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中村 文昭 院長の独自取材記事

中村歯科

(豊橋市/二川駅)

最終更新日:2023/07/13

中村文昭院長 中村歯科 main

二川駅から車で5分の「中村歯科」は、予防歯科を軸としながら、地域のかかりつけ医として口腔を通じた全身の健康管理に努めるクリニックだ。それを実現するために中村文昭院長が重視するのがチーム医療。経験豊かな歯科医師やチームワーク抜群の歯科衛生士とともに、「患者にとって何がベストか」を常に考え、日々の診療に向き合っている。徹底した衛生管理もその一つで、新型コロナウイルス感染症の流行もあったことから、感染症対策への取り組みを強化。患者が安心して通えるような環境づくりに努めている。「地域の皆さんが長く元気で暮らせるよう、スタッフと力を合わせてサポートしていきたい」と話す中村院長に、予防歯科の大切さや診療モットー、今後どんなクリニックをめざしていきたいかなどについて話を聞いた。

(取材日2018年8月31日/記事更新日2023年6月29日)

めざすのは、歯の予防を通じた健康寿命の延伸

まずクリニックの特徴を教えてください。

中村文昭院長 中村歯科1

最も重視しているのは予防歯科で、開業以来、歯が悪くなる原因をつくらないように予防ケアに力を入れてきました。そのかいあって、現在は約8割の方がメンテナンスに来院されています。残りの2割のうち多いのは義歯治療で、ほかにも虫歯や歯周病の治療、さらには口腔外科や歯内療法、噛み合わせを専門とする非常勤の歯科医師もいます。治療にあたっては、保険診療をベースに患者さんの経済的負担も考慮しながら、治療法や使用材料などを決めています。今後は、患者さんのニーズに応えて自由診療にも対応する予定ですが、保険内で質の高い治療を提供したいという思いは強いです。長くお口の健康を保つには継続的な通院が欠かせませんから、少しでも患者さんの負担を減らせたらと考えています。

なぜ予防が大切なのか、先生のお考えをお聞かせください。

痛みがでてから「悪くなってから治療する」を繰り返していくと、最終的に歯を失いかねません。そうならないようにするには「悪くなったら治療する」のではなく、「悪くなる前にどうやって健康な歯を維持するか」という意識を持つこと、これが重要なんです。そうしてお口の健康を維持し、自分の歯でしっかりと食べられるようにすることは、全身の健康にも大きく影響します。近年では、口腔ケアが肺炎や認知症の予防、骨折の予防にもつながるとされ、高齢者の健康寿命を延ばす上でも欠かせません。そのためには、20代、30代から「健康な歯を維持する」ことが実は大事になります。もちろん、小さなお子さんにとっても予防は大切。3歳すぎると虫歯が急増する現状があるので、早くから歯科に通う習慣をつけてもらえたらと考えています。

診療ではどのように予防をしているのですか?

中村文昭院長 中村歯科2

予防歯科で大きな役割を担うのは歯科衛生士なので、彼女たちと協力しながら進めています。現在は10人が在籍し、メンテナンス時のクリーニングやセルフケア指導を通じてお口の健康管理をしています。安心して継続通院されるように、口の中に入れる器具は患者さんごとに滅菌しています。例えば、超音波スケーラーの先端の刃先だけでなく、高価な本体も患者さんごとに高圧で滅菌するため、変色劣化し、数年で廃棄しています。メンテナンス時に使う、ゴム、ブラシ類はディスポーザブルの物を採用するなど徹底しています。また、将来、過去のお口の中の状態の記録が参考になることが多いので、口腔内専用カメラでの写真撮影を定期的に行っています。

チーム医療も感染症対策もすべて「大切な患者」のため

チームで診ることを大切にされているのですね。

中村文昭院長 中村歯科3

診療に関してはもちろん、クリニックの運営についてもスタッフと相談しながら進めています。そうやって主体性を持って働くことはスタッフのやりがいになり、良い歯科医療の提供にもつながるのではないでしょうか。実は、チームで診ることの必要性は勤務医時代から感じていました。長く大学病院に勤めていたのですが、そこでは歯科の中だけでなく、医科との連携も欠かせなかったので、チーム医療の必要性を痛感することが多かったんです。だからこそ、今も歯科医師や歯科衛生士、入れ歯やかぶせ物の作製を依頼している外部の歯科技工士とのチームワークを大切に、できる限りコミュニケーションを図るよう心がけていますね。

