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山川 正 院長の独自取材記事

みなとみらいクリニック

(横浜市西区/みなとみらい駅)

最終更新日:2025/02/07

山川正院長 みなとみらいクリニック main

みなとみらい駅からすぐの「みなとみらいクリニック」。山川正院長は、横浜市立大学医学部に所属し、大学病院などで糖尿病、下垂体、副腎、甲状腺といった内分泌疾患、脂質異常症の診療や研究に携わってきた専門家だ。同院の母体である「医療法人みなとみらい」田中俊一理事長とは医局の同窓で、糖尿病と睡眠との関連に注目して連携して研究に取り組み、糖尿病診療の切り口として睡眠時無呼吸症候群を位置づける、同法人の診療体制の確立に寄与してきた。診療においては、科学的な患者目線を重視して、患者のライフスタイルや希望に沿った対応に努める。「個々の患者さんの希望に合わせた治療をめざしたい」という山川院長に、同院の特徴や診療方針などについて聞いた。

(取材日2024年9月25日)

糖尿病や脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群の診療に注力

こちらのクリニックの概要を教えてください。

山川正院長 みなとみらいクリニック1

当院は、糖尿病、脂質異常症、高血圧、内分泌・甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群の診療を専門で行う医療機関です。睡眠時無呼吸症候群の診療に注力し、終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG検査)を行う専門検査施設があり、関東一円から患者さんが来られます。また、当法人に在籍する各分野の専門家の診療日も設けています。みなとみらいエリアはビジネスパーソンが多いところでもありますから、多忙な方々に、できるだけ利便性高く診療を受けていただけるよう環境を整備しています。また、家族性高コレステロール血症(FH)の診療にも力を入れておりますので、ぜひ、ご相談いただければと思います。

睡眠時無呼吸症候群の精密検査が受けられるのですね。

そうです。睡眠時無呼吸症候群については患者さんがとても増えており、特にPSG検査は希望が多く、予約が先になってしまうようになってきました。中等度以上の場合は、診断時と、CPAP治療開始後の状態を確認する時と、宿泊で行う検査が2回必要なのです。しかし、全国的にも宿泊検査ができる施設は少ないので患者さんが集中するのです。そこで、当院では在宅でも行えるPSG検査を導入しました。従来は検査室での検査と比べて少し精度が低いとされてきたのですが、それも改善されてきました。昼間の眠気などで苦労されている患者さんを、できるだけ早く適切な治療に結びつけたいと考えています。

では、院長に就任されるまでの経緯を教えてください。

山川正院長 みなとみらいクリニック2

横浜市立大学医学部卒業後、約30年間大学に勤務して、一貫して糖尿病、肥満、高血圧に興味を持ち、診療と平行してさまざまな基礎研究や、糖尿病、脂質異常症の臨床研究を行い、米国留学では高血圧と動脈硬化領域の研究に取り組みました。10年ほど前から睡眠と糖尿病との関連に注目し、当法人と連携し、糖尿病と睡眠、食事との関連について臨床試験を数多く行ってきました。田中俊一理事長は医局の先輩にあたり、その診療方針に共鳴してきたのです。また大学病院では、糖尿病、下垂体、副腎、甲状腺といった内分泌疾患、脂質異常症の診療にも携わり、大学病院の利点を生かして先端の治療を取り入れた診療に取り組んできました。こうした経験を生かして地域医療に貢献したいと、2023年に当法人に入職し、2024年4月より当院院長に就任しました。

患者の環境や希望に沿った続けやすい治療を心がける

診療の際、どのようなことを大切にされていますか。

山川正院長 みなとみらいクリニック3

患者さんの目線で、患者さんの希望に沿う治療を提供することを心がけています。大学病院で、糖尿病で合併症が進行して失明したり透析治療が必要になったり重篤になるケースの多くは、治療中断が関係していることを経験してきました。ですから、患者さんが無理をせず治療を続けられることが重要と考えて、話し合いの中で患者さんの希望をできるだけ取り入れています。昔のように厳格なカロリー制限を強制し、患者さんが隠れて食べていることが多い、というような治療ではなく、すべて情報を共有して、患者さんの希望を十分に取り入れた治療を行っていきたいと考えています。

