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野村雅寛 院長の独自取材記事

こっここどもクリニック

(海老名市/厚木駅)

最終更新日:2021/10/12

野村雅寛院長 こっここどもクリニック main

2011年の開業以来、海老名市を中心とした地域の子どもたちの健康を見守っているのが「こっここどもクリニック」。子どもたちに優しい眼差しを向けるのは、NICUの現場で経験を積んだ周産期医療のエキスパート野村雅寛院長。検査に頼りすぎることなく、経験に培われた感覚で症状を見極める確かな診療で、人気を集める実力派小児科医師だ。加えて、クリニックでは季節のイベントを大切に、楽しい雰囲気作りを行っており、親世代はもちろん、子どもたちからも絶大な支持をうけている。「無限の可能性を持つ子どもたちの成長を見守るサポーターでありたい」と語る院長に、「子どもが主役」というクリニックの診療ポリシーや今後の展開などについて伺った。

(取材日2015年4月9日)

不要な検査を避けて子どもたちの負担を軽減。五感で「診る」診療を

こちらのクリニックでの診療にはどんな特徴がありますか?

野村雅寛院長 こっここどもクリニック1

しいていうならば、当院は血液検査などの検査をあまりしない方針です。今は症状があればすぐ「採血しましょう」という先生も多いようですが、最終的に「人が人を診る」ということが一番大事だと思っているのです。長くNICUで未熟児を診てきた経験から、手足の動きや表情、顔色などの変化を「診る」ことの重要性を実感してきました。目や耳、鼻などの感覚をフル稼働させてサインをキャッチすることが大切なのです。検査に頼る人間になってはいけないと思いますし、若い人にもそう教えてきました。「検査しなければ判断がつかないのであれば、離れ小島で電気もないところに行ったらどうするの!?」と。もちろん、検査なしで所見を述べるには、医師自身がしっかりとした基準を持つことが大切です。長年のNICUでの経験が、私自身の中に基準を確立してくれました。

検査を避ける理由は?

野村雅寛院長 こっここどもクリニック2

ひとえに、子どもたちの負担を軽減したいからです。「血液検査もしてくれないの?」というお言葉をいただいたり、幼稚園や保育園で「検査してもらってきてくださいと言われました」とおいでになる方もいらっしゃいます。しかし、検査を行うことで、お子さまには大きな負担がかかるのです。もちろん、必要な検査はあります。NICUの未熟児の場合、1日に何度も採血をして状態をチェックすることも日常的に行ってきました。そういった検査が必要な状態の患者さまは、当院のような小規模のクリニックで診ることは難しいケースがほとんど。結局は大きな病院に紹介することになりますが、紹介先の病院でも同様の検査をもう一度行う形になるのです。具合の悪い子どもに何回も痛い思いをさせるなんてもってのほか。検査が必要だと感じる症状の患者さんがいらしたら、よく見極めたうえで、当院では検査を行わずにすみやかに連携医療機関にご紹介するようにしています。検査を行えば症状の原因がはっきりして「やっぱりな」と自身の所見を裏づけることはできます。とはいえ、それでは医師の自己満足に過ぎず、子どもたちにとっては少しも良いことではありません。自身の不安を払拭するために数値に頼るような診療は、常に子ども主体で考えている当院の診療としてふさわしくないものなのです。

個性ある発達を見守りながら、「発育の信号機」として適切なアドバイスを

どのような患者さまがいらっしゃいますか?

野村雅寛院長 こっここどもクリニック3

新生児から89歳のおばあちゃんまで、幅広く地域の方にいらしていただいています。当院は「小児科」を標榜しているので、一般的には中学卒業までのお子さまが中心となるのですが、分かる範囲での内科診療も行っております。具合の悪いお子さまを連れて、小児科、内科と複数の病院に通うのは大変。当院では保護者の方も一緒に受診していただけます。当院は今年で4年目となるので、開院時の赤ちゃんがお話をしてくれるようになり、成長を喜んでいます。MRワクチンの2回目接種の際などには、「来年小学生なんだなー」と感慨深くなります。

子どもたちの成長を一緒に見守っていただける感じですね?

はい。加えて、周産期医療に長く携わっていた経験から、受診される患者さま全員について、病気だけでなく発達もしっかりと診るようにしています。赤ちゃんにとって発達はとても大切なものなのです。身長や体重、離乳の段階や動きなど、月齢の近い子と比べて「うちの子は遅れている?」と心配されるお母さまが多いようですが、背の高い子もいれば低い子もおり、体型もさまざまですよね。みんな同じである必要はないんですよとアドバイスしています。子どもたちそれぞれのペースに合わせた成長を見守って、その上で出てきた気がかりが「おかしいか? おかしくないか?」を判断する、信号機のような役割をするのが我々小児科医なのです。一人で悩んでいては心にゆとりがなくなって、子どもに笑顔で接することができなくなることも。お子さまの発育や発達についての身近なプロとして、気になる場合はお気軽にご相談いただきたいと思います。

気がかりがあればアドバイスをいただけるのですね?

