うさみ心のクリニック

宇佐見敏夫 院長

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心身相関、心身一如。精神と身体は一つである。その言葉が自らの診療スタイルになっているのが「うさみ心のクリニック」の宇佐見敏夫院長だ。「心理カウンセラーとして長く経験を積んだ後、30代後半に大学の心理学専攻に再入学。その後、40才で医学部に学士入学して医師になったんです」という宇佐見院長。40代後半で医師になった豊かな人生経験が生むのは、とても穏やかで、安心して話ができる雰囲気。「私も幼少期から20代前半まで精神的に不安定で、そうした心と身体の状態への悩みが、心理臨床へと向かうきっかけでした」と宇佐見院長はいう。現在も診療する患者に向き合うと「目の前の患者さんは、自分自身に向き合っているように感じます。だから目の前の方の話を聞き流すことなどできません」と、診療で患者一人ひとりの話を真剣に聞く理由を明かしてくれた。取材で訪れたのは、JR横浜駅、相鉄線平沼橋駅から徒歩10分ほどにあるビル。2階に同クリニック、3、4階には併設の「横浜心理トレーニングセンター」がある。ユーモアたっぷりで笑いが絶えず、内容は真剣で患者思いのことばかり。妻であり、センター所長の宇佐見万喜氏も見守る中の取材は、お2人の仲の良さも伝わる貴重な時間だった。
(取材日2012年7月18日)

臨床心理の現場から、医師免許をめざして医学部にも入学

―心理カウンセラーから、医師になったとお聞きしたのですが?

はい。法学部卒業間際に社会にでる自信が全くなかったんです。悩み苦しんだあげく心理の勉強や研修を受けるようになったのがきっかけでした。その後、心理カウンセラーを志し、心理療法のセンターで臨床経験を積み、昭和57年に29歳で「横浜心理トレーニングセンター」を開業しました。その後40歳で医学部に入学して、精神科医として「うさみ心のクリニック」をセンターに併設する形で平成16年に開院したんです。もともと心理カウンセラーをめざしたのは、私自身が心と身体に悩みを抱えていたから。幼児・学童期の私は、夜中に夢遊状態で走り回る、突然目の前が見えなくなってしまう、人前で緊張してしまい話せないなど、さまざまな症状に悩んでいました。大学に入っても、そうした症状から逃れられませんでした。このまま社会のピラミッドの端から、自分は転げ落ちるのではないか?窓際にさえ座れず、ずり落ち、かろうじて窓の外から指先でぶら下がって過ごすのではないか?そんな自分のイメージしか浮かんできませんでした。

―そんな時、なぜ心理カウンセラーになろうと思われたのですか?

人と接する事が苦手なくせに、私には「誰かの役に立ちたい」「自分の存在を役立てたい」という欲求も強かったのです。法学部に入学したのも、弁護士になり、えん罪で苦しんでいる人の弁護したいと考えたからでした。しかし、判例、多数説、少数説といった法律の勉強は自分に向いていないと分かったことと、人前で話をすることに自信は持て無かったことで逡巡していました。転機が訪れたのは大学4年終わり頃、心理療法の場に通ったおかげでした。そこでの勉強やトレーニングによって、次第に自分の劣等感、自信のなさが薄らぎ、自分が変われそうだと実感したんです。そうした経験から、「弁護士でなくても、心理に関わる仕事で、人を支え、助けることができる」と思い、心理カウンセラーになる道を選びました。

―心理カウンセラーになってからのご経験をお聞かせください。

昭和50年代、まだ臨床心理士の資格もなかった時代からクライエントと面接を続け、相談に乗り、仕事そのものは充実していました。しかし働き始めて10年以上がたって、自分のやったことを見直したいと考えたんです。36歳の時に心理学を専攻する大学の学部に再入学しました。そこで自分が臨床で続けてきたカウンセリングを体系的に整理し、また心理学という学問の幅広さを知ることができました。

―その後、さらに医学部に入学された理由は何ですか?

私はこれまでずっとクライエントの方の心と身体の両面を考え、接してきたつもりでした。しかし心理面からだけのアプローチだけでは不十分ではないかと考え、医学からのアプローチの必要性を感じました。当時、センターに面接にお見えになる方も、精神科の医師の診断を受けて向精神薬をお飲みになる方が増えていました。その量などが過剰で、面接をすることができないくらいぼーっとしていらしたり、面接中に眠ってしまう人もいました。薬の服用と心理面接の併用が最も効果があると、当時から思っていましたので、出来ることなら私自身がそうした医師になろうと思ったのです。とはいえ医学部の勉強は非常にたいへんでした。幸い国家試験にも合格し、研修医、病院、クリニックでの勤務などを経験して、トレーニングセンターと同じ場所に「うさみ心のクリニック」を開業することができました。

記事更新日:2016/01/24


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