早川 仁 院長の独自取材記事
まごころ内科クリニック
(鹿児島市/宇宿駅)
最終更新日:2021/10/12
鹿児島市宇宿の閑静な住宅街にある「まごころ内科クリニック」。JR指宿枕崎線の宇宿駅より徒歩4分、市営バス宇宿四丁目すぐ、敷地内に駐車場を備え、公共交通機関でも車でもアクセスしやすいクリニックだ。院長の早川仁先生は、脳神経内科や麻酔科、消化器内科、放射線科など、複数の診療科での勤務を経験。加えて、下甑島にてへき地医療に従事した経験や、国内外で感染症の研究を重ねてきた経験を持つドクターだ。クリニックの理念は「まごころのある対応で地域住民を守る」こと。常に患者の思いに耳を傾け、満足度の高い医療の提供を心がけている。「これからも地域のお医者さんとして寄り添っていきたい」と語る早川院長に、診療の特徴や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2021年3月27日)
開業10年、まごころを持って地域の健康を守る
まずは、クリニックの成り立ちについて教えてください。
当クリニックを開業したのは2010年8月です。当時は今の場所ではなく、宇宿駅近くのビルの3階で診療を行っていました。多くの患者さんから「駐車場があったほうが通院が楽になる」という要望をいただき、4年前に現在の場所に移転しました。敷地内に駐車場を設けた他、インフルエンザなどの感染症対策のために待合室を2つ設けたり、キッズスペースを設けたりと、患者さんが来院しやすい環境づくりを心がけています。若年の方や親子で受診する方、中には100歳を超える高齢の方など、幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいますよ。
内装・外装ともにやわらかい雰囲気のクリニックですね。
はい。全体的にやわらかい雰囲気にしたかったので、外観は白色と薄い茶色のツートンカラーで仕上げました。内装も白色をベースに、椅子や壁紙などに淡いグリーンを用いてナチュラルで温かみのある雰囲気にしました。診察中はもちろん、検査や点滴を行う時間、待ち時間など、患者さんが落ち着いて過ごせるような雰囲気づくりをしております。また、内壁の一部には消臭や有害物質の除去、湿度調整機能が期待できるとされる壁材を使用し、快適に受診できるよう工夫しております。
感染症対策も徹底していると伺いました。
もともとインフルエンザなど感染症の患者さんの受診が多かったこともあり、移転時に待合室を2つ設けるなどの感染症対策を行っていました。新型コロナウイルスがはやり始めてからは待合室の雑誌や飲み物、キッズスペースのおもちゃなどを撤去して、とにかく手で触れるものなるべく減らすように心がけていますね。スタッフ、患者さんともにマスクを着用し、クリニック内は常に窓を開けて換気をする、受付時には検温を実施するなど、これまで以上に注力して感染症対策に取り組んでおります。また、発熱がある場合は事前に電話をしてもらう、感染症の疑いがある方で車でお越しの場合は車中で待機してもらう、診察も別室で行うなど、患者さんの協力を得ながら対策していることも多いですね。
脳神経内科に注力、長引くしびれにアプローチ
先生の経歴について教えてください。
鹿児島大学医学部を卒業後、鹿児島大学第三内科の神経内科(現・鹿児島大学脳神経内科・老年病学)に入局しました。その後、鹿児島市医師会病院の麻酔科と消化器内科、国立南九州中央病院 (現・鹿児島医療センター) 放射線科、鹿児島大学第三内科の神経内科など、複数の診療科で勤務。そして、下甑島にある手打診療所では大きな出会いもありました。長年へき地医療に従事しているドクターのもとで学んだのですが、この経験があったからこそ現在の診療方針を確立することができたんです。島ではいろんな患者さんが訪れます。小さな診療所にもかかわらず毎月多数の手術がありましたし、通常ならICUに入るような手術にも対応していました。24時間体制で島民を守っているといった環境ですね。そういった中で医療に携われたからこそ地域医療の大切さを実感し、私も「地域の皆さんを守る」という理念を胸に、日々診療にあたっております。
標榜科目がいくつかありますが、特に力を入れている科目は何でしょうか?