野村雅寛院長 こっここどもクリニック4

もちろん、気がかりがあれば指摘をします。とはいえ、突然「おかしいですよ」なんて言うようなことはしていません。過度に不安になったり、反発心を持たれたりということがあるからです。何度か来ていただいて、様子を見ながら、少しずつゆっくりお伝えするようにしています。来ていただく際には目線や表情、言葉など、私自身の目と耳と五感をフル稼働させてお子さまの様子を拝見します。その上で、専門機関などでの受診が適当と思われる場合には、しかるべき機関へご紹介しているのです。発達に関しては適切なタイミングで適切なサポートを受けることがとても大切です。それを妨げることがあってはならないので、親御さんの受け止める過程にもしっかりと寄り添うことを心がけています。

「訪れるのが楽しみに」そんなクリニックをめざして

小児科医をめざされたきっかけは?

野村雅寛院長 こっここどもクリニック5

医師になるまでは特に子どもが特別好きな訳ではなかったのですが、研修医時代にNICUへまわった時に、何も言えず手足をばたばたさせたり、苦しそうな表情でしか不調を訴えることができない赤ちゃんを、しっかり診てあげたいと思ったんです。赤ちゃんって特別な存在。希望に満ち溢れて、見ているだけで元気がもらえます。赤ちゃんを診る医師は、子どもたちを死ぬまで忘れないと思いますよ。小さかった赤ちゃんが、大きくなって会いに来てくれるのが一番やりがいを感じる瞬間です。数日前も8〜9年前に1000グラムくらいで生まれた子が小学校入学ということで訪ねてきてくれました。うれしいですね。

子どもたちの絵が飾ってあったり、楽しいインテリアですね。

病院ってただでさえ楽しくないじゃないですか、だからこそ楽しく感じてほしいと、当院ではさまざまな仕掛けをご用意しています。特にこれからの季節はイベントが盛りだくさん。こどもの日診療イベント、5月2週目の母の日イベント、6月3週目の父の日イベントなど秘密の仕掛けを。他にもハロウィンイベント、クリスマスイベントなども。病院と構えずに楽しんで来ていただきたいと思うんです。子どもたちからの手紙や絵を飾っているのも楽しい雰囲気を作る一環となればとやっていますし、個人的に大好きな画家さんの絵をシーズンごとに飾ったりしています。アリスや白雪姫、アラジンなどの世界を描いたメルヘンチックな絵や版画です。ストーリーがあって眺めているだけで楽しいので、ぜひ親子で見ていただきたいですね。テレビゲームとは違う刺激を脳に与えることができると思いますよ。

今後どんなクリニックにしていきたいですか?

どんな仕事でもそうなのですが、自分というちっぽけな存在ながら、誰かに何かで役に立つ仕事がしたいというのが医師をめざしたきっかけです。だから、自分が診たという記録が残る、母子手帳を記入する作業が大好きなんです。その人にちょっとでも関わったということが、子や孫に受け継がれていく……素敵な仕組みだとおもいませんか? これからもそうした一期一会を大切に、子ども中心の診療を続けていきたいと思っています。そのうえで、難しいとは思いますが、今後については2つの野望を抱いています。ひとつは年に1回、ここで縁日をやりたい。クリニック銀行発行のお金をそれぞれに定額渡して、焼きそばやお好み焼きを買わせる。お金を使い切ったらおしまい。わがままを言ってはいけないんだよってことを伝えたいんです。厚木にある居酒屋さんと「一緒にやろう」なんて話しているんです。もうひとつは、お母さま方が子育ての悩みを共有できるサロンとして、この場所を解放したい。お茶とお菓子なんかを用意して、困ったことは月一くらいで相談の場を設けてもいいですし、のびのび育てるということとしつけをしないということは違います。イベントやサロンを通じて、そうした子育ての大切なことを伝えていきたいと思っているのです。

クリニックへいらっしゃる方へのメッセージをお願いします。

野村雅寛院長 こっここどもクリニック6

子どもには無限の可能性があります。その可能性を拓くためには、親御さんがまず心にゆとりを持って、余裕を持って楽しみながら子育てをしていただきたいと思います。余裕がないと楽しめないで詰め込みすぎるんです。子どものコップは小さいから、成長段階にあわせた量を注いでやらないと、注ぎすぎてこぼれてしまったら意味がありません。親御さんが自身が楽しんで子どもに接しないことには難しいですよね。親がいきいきとした人生を送っていることが、子どもたちに良い影響を与えるのです。当院では微力ながらそのお手伝いをさせていただきます。悩みは抱えこまず、お気軽にご相談ください。

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