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坂口 倫章 院長の独自取材記事

坂口歯科医院

(熊本市中央区/新水前寺駅)

最終更新日:2022/02/10

坂口倫章院長 坂口歯科医院 main

新水前寺駅出口のビル2階で、2008年から診療を続けている「坂口歯科医院」。坂口倫章院長はこの道32年、日本のインプラント治療の発展とともに腕を磨いてきたベテラン歯科医師だ。坂口院長が歯科医師になったのは1989年。まさにインプラント治療の黎明期で、治療技術の発展とともに実績を積み上げてきた。そして、どれだけ丁寧に治療をしても、口腔内の環境を整えなければ健康な状態を維持できないという結論に至ったと語る坂口院長。年齢なりに賢く年を重ねること、すなわち「スマート・エイジング」をモットーに、患者が豊かな生活を送れるよう、治療と指導に力を尽くしている。

(取材日2021年10月13日)

疾患の原因を理解してもらうことから治療を始める

クリニックの特徴や患者さんの傾向があれば教えてください。

坂口倫章院長 坂口歯科医院1

診療内容としては、虫歯や歯周病治療などを行う一般歯科、小児歯科、定期検診を含めた予防歯科、それにインプラント治療、噛み合わせ治療、審美歯科、歯列矯正治療、親知らず、顎関節症など多岐にわたる分野を扱っています。その中でも、インプラントと歯周病治療専門の歯科医師として長く治療にあたってきました。患者さんの傾向としては、年齢的には30代以上の方が最も多いですね。訴えとしては、虫歯や歯周病が3割から4割、噛めない・噛みにくいなどの咀嚼障害も3割から4割、次に歯並びや顎関節症のご相談という順番です。初診の患者さんは圧倒的にご紹介による来院が多く、難症例として他院からの紹介で来院される方もいらっしゃいます。地域的には熊本県内から広く来院されていますが、関東、関西など遠方から定期的に通われている方もおられます。

院内にはどのような機材や設備がありますか。

歯科用の3DCT撮影装置、クラスB滅菌器、口腔外バキューム装置など基本的な機器に加えて、笑気ガス吸入器、静脈内鎮静法、マイクロスコープ、炭酸ガスレーザー、インプラント手術用のモーターと切削機など、一般歯科治療用からインプラント治療や親知らず抜歯など口腔外科分野、歯周外科分野などで使う機材まで用意しています。特に当院はインプラント治療を多く手がけていますので、万が一に備えて、心電図や心拍数、酸素飽和度などを計測できる生体監視モニターもスタンバイさせています。生体監視モニターは歯科医療の現場ではあまり使わないものではありますが、患者さんの安全には代えられませんから。

診療方針についても伺います。

坂口倫章院長 坂口歯科医院2

すべての治療について、まずは「なぜこうなってしまったのか」を患者さんに理解してもらうことから始めます。そのため、手始めに位相差顕微鏡や口腔内を撮影した患者さんご自身のお口の中を、画像で確認していただきます。虫歯にしても歯周病にしても噛み合わせにしても、治療法はたくさんあります。しかし、まず「なぜ」から始めないと、どんなに優れた治療を行ったとしても、患者さんご自身が維持できなくなってしまうんです。虫歯にしろ、歯周病にしろ、インプラントにしろ、噛みしめの具合と噛み合わせ、それに歯周病菌の感染を制御すること、噛みしめ癖の改善などお口の中の健康を長期的に維持する上で重要となります。このことを理解して管理していただかないと、せっかく治療した歯がやがては悪くなり、全身の健康を保てなくなってしまいます。

新人歯科医師時代から、インプラント治療とともに歩む

歯科医師の仕事を志したのはどういういきさつだったのでしょうか。

坂口倫章院長 坂口歯科医院3

高校生の頃から、将来は人の役に立てる仕事をしたいと考えて、医療関係の仕事をと思っていました。最初は心療内科に関心があったのですが、当時の医学は各分野とも専門が変化している時期だったので、選びきれなかったんですね。それで歯学部に進みましたが、歯科もやっぱり分野ごとに専門性が高まっていくことになりました。家庭の事情で学費は自分で稼がないといけなかったので、国立の長崎大学歯学部に進学し、家庭教師や大手進学塾の専任講師などで働きながら、大学を卒業しました。教育分野も自分には合っていたようで、多くの生徒たちを志望校に送り出すことができましたし、誰かの役に立っている実感があり、楽しかったですね。教育に対する情熱と医療に対する情熱は似ているところがあるなという発見もありました。

