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奥村 義紀 院長の独自取材記事

おくむら歯科医院

(城陽市/寺田駅)

最終更新日:2025/06/06

奥村義紀院長 おくむら歯科医院 main

近鉄京都線・寺田駅東出口からバンクーバー通りを南に徒歩5分、市立図書館の斜め前に位置する「おくむら歯科医院」は、地元・城陽市で育った奥村義紀院長が2002年に開業した歯科医院だ。痛みの少ない治療を大事にしているという奥村院長は、「歯科治療は痛いから嫌だ」と思っている人にこそ来てもらいたいと胸を張る。親切で丁寧な人柄の奥村院長を頼り、開業当初から20年以上にわたり通う患者もいるそうだ。率直かつ誠実な語り口が印象的な奥村院長に、開業までの経緯や診療で大切にしていること、今後の展望などについてじっくり話を聞いた。

(取材日2025年5月8日)

「自分が育った地域に貢献したい」と開業を決意

先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

奥村義紀院長 おくむら歯科医院1

家族や親類に医師や歯科医師はいませんが、母が歯科衛生士として60歳を過ぎるまで現役で働いていました。私が小学3年の時に父が亡くなり、その後は母が家族を支えてくれました。働く姿を直接見ることは少なかったのですが、家には顎の模型が置かれていて、母がスケーリングの練習をしていたり、学生時代の教材が残っていたりと、身近に歯科医院の空気を感じる環境でした。そんな影響もあって、漠然と「歯科医師になりたい」と思い、小学校の文集にもそう書いたことを覚えています。母としては「歯科医師でなくても」「医科の医師も良いのでは」とも思っていたようですが、自分としては歯科医師をめざすのが自然な流れだった気がします。一度は浪人してしまいましたが、翌年には大阪大学歯学部に進学することができました。

どういった経緯でこちらに開業することになったのですか?

卒業後、最初に勤務したのは京都の大規模な歯科医院で、診療台が17台、歯科医師も常時10人以上というまるで研究施設のような環境でした。多様な先生のもとで3年間しっかり学び、その後は大阪市の北新地の歯科医院に移り、自由診療やインプラント治療を中心とした診療にも携わりました。京都と大阪、タイプの異なる歯科医院での経験は大きな糧となりました。当初は開業を考えていませんでしたが、大阪の歯科医院で「ここを継ぎませんか?」と声をかけられたことなどをきっかけに、自分の将来を見つめ直すようになりました。ここ城陽市は、実家や祖父母の家がある、私にとっては「ホームグラウンド」です。「開業するならここしかない」「幼い頃から慣れ親しんだ地域に貢献したい」という思いが芽生え、こちらでの開院を決めました。

どんな患者さん、どんなご相談が多いですか?

奥村義紀院長 おくむら歯科医院2

当院には20年以上通い続けてくださる方も多く、年齢層は比較的高めかもしれません。中高年以上の方が中心で、定期検診を希望される方もたくさんいらっしゃいますね。治療が終わったタイミングで、定期的なメンテナンスの重要性を丁寧に伝えるよう心がけていて、希望される場合にはその場で次回の予定を取ることもできます。はがきでのリマインドも行っています。宛名を患者さんご自身に書いてもらうことで、届いた時により気づきやすくなるよう工夫しているんですよ。もちろん、新たな患者さんも毎月来ていただいていて、長く通ってくださる方々とのバランスが保たれているのも当院の特徴です。

一人ひとりの「大切にしたいもの」を優先し方針を決定

あらためて、検診の大切さを教えていただけますか?

奥村義紀院長 おくむら歯科医院3

定期検診を受けていれば、小さな変化にもすぐに気づき、早めに対応できます。歯科医師としては、一度治療した歯はなるべく長く使っていただきたいという期待を持っています。特に自由診療の場合、再治療は避けたいところです。少しの磨き残しや噛み癖でも、早期にアドバイスをすれば治療の持ちが変わってくることが見込めます。症状が出てから来院したのでは重症化しているケースも少なくありませんので、やはり検診は重要だと感じます。また、毎日顔を合わせているご家族では気づかない変化も、久しぶりに会う私には感じ取れることがあります。例えば、身だしなみの乱れや少しの物忘れなど、ちょっとした気づきが、認知症の早期発見につながるかもしれません。定期検診は、歯の健康だけでなく、全身の変化に気づく良い機会にもなるのです。

