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西嶋 隆 院長の独自取材記事

にしじま耳鼻咽喉科

(大田区/久が原駅)

最終更新日:2023/09/28

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科 main

東急池上線・久が原駅の改札から、昔ながらの趣を感じさせる商店街を環状八号線方面に2分ほど歩くと「にしじま耳鼻咽喉科」が見えてくる。1階に薬局が入ったビルの2階にあり、看板には額帯鏡をつけた猫をモチーフにしたかわいらしいロゴマークが描かれている。「モデルは開院当時わが家で飼っていた、茶トラの猫なんですよ」と笑顔を見せるのは、西嶋隆院長だ。西嶋院長は、順天堂大学医学部を卒業後、同大学の耳鼻咽喉科学教室に入局。聴覚グループに所属し専門分野である新生児・乳幼児の難聴を中心に研鑽を積み、順天堂大学医学部附属順天堂医院や多摩南部地域病院、都内クリニックでの診療を経て、2010年に開院。「『耳・鼻・のど』を窓口に、地域の方々の健康維持に貢献したい」と語る西嶋院長に話を聞いた。

(取材日2023年6月6日)

家族で訪れることができる地域密着型クリニックとして

さまざまな配慮がされている、おしゃれな院内ですね。

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科1

ありがとうございます。お子さんから年配の方まで、誰もがリラックスしていただける空間をめざし、キッズスペースをはじめ、待合室は十分な広さを確保しました。感染症が流行した時期におもちゃや絵本などをいったん撤去したのですが、徐々に元の状態に戻し始めています。また、当院はビルの2階にありますが、エレベーターも設置されており、ベビーカーや車いすの方でも安心してご利用いただけます。さらに院内は、待合室から診察室までそのままお入りいただけるバリアフリー設計になっています。もともと当院は、受付から診察、会計まで時計周りの一筆書きで完結するよう動線を考慮していました。感染症流行前には、次にお呼びする患者さんが待機する中待合室があったのですが、現在は発熱患者専用のスペースとして転用し、他の患者さんとの接触を防ぐようにしています。

この数年の感染症の流行ではご苦労されたことも多かったのではないでしょうか。

そうですね。当院では、2022年1月から発熱患者さんの診療を始めましたが、当初は不確かな情報も多く手探りの状態でした。しかしながら、抗原検査を実施することで、陽性患者の症例を蓄積していくうちに、発熱とともに上気道の炎症症状が顕著であることがわかってきました。とりわけ第7波~第8波の流行時には、患者さんから「今までこんなにのどが痛くなったことがない」「水を飲むのもつらい」といった訴えが多数ありました。そういった情報を周囲で発熱患者さんの診療をされている先生方にお伝えすると、皆さん同じように感じられているようでした。それ以降、発熱だけでなく強いのどの痛みを自覚されている患者さんの症状にも注視し、事前の問診を通じて、他の患者さんとの接触を極力避けるよう努めています。コロナ禍では、日々の診療から得られる情報を肌感覚で的確に捉え、自身の知識を常にアップデートしていくことの重要性を痛感しました。

久が原駅から2分という便利な立地ですが、患者さんの年齢層について教えてください。

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科2

久が原は田園調布が近く、エリアとして山の手なのですが、駅の両側には昔ながらの商店街が続いていて、下町的な親しみやすさもあります。子育てしやすい環境ということもあり、実際にお子さま連れの方にも多くご来院いただいています。私は大学病院で、新生児や乳幼児の難聴を専門にしていたので、数多くのお子さんを診てきました。現在8人いるスタッフもそれぞれ育児を経験しているので、お母さん方も安心して連れてきてくださっているのかもしれませんね。また、おじいちゃんおばあちゃんと3世代でかかりつけにしてくださっているご家族も少なくありません。「上の子の時にこうだったから下の子も」という具合に、親御さんも受診すべきタイミングがわかってきたり、「この場合は内科や小児科ではなく耳鼻咽喉科に行こう」と上手に使い分けて来ていただけている気がします。

