目野 茂宣 院長の独自取材記事
目野内科クリニック
(那珂川市/博多南駅)
最終更新日:2025/07/29

福岡県那珂川市にある「目野内科クリニック」は、福岡市南区や春日市とも隣接する住宅地に位置し、地域に根差した医療を提供する総合的な内科のクリニックだ。院長の目野茂宣先生は、これまで救急医療や総合的な内科の診療に携わってきた経験を持ち、開業後も「患者一人ひとりの声に耳を傾ける医療」を大切にしてきたという。高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の管理をはじめ、経鼻内視鏡検査や超音波検査などの機器も導入し、予防や早期発見に尽力。小さな子どもから高齢者まで幅広く診療を行い「何でも相談できるかかりつけのクリニック」としての信頼を得るために尽力している。バリアフリー設計や感染症対策にも力を入れ、安心して通える環境づくりにも注力し、地域医療の最前線で真摯に向き合う目野院長に話を聞いた。
(取材日2025年4月17日)
幅広く、一人ひとりの健康を支える医療を
開業のきっかけと、那珂川で開業された理由を教えてください。

勤務医として救急医療の現場に立ち、さまざまな症例に向き合う中で感じたのは「もっと幅広く、もっと深く、地域の患者さんに寄り添いたい」という想いでした。大規模病院では多くの人を診ることができますが、その一方で自分の信じる医療を継続的に届けるには限界もあると感じていたんです。開業を決めたのは、自分の手で、地域に根差した医療を実現したいという考えからでした。生まれ育った場所にも近い那珂川の地を選んだのも、地域とのつながりを大切にしたかったからです。患者さんとの関係性をじっくり築きながら、一人ひとりの健康を長く見守っていけるクリニックをめざして、この場所でスタートしました。
ご自身の診療に対する信条や、大切にしている考え方はありますか?
診療で意識しているのは、患者さんの気持ちにできるだけ寄り添うことです。体のことだけでなく、生活背景や不安に思っていることまで含めて話を伺い、患者さんが納得できる治療方針を一緒に考えるようにしています。特に開業してからは、診る立場であると同時に、経営者としても地域に根差した医療のかたちを模索するようになりました。忙しい診療の中ではすべてに対応しきれない部分もありますが、だからこそ一方的に決めるのではなく、まずは話を聞くことを大切にしています。小さな不調でも気軽に来てもらえるよう、身近なクリニックでありたいと思っています。
スタッフとの関係性や、チームとして大切にしていることがあれば教えてください。

開業当初から長く一緒に働いてくれているスタッフが多く、今では詳細な指示を出さずとも、しっかりと動いてくれる信頼できる存在です。例えば、玄関から入ってきた患者さんがつらそうな様子であればすぐに声をかけてくれたり、足が不自由な方には自然と介助に入ったりと、状況に応じて臨機応変に対応してくれます。院内全体として、患者さんファーストの姿勢を忘れずに、目配り・気配りができる体制を整えてきました。私だけの力ではできないことも、こうしたスタッフの支えがあるからこそ、日々の診療が成り立っていると実感しています。
生活習慣病や呼吸器・消化器の専門的な検査も実施
幅広く診療を行っていらっしゃいますが、特に注力されている診療分野は何でしょうか?