一般内科をはじめ、呼吸器内科、血液内科、アレルギー科、脳神経内科を診療しており、特に力を入れているのは脳神経内科です。実は、脳神経内科を標榜している開業医はあまり多くないんですよ。もちろんクリニックレベルでは、検査などに限界がありますので、大学病院や他の基幹病院と連携して診察を行っています。患者さんからの相談で多いのが「しびれ」に関する悩み。複数の病院に行ったがなかなか治らないという方も珍しくありません。しびれを訴える患者さんは整形外科や脳神経外科を受診するケースが多いかと思いますが、外科系の診療ではしびれの原因を探して治療にあたるため、原因が見つからない場合は治療が困難になることも。反対に内科は、原因を1つに絞らずに可能性で考えます。推測できる箇所をいくつか検査して原因を探すため、外科とは違った視点で治療にあたることができます。他にも頭痛やめまい、震えなどの症状も気軽にご相談ください。
診療の際に心がけていることを教えてください。
「まごころ」のある対応を心がけ、クリニック名にも入れています。患者さんと接する際は笑顔を大事にし、丁寧かつ優しい声のトーンで受け答えるようスタッフにも指導しております。また、患者さんが何に困っているか、どうしたいのかをしっかり聞いた上で、いくつかの治療方法を提案することも大切にしていますね。ドクターの考えを押しつけるのではなく選択肢を用意して、患者さんに満足してもらえる医療の提供をめざしています。どうしても必要な治療や検査についてはきちんと説明させていただきますし、当クリニックで対処できない場合は適切な医療機関を紹介いたしますのでご安心ください。
これからも地域の「ホームドクター」で在り続けたい
医師をめざしたきっかけをお聞かせいただけますか?
地元が長崎なのですが、父が開業医をしており、生まれた時から「医師」は身近な存在でした。けれども、子どもの頃から「医師になろう」と強く決めていたわけではありません。親をはじめ、姉も医師の道に進んでいたので、成長するにつれ、自然な流れでめざすようになりました。今では弟を含むきょうだい3人が同じ道を歩んでいます。大学卒業後は、長崎に帰って実家を継ぐ選択もあったのですが、鹿児島に残ることを決めたのは、鹿児島大学医局で尊敬する教授に出会えたことが大きかったですね。教授のもとでは、さまざまな診療科で勤務をしたり、研究に励むことができました。下甑島でのへき地医療に取り組むドクターをはじめ、人との出会いはやはり大きいですね。
お忙しいとは思いますが、お休みの日はどのように過ごされていますか?
休みの日は自宅でのんびり過ごしていることが多いです。最近は忙しくてなかなかやれていないのですが、以前はクリニックの敷地内に家庭菜園を作り、トマトやピーマンなどを育てていました。あと、写真撮影も好きですね。高校生の頃に父から一眼レフを譲り受けてからの趣味で、学生時代はバイクで撮影旅行に出かけることもありました。クリニックの廊下に飾ってある長崎の夜景写真は、私が撮影したものなんですよ。季節に合わせて写真を変えていきたいなと思っているのですが、なかなか時間が取れなくて。風景もたくさん撮っているので、時間ができたら飾りたいと思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
2010年に開業してから10年以上たちましたが、開業当時の「地域の皆さんを守る」という理想にだいぶ近づけたのではないかと感じております。今後も地域に根差した医療を提供し続け、困った時に頼っていただける地域の「ホームドクター」をめざしていきます。当クリニックでは、風邪やインフルエンザなどの一般内科はもちろん、長引く咳や貧血、花粉症などの診療も行っています。また、なかなか治らないしびれも脳神経内科の視点から診療いたします。MRIやCTなどの検査機器も導入しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。