鈴木 和広 理事長の独自取材記事
日進すずき整形外科
(日進市/日進駅)
最終更新日:2026/03/09
名鉄豊田線日進駅から徒歩約10分、洗練されたデザインの外観が印象的な「日進すずき整形外科」。「健やかな人生は健やかな体が基本。いつまでも思いどおりに動けることが何よりも大切」と語るのは、鈴木和広理事長だ。同院は、地域密着の温かみと高度な専門性を兼ね備えた整形外科・リハビリテーション科のクリニック。鈴木理事長をはじめ、研鑽を積んだ5人の理学療法士など総勢約20人のスタッフが、単に痛みに配慮した診療を行うだけではなく、その先にある「生活の質」も考慮して医療を提供する。2020年に拡張したリハビリルームは広々としており、患者とスタッフの笑顔の交流が絶えない空間だ。「生涯現役で、楽しい人生を」という願いのもと、一人ひとりに合わせた治療を提案する鈴木理事長。同院の特徴や診療へのこだわりなど話を聞いた。
(取材日2026年1月28日)
患者の負担に配慮し将来を見据えた医療を提供したい
先生のご経歴と、クリニックの歴史について教えてください。

名古屋大学医学部を卒業後、ドイツ留学を経験しました。留学では、脊椎・脊髄疾患である腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症について学びを深めました。整形外科医としての知識は着実に積み上がっていきましたが、一方で「もっと患者さんに寄り添いたい」という気持ちが強くなっていったんです。患者さんの生活環境まで深く理解した上でアドバイスができれば、もっと良いサポートができるはず。「身近な存在でありたい」という気持ちから、2011年に開院しました。日進市は活気ある住宅地で、若い世代のご家族も増えています。一般的に整形外科はご高齢の患者さんが中心なのですが、当院にはスポーツによるけがや、腰痛に悩む妊婦さんなど、幅広い層が来院されます。地域の皆さんに支えられて歩んできた15年間に、心から感謝しています。
診療方針についてお聞かせください。
私が大切にしているのは、まず速やかに今のつらい症状の緩和を図ることです。その上で、経過を見守りながら、必要な検査や投薬治療などを慎重に検討していきます。話を伺う際は、単に症状を診るだけでなく、仕事やスポーツなどの活動状況、そして「将来的にどうなりたいか」という希望も聞くよう努めています。私たちがめざすのは、患者さんがやりたいことを不自由なく行えるまで、身体機能の改善を図ることです。医療には、教科書どおりにはいかない場面が多々あります。医学的な正解が、必ずしもその方の生活に最善とは限りません。だからこそ対話を重視し、身体面はもちろん、金銭面なども含めた負担を最小限に抑えたいと考えています。一人ひとりの歩幅に合わせ、生活リズムに溶け込むような治療計画を、これからもご提案します。
御院の特色は何でしょうか?

私の専門である脊椎・脊髄疾患を核としながら、首や肩、腰、膝の痛みから、骨粗しょう症やリハビリまで、整形外科全般を幅広く診療できる点にあります。内服薬や点滴で効果が不十分な場合に有用な、神経の周辺に局所麻酔などを注入し、直接的に炎症と痛みの改善を図るブロック療法も取り入れています。また、2020年にはリハビリルームを拡張しました。健康年齢を延ばすためには、単に症状の緩和を図るだけでなく、将来のADL(日常生活動作)の維持が不可欠です。関節や脊柱の支える力を鍛え、より活動的に過ごしていただくために、ワークスペースを整えました。多様な症状を抱える患者さんの期待に応えるため、これからも知見を広げ続け、多角的なアプローチで地域に貢献していきたいと考えています。
生き生きとした毎日へのサポートがやりがいであり使命
先生の専門である脊椎・脊髄外科とは、どのような分野なのでしょうか?

