平原泰樹院長の独自取材記事

平原歯科　新潟東区役所内診療所

(新潟市東区／新潟駅)

最終更新日：2022/06/13

新潟市東区役所の地下1階というユニークな場所に、「平原歯科　新潟東区役所内診療所」はある。院内は白やベージュを基調とした配色で、明るく清潔感にあふれている。院長の平原泰樹先生は、東京や横浜で勤務医として豊富な経験を積んだ後、2012年に故郷の新潟市で同院を開院。以来、一般歯科診療や小児歯科診療をはじめ、インプラント治療、入れ歯治療、歯周病治療、審美歯科など幅広い歯科医療を地域に提供してきた。患者の多様なニーズに応える知識や技術を持ちながら、一方で歯科医療には「人間力」もまた欠かせない要素だと語る平原先生。患者と対等な目線で言葉を交わしながら信頼関係を築くことが大切だという。その診療の特徴について、今年で開院10年の節目を迎える同院で詳しく聞いた。

（取材日2022年3月29日）

幅広い診療分野で多様な患者のニーズに対応
歯の健康は生活に満足感や喜びをもたらしてくれる
コミュニケーション重視の診療と予防歯科に注力

幅広い診療分野で多様な患者のニーズに対応

区役所の中に歯科医院があるのは新鮮です。

全国的にも少ないケースだそうです。故郷である新潟市での開業を検討していた際、たまたまこちらのテナント募集の話を耳にしたことがきっかけとなって、この場所で開業することになりました。今年でちょうど開院から10年目ですが、振り返るとあっという間でしたね。毎日の診療に精一杯の日々でしたが、その歩みの中で地域の皆さんに少しずつ認知されてきたと思うと、とても感慨深いです。

平日は午後7時まで診療を行われているのですね。

診療時間を夕方までとしている歯科医院は少なくありません。でも、日中働かれてお仕事を終えた後に治療を受けたいという方も多くいらっしゃると思います。そういったニーズにお応えできることも当院の特徴の一つになればと考えて、現在の診療時間を設定しました。土曜日も午前中で閉じずに午後5時まで開院しています。このように1日の診療時間を長く設けている分、メリハリをつけて木曜日は休診日にしています。

どのような患者さんが多く来院されていますか？

当院のある新潟市東区は、もともと工業地帯であり事業所の多い地域です。ですから開院当初はそのエリアにお勤めの方のご来院が多いと予想していました。ところが実際に開院してみると事業所勤務の方だけではなく、住宅地にお住まいの方や農家の方、近隣の北区や中央区にお住まいの方など、幅広い層の方々にご来院いただくようになりました。中には親子3世代で通院されている患者さんもいらっしゃいますね。そういった皆さんの多様なニーズにお応えするために、診療分野も一般歯科診療や小児歯科診療を中心に、インプラント治療や入れ歯治療、歯周病治療、審美歯科まで幅広く行っています。インプラント治療については開院当初に予想していたよりも多くの治療実績を重ねることができ、さまざまな症例を経験してきました。高齢の患者さんも多くいらっしゃるのですが、喜んでいただけるのはいつもうれしいですね。

歯の健康は生活に満足感や喜びをもたらしてくれる

歯科医師をめざされたきっかけを教えてください。

親戚に歯科医師が多かったことが大きく影響していると思います。幼い頃から身近な存在だったため、将来の職業として自然にイメージできていたのでしょうね。大学では歯学部に進学し、卒業後は同大学の歯学部組織再建口腔外科学講座に入局して外科的な研究や臨床経験を積みました。その後は東京や横浜で勤務医として働きましたが、ビジネス街ではなく住宅の多い郊外のエリアだったので、当院と同じく幅広い層の患者さんを診察していました。この勤務医時代に多くの症例に触れられた経験は、現在の地域密着の診療にも生かせていると感じています。