基本的には内科全般に対応しています。中には「自分の症状がどの診療科に該当するのかわからない」という方も少なくありません。そういった方には、まず話をよく伺った上で、必要があれば適切な医療機関をご紹介するようにしています。すべてを私1人で抱え込むのではなく、その患者さんにとってベストな選択肢を一緒に考えることが大切ですから。特に力を入れているのは、生活習慣病や胃腸・呼吸器に関わる診療です。高血圧や糖尿病、脂質異常症など、慢性疾患と向き合いながら継続的にケアしていくことは、地域医療において重要な役割の一つだと考えています。かかりつけ医としての責任を持ちながら、長期的に健康を支えていけるよう努めています。
内視鏡検査や、睡眠時無呼吸症候群の検査などにも対応されているのですね。
当院では内科診療の一環として、エックス線検査、超音波検査、心電図や内視鏡検査などの検査体制を整えています。特に内視鏡検査では経鼻タイプを導入し、苦痛に配慮して検査を行っています。使用後のスコープはオゾン水による洗浄を行い、衛生管理にも細心の注意を払っています。また、これらの検査機器を導入した背景には、「病気を早期に見つけてあげたい」という想いがあります。特にご高齢の方が多い地域ですので、胃がん・大腸がんのスクリーニングという面はもちろん、頸動脈の超音波検査で動脈硬化をチェックしたり、血管年齢の測定で生活習慣病のリスクを確認したりと、初期段階からフォローできる体制を意識しています。さらに、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療にも対応しており、必要に応じてCPAP療法もご提案しています。
「何でも相談できること」を大切にされているとお聞きしました。

「こんなことで医療機関に行ってもいいのか」と迷われている方にこそ、まずは気軽に足を運んでほしいと思っています。当院では、来院された方のお話をしっかり聞くことを大切にし、症状の大小に関わらず、困っていることには必ず対応する姿勢で診療にあたっています。例えば、風邪のような軽い症状で来られた方でも、問診の中で生活習慣病のリスクが見えてくることも考えられます。「最近眠れなくて」といったお悩みから、睡眠時無呼吸症候群の検査につながることもあるでしょう。地域の入り口の医療機関として、まずは話を聞き、必要があれば適切な検査や医療機関へつなげる体制を整えています。さらに、近隣にお住まいの方を対象に訪問診療にも力を入れており、通院が難しくなった後も安心してご相談いただけます。看取りにも対応し、生涯にわたって何でも相談できる、信頼される存在でありたいと考えています。
「何かあれば通いたい」と思われるクリニックをめざす
院内設備やバリアフリーなどの面でも配慮されています。

当院では、小さなお子さんからご高齢の方までどなたでも安心して通っていただけるように、院内設備にもさまざまな工夫をしています。例えば、車いすや歩行に不安のある方のために、トイレには手すりを設けたバリアフリー設計を採用しました。少し段差のある場所にはスロープを設置し、ベビーカーや車いすでもスムーズに移動できます。授乳室やキッズスペースも備えており、小さなお子さん連れの方にも安心してご来院いただけるように配慮しました。地域に暮らす多世代の方が「通いやすい」と感じられる環境づくりは、これからも大切にしていきたいと考えています。
地域の内科のクリニックとしての、感染症対策について教えてください。
医療機関である以上、院内感染のリスクを極力抑えるのは当然の責務です。空気清浄機や加湿器の設置はもちろん、診療スペースには紫外線殺菌装置、院内の消毒には次亜塩素酸空間除菌脱臭機を用いるなど、空間そのものの衛生環境にも配慮しています。発熱や感染リスクが高い方については、一般の患者さんとは動線を分けるといった対応を徹底しています。必要に応じて別室をご案内する、車で来院された場合は車内での診察にも応じるなど、状況に応じた柔軟に対応できればと思っています。地域の皆さんが不安なく受診できるよう、これからも安心・安全な環境づくりを進めていきたいです。
今後のクリニックの展開と、地域の方へのメッセージをお願いします。

継続して通える安心感は今後も大切にしたいですね。内科は一度きりではなく、長く向き合う疾患も多い分野ですから、体調の変化があれば気軽に立ち寄れる・何かあればすぐ相談できる場所でありたいと思っています。今後も、胃や腸、呼吸器、生活習慣病、睡眠など幅広い不調にしっかり対応できるよう、診療体制や検査機器を整えていく予定です。また、ご高齢の方やお子さん連れの方も来院しやすいように、バリアフリーや設備面にも気を配ってきましたが、これからも患者さんの声を取り入れながら、より快適な環境をつくっていきたいです。地域の皆さんにとって「何かあればここに通いたい」と思っていただける存在をめざして、これからも丁寧な診療を積み重ねていきます。