働きながら歯学部で学ぶのは大変だったでしょうね。

学生時代はどこにでもバスやバイクで移動し、さまざまなアルバイトをしました。歯科医師になっても、駆け出しのうちはそれほど稼げないだろうと思い、仕事も学業も頑張りました。研究活動も嫌いじゃなかったのですが、臨床への興味のほうが強かったので、在学中に26軒の歯科医院を見学させてもらい、そのうち1軒の熊本市内の歯科医院に勤めることになりました。当時、日本にチタン製のインプラントが導入された頃だったのですが、僕が就職した歯科医院こそ、このインプラントを国内に紹介した数少ない歯科医院の一つだったんです。そこで補綴と噛み合わせ、矯正歯科治療等々を学ぶところから、歯科医師としての人生が始まりました。

新人歯科医師時代から、インプラント治療に縁があったのですね。

坂口倫章院長 坂口歯科医院4

当時のインプラント治療は黎明期で、長期的な経過も不明、ケースによってはクリニックの社会的信用に関わることも多かったのです。インプラントはたやすく手がけてはいけない治療で、新人の歯科医師が最初からやらせてもらえる治療ではありませんでした。勤務先の院長ほか関係者の先生たちは危機感を抱き、学会や研究会を設立して適正化し、卒後教育をきちんとするなど、制度を整えて進めていきたいと考えておられました。僕もそのお手伝いをすることになり、組織づくりや法人化などの手続きを経て、2006年に熊本で学びの場を提供して、3500人もの参加者が集まりました。この仕事をお世話になったお礼として区切りをつけ、2008年にその歯科医院を退職し、当院を開業することになったという次第です。

口は命の入り口であり、心の出口

これまでの仕事で印象に残っているのはどんなことですか。

坂口倫章院長 坂口歯科医院5

心に強く残っているのは、お世話になった先生方の教えですね。長年指導を仰いだ故添島義和先生は、インプラント治療などで非常によく知られる方でしたが、それ以外の分野でもたいへん経験豊富な方でした。特に総義歯は素晴らしいものを作り、多くの患者さんに喜ばれていました。また、何度も一緒に手術をし、機材の開発もさせてもらえました。何より一番すごいのは生き方で、どこまでも妥協を許さない方でしたね。歯周病分野でも、素晴らしい先生方との出会いがあり、歯科の治療はさまざまなベーシックな治療の上で最終的には噛み合わせがきちんとできていないと体をなさないことを学ばせてもらいました。そういった土台の上に僕自身の経験を積み上げ、どれだけ丁寧に補綴・再建しても、口腔内の環境を整え続けなければ健康な状態を維持できないという結論に至りました。

これからの取り組みについて教えてください。

歯周病は歯肉や周辺から細菌が入ることで引き起こされる感染症です。菌血症などとして全身に広がっていき、健康に悪影響を及ぼすこともわかってきています。お口の中の環境を整え、衛生的に保つことは全身の健康をめざす上で大いに意義があります。また、自分の歯でもインプラントでも末永く使い続けるため、定期的なメンテナンスを加えながら、日々しっかりと口腔内を清潔に整えていくことの大切さを、これまでと同様に伝えていきたいですね。また、年を重ねることで減ってくる唾液の量を保つことが、口腔内の環境改善や全身の健康の鍵になることもわかっています。唾液をたくさん出すためのベロ回し運動をお勧めしたり、リラックスしておいしい食事をしていただけるようお話ししたりといった活動もしていきたいです。

読者へメッセージをお願いします。

坂口倫章院長 坂口歯科医院6

インプラント治療だけでなく歯科の医療はすべて、患部を元に戻すことはできない医療です。歯周病そのものを治すことはできたとしても、失われた部分が元に戻るわけではありません。歯科医療を受けた後は、患者さんご自身の努力で、悪くならないようにすることが大切です。年齢とともに減ってくる唾液や摩耗する歯、噛み合わせのズレなどをコントロールするためにも、定期的な通院をお勧めします。そして、「スマート・エイジング」として、年齢なりの健康と美しさを保っていただきたいのです。食事を通じて口は命の入り口であり、会話や表情を通じては心の出口です。口の中をきれいにすることは人生を豊かにすることと、理解していただければ幸いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/38万円〜、ホワイトニング/1万5000円〜、歯列矯正治療/15万円~

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