そうした方針になったきっかけなどはありますか。

20年以上前、1型糖尿病を発症したばかりの患者さんに「インスリンが足りないだけなのになぜ食事制限が必要なのか、好きなものを食べたい」と質問されたことがあります。当時は、糖尿病は1型も2型の病型にも関わらず、厳しい食事制限を行っており、患者さんの負担が大きいということに改めて気づきました。特に1型糖尿病に関しては、ある程度食べたいものは食べてその中の炭水化物の量に応じてインスリンの注入量を調節するという現在の治療の考え方へ変わるきっかけになったのです。私だけでなく、糖尿病を専門とする医師の考え方も同様に変わってきました。現在のインスリンポンプは非常に進化し、血糖値に応じて自動的にインスリンの量を調節するなど、患者さんの生活に合わせてQOLの高い治療が提供できるようになっています。当院にも1型糖尿病の患者さんが多く来られています。大学病院と異なり、土曜日も診療しているので通いやすいようです。

患者さんの希望に合わせた治療ができるようになってきたのですね。

山川正院長 みなとみらいクリニック4

そうです。昔は治療に患者さんが合わせる形でしたが、今は患者さんの生活に治療が合わせられるようになってきたということです。スイーツをすべて我慢するのではなく少しは食べてもいい、その分その他の食事、運動、薬などにて、調節していきましょうという考え方ですね。糖尿病のない人が、例えば健康を考えて夜食は控えるというのと同じような感覚で、できるだけ糖尿病のない人と変わらないような生活を送っていただきたいという思いがあります。2型の糖尿病についても、さまざまな治療の選択肢がありますし、患者さんの状況や希望に合わせて選ぶことができます。例えば高齢の患者さんには、週に1度ご家族が注射をすることで、ご本人に負担なく、ある程度の血糖管理が図れるようになっています。画一的な治療ではなく、患者さんの生活環境に応じた治療を行っていくことが大切だと思っています。

オンライン診療も活用してより利便性の高い診療提供を

診療に携わる中で、気になることなどはありますか。

山川正院長 みなとみらいクリニック5

睡眠時無呼吸症候群は、太った男性に多いイメージがありますが、女性患者さんも少なくないですし、日本人の場合は痩せていても、骨格的に顎が小さいために発症する人も多いのです。睡眠時無呼吸症候群の検査は一般内科では受けられませんし、人間ドックや健康診断では取り入れていない場合が多く、発症しているのに見過ごされている人や、治療を受けていない人が多いのではないかと危惧しています。「昼間眠くてたまらない」「朝方、頭痛がする」「いびきを指摘された」という方、寝つきが良すぎる方や電車に乗ったらすぐに寝てしまう方も一度、ぜひ検査を受けていただきたいですね。

今後に向けての展望を聞かせてください。

当院は、スムーズに診療が提供できるシステムが整備されていますから、私としてはより質の高い専門的な診療を提供できるように努めること、そして、専門職を含めて多くのスタッフが働きやすい環境づくりにも努めていきたいと考えています。診療面では、オンライン診療を活用していきたいですね。糖尿病や睡眠時無呼吸症候群の治療では、オンラインでも可能な診療もあるので、積極的に取り組んでいきたいと考えています。多忙な働き世代の患者さんも少なくありませんし、できるだけ利便性高く、質の高い治療を提供したいと考えています。特に睡眠時無呼吸症候群の専門クリニックは地方に少ないですから、オンライン診療と、東京にある系列のクリニックとの連携で、遠方の方にも適切な治療が受けていただけるようにしていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

山川正院長 みなとみらいクリニック6

糖尿病は自覚症状の少ない病気ですから、毎年、血液検査を受けて早期発見を心がけてください。早期であれば薬を使わずに生活の改善だけで治療できることもあります。特に家族歴のある方は検査を受けましょう。健診などで血糖値が高いと指摘された方は、当院のような専門クリニックを受診して生活指導や治療を受け、合併症を予防してください。糖尿病の治療は日々進歩しており、国内外では毎年数多くの研究成果が発表されており、新薬の登場や治療指針の見直しが行われています。当院では、より良い医療を提供するために、常に新しい知識を取り入れ、適切な治療法を見極めて、安心して受けていただける診療を提供したいと考えています。血糖値などの異常を指摘された方やいびき・肥満が気になる方はぜひご相談ください。

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