政田 哲也 院長の独自取材記事
こくぶ脳外科・内科クリニック
(高松市/端岡駅)
最終更新日:2024/09/19

先進のMRIを備え、即日の検査・治療を可能にしている「こくぶ脳外科・内科クリニック」。商業施設の敷地内にあるため駐車場も広く、車での来院が便利だ。政田哲也院長は、カナダやアメリカへの留学経験を持つ日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。頭痛や物忘れ、めまい、痺れといった脳神経系の症状を診ながら、高血圧症や糖尿病などの一般内科治療、また脳ドックにも対応。さらに脳卒中患者や認知症患者らのフォローのため、クリニックから徒歩2分の場所には通所型リハビリテーション施設を開設している。穏やかな口調と丁寧な説明が印象的な政田院長に、同院の診療内容などについて話を聞いた。
(取材日2024年7月31日)
MRIを完備し、即日検査や脳ドックに対応
先生のご経歴からお聞かせください。

小さな頃からの憧れを胸に、医師の道を歩み始めました。脳神経外科を専門分野に選んだのは、卒業間際となる大学6年生の頃です。親族が脳疾患に罹患したことをきっかけとして、この分野に興味を持ちました。卒業後は香川医科大学附属病院(現・香川大学医学部附属病院)に勤務し、2年後にはカナダのカルガリー大学に留学。医学博士の学位、また日本脳神経外科学会脳神経外科専門医の資格を取得した後に、アメリカのミシガン大学にも留学しています。留学先では脳神経外科領域の基礎研究に取り組みながら、手術見学やカンファレンスに参加。日本とはまったく異なる環境に身を置き、充実した日々を送りました。
開業はいつ頃から意識されたのでしょうか?
開業を意識したのは、40代になった頃からでしょうか。いつかは、地域医療に関わりたいという希望がありました。この場所で開業したのは、周辺に脳神経外科のクリニックが少なく、また施設のほうからもお声がけをいただいたからです。勤務医時代は外科手術が中心でしたが、開業後は外来診療を主軸として、生活習慣病の管理にも対応しています。「脳神経外科」というと、どんな時に行けばいいのかがわかりにくいかもしれませんが、難しく考える必要はありません。頭痛や物忘れ、めまい、痺れのような脳神経系の症状がある時に、お気軽にご相談いただければと思います。ただし、いつもと違うめまいを覚えたり、突然感じた痺れがすぐに消えたりした場合には、重篤な疾患の可能性を考慮して、早めにクリニックを受診してください。
こだわりの検査設備などはありますか?

画像の精度と、診断スピードを基準に選んだ高機能のMRIです。総合病院ですと、検査を受けるまで何日か待たなければならない場合もありますが、当院では来院したその日に、MRI検査を受けることができます。診察・検査・診断・治療までの流れを1日で完結できるのは、当院の大きな強みと言えます。整形外科や眼科、耳鼻咽喉科といった他科の医療機関から、検査を依頼されるケースも多いです。検査で異常が見つかれば手術や入院が可能な施設を紹介し、退院後はアフターフォローとして、投薬治療に対応します。さらに、機能障害や認知機能の低下を来した高齢者、脳梗塞・脳出血の後遺症がある方、パーキンソン病の方などのフォローにも力を入れたいという思いから、同じ商業施設の敷地内に通所型リハビリ施設を開設しました。
脳ドックも実施していますね。
脳卒中のリスクが高まるのは、40代から。この年代になったら、自覚症状の有無にかかわらず、脳ドックを受けられると良いでしょう。特に、基礎疾患をお持ちの方にはぜひ検査をお勧めします。脳ドックは行政の補助を受けられる場合がありますし、オプションとして認知症の検査を行うこともできます。ご興味のある方は、スタッフまでご相談ください。検査で認知症が見つかったとしても、当院ではスタッフ全員が認知症サポーターの養成講座を受講し、適切なサポートを身につけていますので、ご安心ください。認知症は進行の予防を目的として、症状が軽いうちから治療を始めることが大切です。そして、認知症の予防・治療には適度な運動が有用といわれています。通所型リハビリ施設とも連携しながら、皆さんの機能回復をめざしていきたいです。
片頭痛をはじめとした、頭痛の治療に力を注ぐ
こちらでは、専門性のある外来が充実しています。

