月ぐらいのお子さんがいらっしゃることもあるんです。お母さんの治療の際、一緒にベビーカーで連れて来られる1歳にも満たないお子さんが、転んで歯をぶつけたなど、突発的なケガのため来院されます。実際の歯の治療となると、2~3歳ぐらいのお子さんから診させていただいていますね。大学病院時代は、かぶせ物や入れ歯などの補綴を専門としていたのですが、これまで小児歯科も含めて地道に勉強してきました。地域に密着した歯科医院をめざし幅広く診療していますので、どなたでも気軽に来院してほしいですね。
子どもを含め、一人ひとりの患者にしっかり向き合う
お子さんを治療する際、心がけていることがおありですか?

子どもだからといって、「痛くないよ」、「痛いことはしないからね」などとうそをついたりしないよう心がけています。むしろ、「今から痛くなるよ、先生も頑張るから頑張ろうね」、「チクッとするけど頑張ってね、痛かったら教えてね」などと声かけするよう努めているんです。子どもであっても、一人の人として対等に接することが大切だと思いますね。子どもの診療を難しく感じる時期もありましたが、そうした意識が子どもにも伝わることに気づき、普段どおり対応するようにしたらうまくいくようになったんです。ごく小さなお子さんでも、しっかり向き合うようにしていますよ。例えば、嫌がって治療できなかったのに、ご褒美だけを欲しがるような子には、「悪いけど今日はあげられないよ」と率直に話します。
普段の診療の際、意識されていることも教えてください。
患者さんにきちんと説明することを意識しています。今から何をするかきちんとわかってもらった上で、治療を受けていただきたいからです。それで、治療の前後に口腔内写真を撮って、治療前に「ここがこうなっています」と説明し、治療後には「ここを削りました」と説明するんです。「説明もなく勝手に削られた」と言われないよう、丁寧にお話しすることを心がけていますね。また、患者さんのご希望に沿うため、スタッフ間のコミュニケーションも図るように努めています。例えば、初診の際、歯科衛生士にカウンセリングしてもらうこともありますし、受付スタッフが患者さんの話を聞くこともあります。そうした情報を、無線通信システムを通して、随時私に伝えてもらうようにしているんです。
衛生管理も徹底されているようですね。

患者さんに安心して治療を受けてもらえるよう心がけています。その点、清潔さを保つということは特に意識していますね。クリニックの内装を白に統一したのも、清潔感を強調するためです。最近、歯を削る機器を使い回しているクリニックがあるといった報道がなされ、心配されている方も多いのではないでしょうか。当院は開業当初から、患者さまのお口の中に入れる治療器具の滅菌・消毒には力を入れていますので、ご安心ください。実際、滅菌・消毒のために、医科の外科手術における器具の滅菌にも対応できるような、クラスBという規格の滅菌器を導入しています。いったん開業してしまうと機械の入れ替えが難しくなりますので、最初から厳密な規格の滅菌器を備えたんです。
自身の歯を長く健康に保つため、気軽に来院してほしい
どんなきっかけで歯科医師をめざされたのですか?

兄が法学部に進学しましたので、それなら自分は別の道に、と思ったのが理系に進むきっかけでした。理系の中なら、医師がいいかなと。人に喜んでもらえるような仕事をしたいという思いが強かったからです。当初は医科に進むことも考えたのですが、歯科のほうが開業して自分の自由にやれる可能性が高いのかなと思い、最終的に歯科医師をめざすことに決めたんです。ですから、歯学部に入った頃から、将来は開業するということが常に頭にありましたね。それで、ちょうど5年前にこの土地が空いたことをきっかけに開業したんです。ここはもともと祖父が所有していた土地で、それを譲り受けました。開業して、スタッフに対する責任なども増えましたが、やりがいも大きいですね。
歯科医師としてのやりがいや休日の過ごし方をお聞かせください。
患者さんが治療を終え喜んでくだったり、その後もずっとメンテナンスのために通ってくださってくだされば、歯科医師としてのやりがいを感じますよね。メンテナンスのために通ってくださる患者さんが増えてきたことは喜びですね。初診でいらした時から、メンテナンスの大切さについてお話しするようにしていますし、もし途中でやめられたとしても、また来院された時に再度お話しさせていただきます。治療が済んたら終わりではなく、患者さん自身の歯を長く守ってもらいたいんです。休みの日は、家族と一緒に過ごすことが多いですね。今は暇さえあれば4歳の娘と遊んでいます。勤務医時代は診療後飲みに行くこともありましたが、今はまっすぐ家に帰ることが多いんです。
最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

気になる症状があれば、まずは一度お越しいただきたいですね。今のご自分のお口の状態を知っていただくことは大切だと思うんです。問題が見つかったからといって、「虫歯だから治しなさい」などと一方的に言うのではなく、「今こういう状態なので、そのままにしておくとこうなるかもしれませんよ」と現状を丁寧に説明させていただきます。当院には、妊婦さんもご来院されているんですよ。妊娠中だからという理由で治療を中断している方がいたら、遠慮なく来てほしいですね。出産後に、赤ちゃん連れで通っていただくことも可能です。幼い頃から歯科医院に連れてこられるのに慣れていれば、歯科に対する恐怖心も育ちにくいと思うんです。地域の子どもたちが歯の健康を保ちつつ、元気に育っていくことを心から願っています。