脊椎・脊髄外科は、脊椎脊髄疾患の保存的治療から手術までを総合的に担う分野です。一般的な整形外科と異なるのは、脊髄や神経根といった非常にデリケートな神経を直接扱う点で、より専門的な知識と技術、細心の配慮が求められます。診療では、その症状がどこに起因するのかを見極める必要があり、診断には豊富な経験が必要です。例えばブロック療法一つとっても、技術自体の習得は可能ですが、どこに、どのタイミングで打つかなど判断の積み重ねこそが結果を左右すると思っています。患者さんの中には、手術を避けたい方や、身体的に手術が困難な方もいます。専門的な知見から、適切な治療を組み合わせることで、多様なニーズにお応えできると思っています。
整形外科の道へ進んだきっかけについて、お聞かせください。
大学5年生の時に父親がけがをして入院した際、私が医学生と知った主治医の先生に声をかけていただき、整形外科の魅力を教えてもらいました。それがきっかけで整形外科医の道へ進みました。生死に直結する場面こそ少ない分野ですが、人生の質を左右する身体機能をつかさどる重要な分野です。内臓疾患に比べると軽視されがちですが、健康的な生活は、体が動かせるからこそ成り立つという面もあります。体の機能を回復させるために治療を行い、QOL(生活の質)の向上を図ることが整形外科医の役割だと思っています。患者さんが再び仕事やスポーツに励み、生き生きとした毎日を取り戻せるようサポートすることが、私のやりがいであり使命だと感じています。
診療の際に心がけていることはありますか?

患者さんに寄り添うというのが私のモットーです。そのためにも何でも気軽に話せる存在でいたいので、双方向のコミュニケーションを大切にしています。説明も治療の大切な一環ですので、検査データや画像を見せながら、専門用語を避け、わかりやすい言葉で伝えるよう努めています。また、日常生活のアドバイスを含め、困っている方には私にできる限りのことはしたいと思っています。「どの診療科に行けばいいかわからない」という方も、救命救急センター長を務めた経験を生かして、適切な医療機関をご紹介していますので、安心してご相談ください。
「伴走者」として、痛みと闘う患者のサポートを
印象的な患者さんとのエピソードはありますか?

勤務医時代、頸椎を患った方の手術を行いました。術後に病状が悪化したため患者さんのベッドの横で二晩つきっきりで徹夜したことがあります。体力的にもきつい経験でしたが、医師としてさまざまな心構えを知るきっかけになりました。常に最悪のことを想定して対処することや、患者さんの命や健康を支える重責ある仕事であること、そしてインフォームドコンセントの重要性についても、この時に実感しました。この経験から、患者さんやご家族に対しては、どんな耳の痛いことでも漏らさず、理解いただけるまで説明することを肝に銘じて、今も仕事にあたっています。
スタッフの方々について教えてください。
総勢約20人以上のスタッフが在籍しており、皆熱心に勉強しており、患者さんと信頼関係を築いた自慢のチームです。5人の理学療法士も活躍していますが、当院のリハビリは単に症状緩和を図るだけにとどまりません。関節機能の改善や筋力回復といった機能回復訓練に注力し、生活の質の向上をめざしていることが特徴です。リハビリは、整形外科の治療において欠かせない、極めて重要なプロセスです。スタッフには、常に患者さんのニーズを把握し、笑顔で向き合うように伝えています。痛みや不自由さと闘う患者さんに対し、ただ「頑張れ」と励ますだけでなく、治療の見通しや次の目標を共有して、モチベーションを高める。そんな伴走者となれるよう、チーム一丸となって取り組んでいます。
読者にメッセージをお願いします。

私たちの目標は、地域の皆さんの健康寿命を延ばすことです。実は、たった一度の骨折が原因で寝たきりになってしまう方は少なくありません。それを防ぐために不可欠なのが、骨粗しょう症の継続的な治療なのですが、ご自身の判断により途中で薬を止めてしまう方が多いという難しさがあります。だからこそ、なぜ治療を続ける必要があるのか、骨密度を上げるための治療がいかに将来の骨折予防につながるのかを、丁寧にお伝えしていきたいです。骨折を防ぐことは、患者さんの人生を守るだけでなく、日々手術に追われる医師を含め、地域全体の医療負担を減らすことにも直結すると思っています。これからも、皆さんが人生の最期まで楽しく過ごせるよう、全力でお手伝いしていきます。