頭痛や物忘れ、めまい、痺れなどに関しては、それぞれ専門の外来を設けています。特に力を入れているのは、患者さんからのご相談が圧倒的に多い「頭痛」です。頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛の2種類がありますが、医学的にはさらに細かく分類されますので、市販薬でやり過ごさずに、医療機関で精密な診断を受けるべきでしょう。20代から40代の女性に好発する片頭痛は、はっきりとした原因がない一次性頭痛の一種です。脳の異常が原因とされる二次性頭痛は、一次性頭痛よりも重症度が高くなります。症例数は減りますが、くも膜下出血や脳腫瘍といった生命に関わる疾患にもつながるため、早期受診が理想的です。
片頭痛と、それ以外の頭痛を見分ける方法はありますか?
片頭痛は頭の片側だけの痛みを想像しがちですが、実際は両側が痛くなることもあります。脈打つような強い痛みが特徴で、歩行や階段の上り下りといった日常動作によって、症状が悪化するという特徴があります。また吐き気や嘔吐があり、光や音、匂いに過敏になるのも、片頭痛の典型的な症状です。これらの症状が見られなかったとしても、慢性的な頭痛であれば片頭痛の可能性が高いでしょう。さらに片頭痛は遺伝性が強いため、片頭痛を持つ方のお子さんも、片頭痛を起こしやすいとお考えください。
片頭痛の治療は、どのように進めるのでしょうか?

片頭痛専用の予防薬を毎日服用し、痛みが出現した際には、専用の鎮痛薬を服用します。頭痛がひどい方は鎮痛薬の服用回数が増えると思いますが、月に半分以上服用していると、薬物の使用過多で頭痛が悪化する恐れがありますので、注意が必要です。予防薬を飲み続けていても痛みが収まらず、日常生活に支障を来すようであれば、近年登場したばかりの注射療法へと移行。個人差はありますが、月に1回の注射を1年ほど継続すれば、症状の緩和が期待できます。この注射薬は、「CGRP」という片頭痛の原因物質をブロックするよう導くもの。つまり、根本治療に役立つものです。まだ販売から間がなく認知度も低いため、当院のホームページなどで情報発信を続けています。
脳神経系のプライマリケアを提供し、人々の健康を守る
今後、力を入れていきたいことはありますか?

頭痛でお困りの方々に、適切な治療ができるよう努めていきたいです。頭痛は放置すればするほど慢性化し、治療期間も延びていきます。頭痛のせいで仕事に集中できない、休まざるを得ないというケースは非常に多く、日本国内では、片頭痛が原因で数千億から数兆円の経済損失が生じているとの報告もあります。好発年齢が働き世代の年齢と重なることから、ご自身のみならず、社会にまで大きな影響を及ぼしているのです。生産性を重視する経営者の方などは、この事実をもっとしっかりと受け止めるべきではないでしょうか。頭痛の経験がない方は、そのつらさを理解しにくいと思いますが、身近にいる大切な人たちのために、適切な対応や対策を取っていただきたいです。
お忙しい毎日だと思いますが、余暇の過ごし方を教えてください。
学生時代から、音楽活動を続けてきました。現在は地元のジャズバンドでベースを担当しています。幅広い世代や職種の方が所属する大所帯のバンドで、活動歴は10年ほどになるでしょうか。あとは週に3日という頻度で、5kmずつランニングをするようにしています。私たちの最も大切な使命は、患者さんの健康を守ること。そのためには、自分の健康も守らなくてはなりません。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院が提供するのは、脳神経系のプライマリケアです。日頃から何でも相談に乗るかかりつけ医として、脳神経に関わる症状の解決をサポートします。いきなり総合病院へ行くのはハードルが高いでしょうから、まずはクリニックへお越しください。40代、50代の中年期をどう過ごすかで、将来的な認知症や脳卒中のリスクは変動します。脳卒中の主な原因は生活習慣病、特に高血圧症です。5年先、10年先の重篤な疾患を予防するためにも、高血圧症や糖尿病があれば適切な治療を受けるとともに、規則正しい生活や定期的な運動習慣、喫煙習慣の改善などを、若いうちから意識していただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/2万5000円