先生が、診療で大切にされていることを教えてください。

若い頃は「良い治療を提供したい」という思いが強く、自分が勉強してきた中で最良だと思う方法を自信を持って勧めていました。しかし、開業して23年。ここ10年ほどで考え方が大きく変わりました。今は、患者さんが何を望んでいるかを第一に考え、その人のニーズや生活背景、優先順位に合わせるようにしています。自由診療に興味のなかった方が、ある日突然「もっと良い方法はありますか?」と相談されることもあり、治療のタイミングも人それぞれだと感じます。すべての治療にはメリットとデメリットがありますから、「先生にお任せ」と言われると、かえって困ることもありますね。私からは選択肢を提案しますが、最終的にはよく考えてご自身で選んでいただくのが理想です。「何を大切にしたいか」によって、最適な治療法は変わってきますから。

最近は、CAD/CAMシステムを用いた補綴治療が保険適用になるなど、かぶせ物の選択肢も増えましたね。

奥村義紀院長 おくむら歯科医院4

CAD/CAMシステムを用いた補綴治療では、セラミックと歯科用プラスチックであるレジンを混ぜた素材をよく用いています。近年保険適用になった白い素材として、かぶせ物にも使うことができます。見た目がきれいで費用も抑えられる上に、短期間で仕上がるのがメリットです。ただ、強度や耐久性の面では、やはり自由診療で使われるセラミックに軍配が上がります。セラミックは硬くて変形しにくく、長持ちするのが特長です。一方でセラミックと歯科用プラスチックであるレジンを混ぜた素材は、力が加わると少しずつ変形するため、噛む力が強い方は外れやすい傾向があります。もちろん銀歯にも対応することができますし、患者さんのお口の状況や生活スタイル、ご希望に合った素材を選ぶことが大切ですね。

「歯を守る」から「人生を支える」へ

開業してからの20年で、歯科診療も変化していますか?

奥村義紀院長 おくむら歯科医院5

この20年で、歯科診療の現場では大きな変化を感じています。まず、以前に比べて高齢の方でも自分の歯がしっかり残っているケースが増え、70代で総入れ歯という方はほとんど見聞きしなくなりました。だからこそ、今後ますます「予防」と「メンテナンス」が重要になってくると考えています。一方で、近年増えていると感じるのが、ストレスに起因する食いしばりや歯ぎしりです。特に日中の無意識の噛みしめは、顎の痛みだけでなく、肩凝りや頭痛の原因になっていることもあります。マウスピースを用いた治療の他、気づいた時に顎の力を抜く、口を開けるといった簡単な習慣の改善といったアドバイスを行っています。実際に、「歯が痛い」と歯科医院を受診された方が、虫歯ではなく噛み合わせの不調や食いしばりが原因だったというケースも少なくないんですよ。

今後の展望をお聞かせください。

働き盛りの世代に、もっと歯科を身近に感じてもらえるような工夫をしていきたいです。最近、異業種交流会などに参加しているのですが、50代、60代の方と話す中で、「今になって歯の大切さが身にしみる」「もっと早くからケアしておけば良かった」といった声を本当によく耳にするのです。だからこそ、30代、40代のうちから定期検診を受ける習慣を持ち、将来に備えてご自身でも気づかない小さな問題を早期に解決することの大切さを、もっと多くの方に伝えていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

奥村義紀院長 おくむら歯科医院6

患者さんから「ありがとう」と言っていただくこともありますが、実は私のほうこそ「来ていただいてありがとうございます」という気持ちです。来院してくださらないと、私たちがその変化に気づいてあげることもできません。通ってくださっている限り、単に歯を守るだけではなく、その方が人間らしく、自分らしく生活できるようにサポートしていきたいと考えています。人生100年時代、長く生きることが目的ではなく、きちんと食べて、自分の足で歩けることが大切だと考えています。歯が残っていればもちろん良いですが、総入れ歯でもきちんと噛めれば問題ありません。合わない入れ歯を安定剤で無理に使い続けるのではなく、違和感があれば調整することが大事です。どんなお口の状態でも、気軽に相談していただけたらと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミックインレー/4万4000円~

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