「聞こえ」に関する違和感は放置せずに早めに受診を

患者さんからはどのようなご相談が多いでしょうか。

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科3

お子さんの場合は、鼻水と咳の症状が中心ですね。乳幼児は、まだ鼻が上手にかめないため、鼻水が鼻の奥にたまってしまいがち。それが咳を引き起こす原因になったり、鼻すすりを繰り返すことで中耳炎を発症することも少なくありません。そうならないために、当院では根気よく丁寧に鼻水を吸引しています。生後すぐの赤ちゃんの場合も鼻水を吸引するだけで、寝つきが良くなると考えています。初めは、鼻水を吸われることで泣いてしまうお子さんも、通院を繰り返すうちに、慣れてきてじっとしていられるようになると思います。率先して「耳鼻科に行きたい」とねだるようになるかもしれません(笑)。大人の場合は、花粉症などのアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、咽喉頭炎、めまい、難聴など、症状は多岐にわたります。ご高齢の方からは、聞こえに関する相談が多いですね。

高齢者にとって補聴器の使用はやはり大切なことですか?

ここ数年、難聴を放置すると認知症の進行を早める可能性があるといわれています。聞こえないからテレビを見なくなる、外出が面倒になるなど、刺激を受けなくなることが認知症の進行に影響するのではないかと考えられています。私もその重要性を認識し、補聴器に関する相談にも対応しています。以前は「会話が成り立っていれば、まだいいのでは?」という風潮でしたが、現在は「何となく人の声が聞き取りにくくなったかな?」という段階で積極的に補聴器の装用を勧めていこうという考えになっています。補聴器を敬遠する方も多いのですが、視力が落ちれば眼鏡やコンタクトレンズを使用するように、耳も同じように捉えていただければと思います。また耳垢が詰まっていることで聞こえが悪くなる場合もありますので、快適な生活を維持するために、ぜひ一度ご相談ください。

若い方でも「聞こえ」の問題を抱える方は多いのでしょうか。

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科4

若い世代に比較的多い疾患に突発性難聴があります。重要なのは、発症してから1週間から10日、遅くとも2週間以内に適切な治療をしないと薬で期待できる効果が激減してしまい、治りにくくなってしまうということです。若い女性の場合、低音の聞こえが悪くなることが多いのですが、「聞こえが悪い」という訴えで受診されるケースはあまりなく「耳鳴りがする」、「耳がふさがった感じがする」といった訴えで来院し、判明することが多いです。ですから聞こえに違和感があれば早めの受診が何よりも大切です。最近では、イヤホンやヘッドホンを使用する機会が増えたことで音源が耳に近く、長時間の音の刺激が耳の神経に疲労を及ぼす傾向があります。

耳・鼻・のどを良い状態に保ち、全身の健康につなげる

診療の際、大切にされていることは何ですか?

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科5

一人ひとりの治療内容について、わかりやすく説明することです。治療の効果を上げるには、患者さんご自身に病気への理解を深めていただくことが大切で、それには十分な説明が欠かせないと考えています。中には「薬さえもらえれば説明はいらない」とお考えの患者さんもいらっしゃいますが、「日常生活の中で意識してほしいこと」や「これは避けてほしい」ということをきちんとお伝えするのも大切だと思っています。そのために少し厳しい言葉を口にすることもありますが、根底にあるのは、薬だけでは治せない症状もあることを理解していただきたいという思いです。症状の回復を実感していただけるよう、地域のかかりつけ医としてサポートしていきます。そのために、今後も納得していただける説明と治療を提供していきたいですね。

診療でお忙しいと思いますが、休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

土曜日も仕事があるのでなかなか難しいですが、旅行が好きなので連休など時間があるときには、なるべくどこかに出かけるようにしています。また、昔から音楽と映画が好きなので、映画館やライブには足繁く通っていて、とりわけロックフェスには、毎年参加しています。サッカー観戦も大好きなのですが、なかなか試合を観に行けないのが悩みです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

西嶋隆院長 にしじま耳鼻咽喉科6

耳鼻咽喉科医の基本として考えているのは、鼻やのどは人間の大切な活動である呼吸の入り口であるとともに、ウイルスや細菌から身体を守る役目も果たしているということ。だからこそ、鼻やのどを常に良い状態に保つことが日々の健康につながると考えています。言いかえれば、健康の窓口でもある鼻やのど、加えて耳に不調や違和感を覚えることがありましたら、遠慮なくご相談ください。

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