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渡辺 一道 院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科 渡辺医院

(新潟市西蒲区/巻駅)

最終更新日:2022/09/14

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院 main

JR越後線・巻駅からすぐの「耳鼻咽喉科 渡辺医院」。曽祖父から祖父、父、自身と4代続けて耳鼻咽喉科の医師という渡辺一道院長が、2011年に開業した。診療では、まず何が一番つらいかを理解することが重要と考え、患者に詳しく話を聞きながら、症状の情報を集め、今後同じ病気・状態にならないためのアドバイスまで行うことを大切にしている。特に注力しているのが、めまいの診療で、新潟大学医学部附属病院でめまいを専門に診る外来を長く担当した経験を生かし、同院でも月1回、めまいの患者のための外来を設けている。この地で開業していた祖父から特に大きな影響を受けたという渡辺院長に、診療方針やめまいの診断などについて詳しく聞いた。

(取材日2022年7月6日)

優しく、困っている患者に全力で向き合った祖父が目標

まず、開業までの経緯を教えていただけますか?

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院1

父、祖父、曽祖父が皆耳鼻咽喉科の医師で、私は4代目なんです。曽祖父が最初に診療所を開いたのは戦後間もない頃で、祖父がこの地で開業。父は富山の大学病院で勤務医をしていました。祖父が体調を崩して7年間ほど閉業していた時期がありましたが、2011年に私が院長となり、クリニックを建て替えて再出発しました。私はここ西蒲区の生まれで、小学3年の時に父の転勤で富山県に引っ越し、県内の高校卒業後、1990年神奈川県の北里大学医学部に入学。卒業後はこちらへ居を移し、新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室に入局しました。それから1年おきくらいに長岡赤十字病院、佐渡総合病院、新潟労災病院、秋田赤十字病院、済生会新潟第二病院など県内のさまざまな関連病院に勤務し、2011年に新潟県立中央病院耳鼻咽喉科部長を務めた後、開業しました。

先生が医師をめざし、耳鼻咽喉科を専門にされたのは、お父さま方の影響が大きいのですね?

家族の仕事ぶりをずっと見ていましたから、耳鼻咽喉科の医師になろうという思いは早くからありました。私は男ばかり3人兄弟の長男。両親は、誰かが耳鼻咽喉科医になってくれたらいいと思っていたようです。実際、耳鼻科医になったのは私一人で、次男は当院の隣で鍼灸院を開き、三男もほかの診療科の医師になりました。私自身が影響を受けたのは、父よりも、ここで開業していた祖父のほうが大きいですね。隣が実家だったので、大学の夏休みで帰省した時や、大学を卒業してからも、ここに来ては祖父の診察を見ていました。祖父はとにかく優しい人でした。夜間の緊急診療にも応じていて、子どもが耳が痛いと訴えている、骨が喉に引っかかったなど、親御さんから電話が入ればクリニックを開けていましたね。そうした仕事ぶりを見ていたので、祖父のことはとても尊敬しました。私はまだ至らないですが祖父は今でも私の目標です。

大学病院で勤務医を続けるのではなく開業医を選択されたきっかけはありますか?

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院2

大学病院にいると、診療だけでなく研究の比重も大きくなるので、私も祖父のように一般の方々の近くで診療したいと思うようになったんです。私が30代半ばの頃、祖父の体調が悪くなったのをきっかけに開業を考えるようになりました。祖父の医院は入院設備もあり手術も行っていました。私も勤務医時代は手術を行いましたが、今の開業医でそこまでめざすのは難しい。そこで、私が開業してからは、手術や大きな検査は大規模病院に任せるという方針に切り替えました。病診連携をきっちりすれば、いざという時患者さんも安心です。「この病気、症状なら大きな病院まで行かなくても大丈夫」ということをきちんと説明するようにしています。

患者さんの年代や主訴などについてお聞かせください。

もともと耳鼻咽喉科の患者さんは高齢者と若い方が多いです。お子さんは風邪症状や鼻水・鼻詰まり、そして鼻の不具合から起こる中耳炎。一方、高齢の方は耳の聞こえが悪くなったからと受診される方が多いです。その間の世代も、喉の痛みやめまいなどで受診されるので、患者さんの年代も、カバーする疾患・症状も幅広いですね。最近は感染症の影響で、受診控えが目立つように感じます。もう少し早く来てくださればと思う方が結構いらっしゃいます。

勤務医時代からめまいの診療に注力

患者さんと接する時、大切にされていることはありますか?

