山東 栄佳 院長の独自取材記事
芦屋川 聖栄歯科医院・矯正歯科
(芦屋市/芦屋川駅)
最終更新日:2024/09/02

芦屋川駅から徒歩約3分の場所にある「芦屋川 聖栄歯科医院・矯正歯科」。大きな窓が設けられた建物2階に位置する同院からは、六甲山や芦屋川を望むことができ、春には桜を見ることもできるという。院長の山東栄佳先生は、大学で矯正歯科を専門に学んだ後、歯周病やインプラント、補綴治療についても研鑽を重ねてきた。同院ではその知識を生かし、一般歯科や矯正歯科など各分野を連携させた治療を提供している。診療の際は、患者とのコミュニケーションを重視。「信頼関係を築くため、初診時のカウンセリングは時間を取って丁寧に行います」と話す山東院長に、歯科医師としての想いや同院の特徴でもある併設の託児所などについて聞いた。
(取材日2024年3月26日)
予防を意識した治療で、患者の健康を口から守りたい
今年で開業13年を迎えられたそうですね。

ご縁があって、2011年にこの場所で開業しました。開業前に父が経営している元町の歯科医院で働いていたのですが、患者さんの中には、芦屋や西宮から来られている方も多かったんです。ちょっと遠いというお声があって、この辺りで開業を考えるようになりました。当院の患者さんは30~60代くらいの女性が多いです。開業当初は8割くらいが女性でしたが、今は奥さまがご主人を連れてきてくださるなど、男性も少し増えました。
一般歯科から矯正歯科、審美歯科と幅広い診療をされていますね。
大学卒業後、阪大病院歯科矯正学講座で矯正治療を学びました。その後、勤務をしていた歯科医院が歯周病治療やインプラントに力を入れていたたため、いろいろと学びました。また、父が補綴科出身なので、一緒に働いているときに補綴に関する専門的な知識を教わりました。「矯正は矯正だけ、一般歯科は一般歯科だけ」では、カバーできないケースがほとんどなんです。1人の歯科医師が、すべての分野で一定のクオリティーを持ち、お口の中のすべてを診る必要性があると感じました。また、そこに面白さも感じて、歯科全般を請け負えるような治療をしようと、当院を開業しました。もちろん、すべてパーフェクトにするのは難しいです。自分の中で一定のクオリティーをめざして、日々努力をして経験を積んでいくことを13年間続けてきました。まだまだ至らないところはありますが、常にスキルを上げていくことを考えています。
診療の際に心がけていることを教えてください。

すべての治療において、「予防」というキーワードを意識しています。例えばインプラントの場合、それ自体は治療ですが、残存している他の歯にとっては予防になります。インプラントが入ることで、他の歯に負荷がかかりにくくなり、他の歯を守ることにつながるのです。矯正の場合、歯並びがきれいになることやそれによる歯磨きのしやすさが望めるようになりますし、セラミックの場合だと虫歯が再発するリスクを起こりにくくすることが期待できます。先のことまで考えて、治療を行うようにしています。それが全身の健康につながります。
他に大事にされていることはありますか?
治療はできるだけシンプルにするべきだと思っています。学術的にはこうしたほうがいいとわかっているけれど、臨床的には痛みがなく噛むことができれば、患者さんは満足されます。それに対するリスクを伝えて理解をしていただければ、それは1つの治療方法として問題ないと思っています。100点をめざす治療だけが、患者さんの満足につながるわけではありません。だから僕は、臨床的な考え方も大事だと思っています。
丁寧なコミュニケーションで人間関係を築く
時間をかけてカウンセリングをされるそうですね。

