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今川賢一郎 院長の独自取材記事

医療法人横美会 ヨコ美クリニック

(横浜市西区/横浜駅)

最終更新日:2019/08/28

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「植毛に大切なのは、自然さと濃さ」。そう話すのは、横浜駅西口の繁華街近くに位置する「ヨコ美クリニック」の院長、今川賢一郎先生。「アメリカ毛髪外科専門医制度(ABHRS)」の認定医資格を先駆的に取得した医師であり、国内における植毛治療のパイオニアといえるだろう。国際毛髪外科学会(ISHRS)のフェローでもある。論文も数多く執筆し、同業の医師が患者として来院することも多い。提供するのは「株」と呼ばれる毛根を採取し、それを毛髪の薄い部分に移植する自毛植毛。「植毛は、職人による手作業のようなもの。画一的なマニュアルがあったとしても、医師によって結果に差が生じます」と、今川先生は話す。そこには、「ブランド名ではなく、医師で選ぶべき」という、今川先生自身の職人としてのプライドが垣間見えた。
(取材日2014年8月28日)

アンティーク調が漂う、ワンクラス上の「こだわり」空間

医療の道をめざしたきっかけについて教えてください。

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実家が北九州市で婦人科の開業医でしたので、「いつかは継ぐんだろうな」という漠然とした思いを、子どもの頃から持っていました。父は、戦争のゴタゴタの中で医師になったこともあり、きちんと勉強し直したいと考えていたようです。たびたび医院を閉めて渡米しては勉強していましたね。当然その間は、患者さんを診ることができませんし、お世辞にも「はやっていた」とはいえなかったですね(笑)。一方の私はというと、医学部を卒業した後、婦人科の医局に進みました。ところが、いろいろと学んでいく中で、創造的な仕事に興味を持ってしまったのです。そこで、形成外科をめざすことに決めました。

形成外科の中でも、なぜ植毛に特化していこうと考えられたのでしょう?

人に負けない得意分野を持ちたかったからですね。昭和50年代というと、美容外科医院の数が少なくて、人口比率にすると100万人に1医院程度しかなかったのではないでしょうか。場所も、JRの乗換駅に限られていたように思います。ですから、苦労しなくても一定の患者さんが来院していたのです。ところが、予感というのか、「いつまでもこの状態が続くわけがない」と思えてきたのです。そんなとき、偶然目に留まったのが、後退してきた自分の生え際。思わず「これだ」と直感しましたね。そこで、当時の最先端を行くアメリカに渡り、植毛について勉強を始めることにしたのです。何だか、父親と同じようなことをしていますよね。勉強はずっと続けていますが、私は人に教えるより自分が勉強している方が好きですね。

開業してから今に至るまで、どのような変化がありましたか?

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もともと美容外科医院でしたから、かつては、しわ取りや豊胸手術なども手がけていたのです。それが、20年前ぐらいからでしょうか。徐々に植毛治療の比率が高くなり、2000年頃から9割を越えるようになりました。院内の内装は、ヨーロッパのアンティーク調をイメージし、2014年にリニューアルしたばかりです。どちらかというと私の趣味なのですが、落ち着いた感じがしますし、自分でも気に入っています。一般の医院とは異なり、患者さんが「こだわり」を求めて来院しますから、配管が丸見えの潜水艦のような雰囲気にはしたくなかったのです。それに、当院は、美容を扱うクリニックですからね。

「自然さ」を追求した、自毛植毛の仕組み

患者と接する上で気を付けていることはありますか。

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基本的に来院される方は、相当悩まれて目的を持って来られる方です。そのご意向をしっかり把握して、治療でできることを説明し、何本植毛すればどういう仕上がりになるのかということを共有することが大事だと思っています。

形成外科治療の役割について教えてください。

大きな外傷を目立たないようにする、というのが一つの大きな役目でしょう。以前、交通事故で頭部に外傷を負い、目立たないようにする植毛治療が必要となり来院された患者さんがいらっしゃいました。健康保険の適用外になるのですが、他院に数百万と見積もられてびっくりされて、保険会社さんの勧めで当院に来られたのです。私は、形成外科治療は医療であるのですから、健康保険適用外だからといって、国際的標準の金額を上回るような値段設定をしてはいけないと思っています。また、医療の中でも美容分野については、病気や傷を治す純粋な医療とは異なるわけですから、医師免許を持っているからといって好き放題やっていいわけではなく、医師としての良心を持って、謙虚にならなければならないなと思っています。

先生が認定されている、アメリカの毛髪外科専門医制度について、説明をお願いします。

アメリカ毛髪外科学会、通称「ABHRS」は、植毛の治療技術を認定している団体です。認定されるには、3チームとの面接を行うほか、4時間程度の筆記試験に合格することが必要です。現在、同学会の認定医として認められているのは、世界でも150人程度といわれています。かつては日本でも独自の認定医制度を作ろうという動きがあったのですが、私は大反対しました。そもそも植毛治療が行える医師の数が少ないなか、誰がどんな基準で認定するのか、疑問に感じたのですね。客観性に乏しく、内々で甘えが生じてしまうのではないかという恐怖心がありました。それよりも、おのおのが「ABHRS」の試験を受けに行けばいいだけの話じゃないですか。そのような理由から、まず自分が受験して認定医資格を取得しました。