インプラント治療のメリットとデメリットをお聞かせください。

やはり天然の自分の歯のように、硬い物が噛めることが期待できるのはメリットだと思います。特に高齢の方は食事が毎日の楽しみという人が多いですから、QOL（生活の質）の向上にはとても役立つのではないでしょうか。また、入れ歯と違って取り外さずに自分の歯のように磨けるので、日々の手入れが簡単というのも利点だと思います。デメリットとしては、まず費用の面ですね。インプラント治療は自由診療のため、保険診療に比べると治療費が高価です。また外科手術ですからリスクもゼロとは言えません。治療後も場合によっては歯周病になったり抜けたりといったことも起こり得るため、長期的なメンテナンスの視点も必要です。だからこそ、治療を検討する際には患者さんに丁寧に説明し、治療についての十分な理解と信頼関係を築くことがとても大切なことだと思っています。

衛生管理も徹底されているそうですね。

はい。当院では開院当初から、安心して治療を受けていただくための衛生面での体制と設備を整えています。例えば滅菌装置は一般的に使用されているものに加えてヨーロッパ基準の機械を導入し、歯を削るための器具は使い回しをせずに患者さんごとに滅菌処理を施しています。こういった衛生管理の取り組みは患者さんからはなかなか見えにくい部分なのですが、安全のために常に徹底しています。ほかにも空気清浄器の設置や診療ユニットに抗菌のシートを用いるなど、より安全に治療を行うためにさまざまな対策をしていますので、安心してご来院いただければと思います。

コミュニケーション重視の診療と予防歯科に注力

患者さんと接する上で大切にしていることを教えてください。

患者さんの立場に立って、治療についてできるだけ丁寧に説明するように心がけています。どうしてもこちらから一方通行的に伝えて終わりという形になってしまいがちなので、「何かご質問はないですか」と声をおかけするように意識していますね。また、スタッフとのほうがより話しやすいという患者さんもいらっしゃいますので、「私に言いにくいことがあればスタッフに伝えてくださいね」ともお伝えしています。治療についての理解を不十分なままにせず、きちんと納得して治療を受けていただくのが望ましいですから。コミュニケーションの方法を工夫しながら、患者さんの気持ちに寄り添った医療が提供できるようにスタッフとも日頃から意識を共有しています。

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか？

以前、治療を終えた患者さんから電話で苦情を伝えられたことがありました。想いを強く持たれているご様子だったので後日ご来院いただいてお話を聞くと、診療時の意思疎通が十分でなかったことにご不満をお持ちとのことでした。日頃から丁寧な対応を心がけているつもりでしたが、こちらに不足していた点があったのでしょう。そう考えてじっくりとお話に耳を傾けていくと、ご自身の中に抱えていらっしゃるものを一つ一つ解消してくださり、その後は良いお付き合いをさせていただく関係にまでなりました。医療には知識や技術だけでなく「人間力」も求められることをあらためて気づかさせていただく、とても大切な経験となりましたね。

休日やプライベートの時間はどのように過ごされていますか？

仕事がインドアなので、健康のためにも休日は外に出て過ごすようにしています。例えばジョギングやゴルフなどですね。ゴルフは勤務医時代と比べると頻度はだいぶ減ってしまいましたが、それでも月に1〜2回程度は行っています。また健康維持の面で食事もとても大切ですから、お米を玄米にしたり出来合いのものをなるべく食べないようにしたりするなど、普段から気をつけるようにしています。

先生の今後の展望をお聞かせください。

大学とも連携して歯科医師やスタッフの受け入れなどを行い、今後の歯科医療を担う若い人たちが研修できる場をつくられたらと考えています。また、予防歯科の大切さを地域の皆さんにより知ってもらうために、情報媒体を通じた啓発活動にも力を入れていきたいですね。おいしいものをおいしく食べられるというのは、生きていく上でとても大事なことです。歯科医院には歯が痛くなってから通うという方がまだまだ多いと思いますが、「特に痛くないけれど歯の状態を診てもらおう」という感覚で、より日常的に来院していただければと思います。些細なことでも構いませんのでぜひお気軽にご相談ください。