感染症対策に力を入れていると伺いました。

以前から感染症対策にはこだわっており、近年取り組みを強化しました。自分や自分の家族が受診した時に、してほしいレベルの感染予防対策を患者さんにもしてあげたい。そうしたシンプルな思いに従っています。具体的にはまず滅菌。血液や唾液を介して感染する可能性があるため、使用済み器具はクラスBという厳しい基準をクリアした滅菌器を3台使って、滅菌処理をしています。さらに空気中に飛び散る水や唾液を吸い込む口腔外バキュームも全ユニットに導入しました。また換気にも注意し、天井には強力な空気浄化装置、床にも10台の空気清浄機を設置しています。衛生管理を徹底することは、患者さんの安全を守るためにはもちろん、スタッフの健康を守ることや、処置後の予後や治療の質の向上にも結びつくはずです。

診療する上で大切にしていることは?

中村文昭院長 中村歯科4

患者さんの話をよく聞き、丁寧に説明をすること。これを院内全体で心がけています。というのも、歯科医師だけでは十分とは言えないからです。例えば、歯科医師には遠慮して言えないことを歯科衛生士になら素直に伝えられるという方もいますので、できるだけ歯科衛生士からも患者さんに確認し、情報共有するようにしています。また説明に関しては、自分ならどう言われたらわかりやすいかを意識しながら、お話ししています。必要に応じて手鏡で治療部分を見てもらうようにしています。

口腔に関する相談窓口としての役割を担いたい

ご専門について教えていただけますか?

中村文昭院長 中村歯科5

大学卒業後は大学病院に総合診療科の歯科医師として幅広い分野を診るとともに、必要に応じて医科歯科の専門の先生に患者さんをつなぐ窓口のような役割を担っていました。この経験は現在の診療にも生かされていて、インプラント治療や矯正治療、口腔外科での治療が必要な場合は、信頼するクリニックを紹介し医科の医療機関と連携しています。「餅は餅屋に」ではないですが、適切な専門家に素早くつなぐほうが患者さんのメリットは大きいはずです。その後、予防に取り組むクリニックで研鑽を積み、地域のかかりつけ医として気軽に相談できる場所でありたいという意識を強くもちました。開業後も、豊橋市の保健所に設置された 口腔保健支援センターの嘱託歯科医師を5年間兼務して、口の健康維持が全身の健康状態の維持や、健康寿命の延長、医療費の削減につながることを実感しました。現在は、豊橋市歯科医師会で理事として高齢者の口腔ケアを推進しています。

今後の展望をお聞かせください。

開業したのは、予防を通じて患者さんの健康寿命を延ばしたいと思ったからです。スタッフにも恵まれて少しずつ形になってきましたが、さらに夢を実現していくために、一緒に取り組んでくれる歯科医師を増やしたいです。当院の診療方針に共感してくれる仲間が増えれば、さらに強いチームになれるはずです。それから、良い治療を提供するには医療を提供する側の心身が安定していることが欠かせません。そのためにスタッフも含めワークライフバランスを実現していく必要があります。子育てをはじめ人生には今しかできないことがあるので、その時の自分にとって一番大切なことを優先しながら、メリハリをつけて仕事をしていけたら。そうやって皆がバランス良く働ける環境を整えることが、最終的には診療の質を高めることになると考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

中村文昭院長 中村歯科6

実は豊橋は地元ではないんですが、縁あって開業し10年たって思うのは、本当に温かな方々ばかりでここで良かったということ。患者さんの紹介でいらっしゃる方も多く、ありがたいです。今後は、皆さんに恩返しができるよう、お口から全身の健康を支える存在としてさらに地域に根差した診療を行っていくつもりです。そして、元気で年を重ねていけるように健康寿命延長という意識を持ってもらえるよう啓発に取り組むとともに、予防を通じて末永く患者さんとお付き合いができるようスタッフとともに頑張っていきます。

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