「この方にはこういう話し方をしたほうがいいな」とか、人間関係を築くためにいろいろと工夫をしています。患者さんの本音を引き出すことが大切なので、初診時の説明にはかなり時間を取っています。人間は、自分がすべきことを理解できれば、自分にとって正しいことを選択しモチベーションを上げることができると思います。それがわからないまま治療が進んでしまうから、ネガティブなことを考えてしまって、うまくいかなくなります。僕らの義務は、正しい情報や今の医療の水準という点を患者さんに伝えて、理解できるところまで導いていくことだと思っています。それが治療を成功させる方法の1つだと思うので、最初のコミュニケーションが大切なんです。
設備面でこだわった点はありますか?
今の医療の水準をきちんと説明するためには、医療機器もある程度のものを用意しないといけないと思っています。情報が氾濫している時代ですから、患者さんもよく調べて来院されます。患者さんの持っている情報がわからないとか、求められる治療を行うための設備がそろっていなければ、当院を選んでいただけません。また医療の分野でも、デジタル機器が欠かせなくなってきています。治療効率と質を上げることはもちろん、スタッフの作業効率も上げることができるからです。当院でも、デジタル機器をうまく使うことで、今までできなかったことがプラスでできるようになりました。
保育士さんが常駐しているとか。

当院は、お子さんをお預かりする専用のスペースを設けています。保育士が常駐していますので、安心してご利用いただけると思います。もともとは、地域貢献ができればという思いで始めました。当院は女性の患者さんが多いので、「治療したくても子どもがいるためできない」という声が多かったんです。だったら、僕らが託児可能な環境を提供できれば、来ていただけるかなと思いました。保育士を常駐させて、安心してご利用いただけるものにしたかったんです。最初は治療中の一時預かりから始めて、認知をされてからは治療に関係なく預けられる方も増えていきましたね。また、スタッフの復職支援という大事な側面も持っているんですよ。歯科衛生士を含め歯科医院で勤務するスタッフは、子どもがいるから働けない、ということが多いんです。子どもを連れて出勤できれば、仕事に復帰しようと考えていただける方が増えるのではと考えました。
スタッフの方への配慮もあったのですね。
僕一人だけでは、絶対に何もできませんから。チームで仕事をする上で大切なことは、互いに歩み寄ることだと思っています。なので、スタッフには、できるだけ歩み寄ることがお互いにとって必要だよと常に話しています。そのために必要なのは、やっぱりコミュニケーションです。だから年に2回は、必ず全スタッフ1人ずつ面談しています。13年間欠かすことなく、ずっと行ってきました。
「正のスパイラル」で歯科医院と付き合ってほしい
プライベートについても伺います。

犬を3匹飼っているのですが、当初想像していなかったくらいハマっています。親バカなのですが、本当に疲れを癒やしてくれる存在です。あとは、ハワイが好きでよく行きますね。当院の内装は、僕の好きなホテルの雰囲気を再現しています。歯科医院は無機質になりがちで、それが恐怖心をあおってしまっていると思います。心を和ませることができるよう、木材などを取り入れた空間づくりをしました。それと、南国に旅行に行くときは必ずカメラを持っていき、風景などを撮影します。その写真を院内のモニターで放映していますが、患者さんから「写真を見るのが楽しみ」とうれしいお声をいただくこともあります。私が撮影した写真で、患者さんの心が少しでも和んでいただけたのならうれしいです。
今後の展望を教えてください。
僕は今52歳ですが、30代は経験と知識を積む時期で、40代である程度形にし、50代は形にしたものを安定化させる時期だと考えています。細かな変化はあっても、大きな変化というのは持たず、自分がやってきた臨床をもう少し安定的に形にして、継承していければと思っています。
読者へメッセージをお願いします。

お口に関することで不安があれば、自分の状況を知るために勇気を出して、最初の一歩を踏み出してほしいです。「歯科医院に行ったらお金や時間がかかって、痛いことをされるのでは。だから行かない」ということで、歯が悪くなり、悪化していく負のスパイラルに入ってしまう方がいらっしゃいます。これは環境問題に似ているなと思っていて。僕は「オーラル・エコロジー」と言っているのですが、できるだけ負のことをしなくて済む段階で歯科医院に来て、お口の環境を整えてほしいなと思っています。そうすれば、お金も費用も痛い思いも、それほど心配しなくていいんです。そういったいわゆる「正のスパイラル」で、歯科医院との付き合いを考えていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/16万5000円~、ワイヤー矯正/50万円~、ホームホワイトニング/3万8500円~