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院3

まず何が一番つらいのかを理解することが大切と考えています。例えば、耳から汁が出ると訴える患者さんが来院された時。止めるだけで良ければ薬を処方すれば済むので、診療は数分で終わります。でも、なぜ汁が出るのか。それを考えるのが医師の仕事です。耳がかゆくなかったか、触りすぎていないかなどいろいろお話を伺いながら、なぜそうした状態になったのか情報を集め、今後同じ症状にならないためのアドバイスを行います。診療は、話して、情報を得て、向き合うことが基本。それがないと先へ進めないと考えています。いろいろ聞きすぎて、スタッフから注意されることもあります(笑)。尋問されているような感じになってはいけないので、「ブレーキをかけてね」と言ってあるんです。スタッフとはなんでも言える間柄で、以前はみんなでよく飲み会もしていました。

めまいの治療に力を入れているそうですね。

新潟大学でめまいを専門に診る外来を長年担当していたので、当院でも引き続き行っています。めまいは耳鼻咽喉科領域のものが多く、中でも一番多いのが良性発作性頭位めまい症。ほかに突発性難聴に伴うめまいやメニエール病など、あと、まれにですが脳が原因など危険なめまいもあります。当院ではめまい診断のための検査機器をそろえており、開業医では珍しく電気眼振図検査も導入しています。頭部が心配という方には、脳神経外科の先生が行う脳神経症状からくるめまいの簡易的な検査も行っていますし、CTやMRI検査設備のある医療施設を紹介することもできます。

不安を感じる患者さんは多いのですね。

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院4

耳鼻咽喉科は喉が赤く腫れるなど見てわかるものが多いですが、めまいはそうではないので丁寧な問診が必要です。ところが、めまいを起こしている時は、いわゆる目がぐるぐる回っている状態で、吐いたり、ぐったりしたりなど気分が悪くなっている患者さんが多いんです。つらくて答えられないこともあり、詳しく伺うのはなかなか難しいです。ジレンマがありますが不安感を取ることが第一なので、まずつらい症状を治めることから始めます。危険なめまいでない場合は、飲み薬や点滴など、患者さんそれぞれの状態に適切に対処し、あとは経過観察で様子を見ます。特に不安を抱えている患者さんには、じっくりお話を伺う必要があるのですが、一般診療で多くの患者さんに長く時間を取ることは難しいということもあるので、月1回、めまい相談の患者さんのための診療枠を設けているのです。

これまでの経験を生かしながら患者の笑顔を増やしたい

先生がやりがいを感じるのはどんな時ですか?

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院5

患者さんと接するのが好きですし、開業医は自分に合っているとあらためて思いますね。近隣には特養老人ホームが増えていますが、入所時に耳の聞こえが悪く、職員の方とコミュニケーションが取れずに困っていると来院される方がいます、耳垢がたまって聞こえが悪くなっている人には、耳垢をきれいに取り除き、難聴が原因で聞こえが悪くなっている場合は補聴器をご提案します。今は軽度の難聴でも自治体から補助が出るので、当院でも補聴器相談を行っています。ご高齢の方が誰かと話すことは、認知症を予防する意味でもとても大切です。ですので、ご家族で聞こえが悪い方がおられるなら、状態を放置せず、まずは医療機関を受診してみてください。

お忙しい毎日と思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

最近ははやりに乗って(笑)、サイクリングをしています。村上や上越、長岡辺りまで行くこともあって、往復で100kmくらいは普通ですね。サイクリング仲間と行きますが、自分はおやじ世代なので若い人の後をヒーヒー言いながらついていく感じです(笑)。でもそれが気分転換になって気持ちいいですよ。今のように暑い季節は、早朝3時くらいに起きて走りに行き、8時前に帰ってくることもあります。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

渡辺一道院長 耳鼻咽喉科 渡辺医院6

町の開業医としてこれまでの技術や知識、経験を還元していけたらと思っています。この地域に越してきたばかりの新規の患者さんも増えていますが、当院には、長年通ってくださっている方、何年ぶりかに来院して懐かしいと言ってくださる方もいらっしゃいます。今までのスタイルを守りつつ、これからも患者さんが笑顔になる診療をしていきたいですね。

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