自毛植毛のメリットとは、何でしょう。

「見た目の自然さ」に尽きると思います。また、毛根を移植しますので、耐久性にも優れています。実は、1つの毛根に対し、平均して2本程度の毛髪が生えていることをご存じでしょうか。したがって、毛髪の一本一本を移し替えていくより、まとまった毛根ごと施術する方が、濃さを稼ぐことができるのです。こうした施術の単位を「株」と呼びます。主に2通りの方法があるので、簡単にご説明しましょう。まずは「MFU(マルチフォリキュラー)株」から。これは、複数の毛根を、皮膚組織ごと移植する方法です。例えるなら、「パッチワーク」といった感じでしょうか。毛髪の密度は変えられませんので、濃さをコントロールすることは不可能です。対して「FU(フォリキュラー)株」では、一つ一つの毛根を直接頭皮に植え付けていきます。こちらの方が、濃さも含めて自然な仕上がりにできるというメリットがあります。

一般的なフローはどのようになっていますか?

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まずはカウンセリングを行った上で、頭部に方眼紙を置き、施術に必要な面積を測ります。毛髪は、自然な状態だと1c?あたり約160本生えています。一方、施術後に満足度を得られる濃さは、その半分程度だと考えていいでしょう。平たく言えば、採取先の面積1に対して、施術する面積は2となる計算です。実際に採取する毛根を「ドナー」と呼ぶのですが、当院では主に、後頭部から採取しています。なぜなら、薄毛は頭頂部から始まる傾向があり、それに比べると、両耳から後頭部にかけての毛根はタフだからです。仮に、3cm×4cmの証明写真大の面積に植毛するなら、約1000本、500株が必要になります。

方法は同じでも、人によって結果が異なるのが医療

ポリシーや理念をお持ちでしたら、伺わせてください。

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「植毛治療は、医療行為である」ということですね。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ビジネスモデルとして植毛を行うと、マニュアルに沿った治療になり、医師にとっても主体性や、より良いスキルの習得につながらなくなる可能性があります。施術が人の手で行われる以上、「方法」を統一しても、同じ「結果」が望めるとは限りませんしね。植毛が医療行為であることを忘れてはいけません。企業の理論が横行している昨今、業界全体に「不信感」が生まれているのではないでしょうか。例えばお隣の韓国では、ダンピング問題に発展したのを契機に、医療機関のチェーン展開は禁止されました。厚生労働省も最近ガイドラインの作成に乗り出し始めましたが、一定のルールは必要だと感じています。私自身、美容広告のあり方について学会会員に対して啓発するメンバーの理事を務めています。

そうなると、何を基準に選べばいいのでしょうか?

人、つまり「医師」です。脳や心臓、あるいはがんのような生死に関わる手術では、大学病院などで実績のある「医師」を選びますよね。同じ大学で同じ方法を学んだ医師なら誰でもいい、ということにはならないのです。それなのに、植毛治療になると、なぜ「方法」にばかり注目し、「医師」に着目しないのかと思いますね。「方法」も大事ですが、その方法で結果を出す技量のある「医師」の施術を受けることが大事だと私は思います。また、医師の「人柄」も大事です。時間はかかるかもしれませんが、やはり自分から複数の医師に直接会い、その中から選んでみてはいかがでしょうか。ちなみにカウンセリングの時に医師ではない人が説明するケースもあるようですが、それは医療行為として正しくありません。ですから、直接医師に会ってお話をしてみてください。他には、数字による比較も有効かもしれません。「自分の状態で、何本、何株の植毛が必要になるのか」ということを聞いてみてください。本数を株数で割った数字が2.5以上であれば、上述した「MFU株」の可能性があります。ちなみに私がお勧めする「FU株」は、2前後になるはずです。まあ、その医師が自分の勧める方法をおっしゃると思います。だからこそ、ご自身で自分の判断軸をしっかり持った上で、自分に合ったドクターを探してほしいと思います。

最後になりますが、先生の趣味について教えてください。

オペラを聞きながら本を読むことですね。オペラといっても、いわゆる「オペレッタ」と呼ばれる、軽快な「めでたし、めでたし」で終わるような曲が好きです。本の好みは、ヨーロッパの紀行文や歴史書などでしょうか。ヨーロッパ旅行が好きなので、行ったことのある土地のことが書かれていると、関心が増します。そうなると、欠かせないのが白ワイン。ほぼ毎日飲みますので、どこにでも売っている、安くて飲みやすい銘柄のものを楽しんでいます。当院の内装も、そうしたなかで受けたインスピレーションを反映しました。患者さんに、オペレッタのモチーフであるハッピーさが伝われば、うれしい限りです。

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