安部 裕介 院長の独自取材記事
あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック
(札幌市東区/新道東駅)
最終更新日:2025/01/07

札幌市営地下鉄東豊線の新道東駅から徒歩4分の場所にある「あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック」。駐車場も12台完備しているため、電車でも車でもアクセスしやすい立地に位置している。より患者にリラックスして診療を受けてもらえるよう、2024年7月に現在の場所へ移転しリニューアルオープン。広々とした院内はエレベーターも完備し、幅広い患者が来院しやすいように配慮されている。国内外の施設で研鑽を積んできた院長の安部裕介先生に、リニューアルに伴い変更した点や、診療に対する熱い思いをじっくりと聞いた。
(取材日2024年9月25日)
「皆さんの健康のために力になりたい」その一心で開業
開業に至った経緯について教えてください。

アメリカに留学し、中耳炎に対する新しい治療法を確立するための研究に従事、帰国後も大学病院や地域の総合病院で研鑽を積んできましたが、研究や教育も大切ですが、その経験を生かし、より身近な存在として、地域の皆さんの健康のために力になりたいと強く感じるようになりました。その思いを実現させるために開院を決意しました。
今年、移転リニューアルされたそうですね。
もっと患者さんに寄り添った診療を行っていきたいという思いから、2024年7月に現在の場所へ移転しました。以前の場所から徒歩10秒ほどの距離なので、アクセスはあまり変わりませんが、院内が広くなり、患者さんにより快適に過ごしていただけるような環境になりました。待合室から診察室までの動線も配慮し、できるだけストレスなくご案内できるよう工夫しています。また、めまいの検査ができる新しい機器も導入し、さらに患者さんのお悩みや症状に寄り添った診療を行うことができるようになりました。
どのような症状で来院される方が多いですか?

花粉症やアレルギー性鼻炎などの鼻の症状の方や、めまいや中耳炎などの耳の症状の方がよく来院されます。季節の変わり目などはやはり体調を崩しやすいので、咽喉頭炎や扁桃炎による喉の痛みなどの症状に悩まれて来院される方が多いですね。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩んでいる方も来院されます。また、耳の聞こえが悪くなった、言葉が聞き取りづらくなったなどの理由で、補聴器を希望される方も年々増えています。当院では補聴器の相談も行っているので、希望される患者さんには、まず耳の状態や聴力の程度を確認し、補聴器の適応があるかを診断します。適応がある場合は、当院の言語聴覚士らが、補聴器の説明や調整、試着、試聴を行い、患者さんに合った補聴器の提供に努めています。
かかりつけ医として耳鼻咽喉科領域全般を幅広く診療
先生の得意分野について教えてください。

大学病院や市中の基幹病院などでの臨床経験、海外施設や大学院での医学研究の経験から、耳鼻咽喉科領域の症状を幅広く診ることができる点が私の強みの1つですね。その中でも、アレルギー性鼻炎、花粉症と中耳炎に関しては研究も行っていたので、特に力を入れている分野です。また、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を取得しました。他に、補聴器の相談やめまい、聴覚についても専門的に学んできた経験があります。そのため、めまいや難聴などの患者さんが抱える不安や疑問にも幅広くお答えできると思います。これまでの臨床経験や研究で吸収した豊富な知識、耳鼻咽喉科専門医、アレルギー専門医としての経験を通して、これからも患者さんに安心を届けていきたいです。
アレルギー性鼻炎と花粉症の治療について教えてください。
アレルギー性鼻炎と花粉症の治療は大きく分けて3つあります。1つ目は薬物療法です。抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などの内服薬、ステロイドの点鼻薬や点眼薬などを、症状や鼻の状態に応じて組み合わせて使用します。花粉飛散時期を考慮した初期療法も有用です。2つ目は、舌下免疫療法です。ダニアレルギーやスギ花粉症の治療に使うのですが、ダニやスギ花粉のエキス入り錠剤を舌下に毎日服用しアレルゲンに体を少しずつ慣らしていくことをめざす方法です。3〜5年続ける必要がありますが、注射が不要で、自宅で行える治療法のため、お子さんやアレルギーの完治をめざす方にお勧めです。3つ目は手術療法です。薬物療法で改善が見られない方や、ポリープや副鼻腔炎などを合併している場合に検討します。患者さんご本人の希望もお伺いしながら、一人ひとりに合わせた治療を選択していきますので、気になる治療があればいつでもご相談くださいね。
診療時に心がけていることは何ですか?

患者さんが何に困っているのか、何を求めているのかをしっかりと察して、その気持ちに応えることです。当院を選んで来院してくださったからには、「ここに来て良かった」「この先生にならなんでも相談できる」と思っていただけるように心がけています。患者さんの不安を解消し、少しでもハッピーな気持ちでお帰りいただくことが大切だと思っています。これまで培った経験や知識を生かしつつ、研究会などで新しい知識や技術を学び続け、それを患者さんに還元できるように常にアップデートしていきたいと考えています。
些細なことも相談できる地域密着型のクリニックに
医師になったきっかけと、耳鼻咽喉科を専門に選んだ理由を教えてください。

医師を志すようになったのは、小学1年生の時に入院した経験がきっかけです。その時に、幼いながらも医師に憧れを抱き「人の役に立つ仕事がしたい」と思いました。耳鼻咽喉科を選んだ理由は、診療の幅広さに魅力を感じたからですね。子どもから大人まで幅広い年齢層を診ることができ、急性の疾患からめまいのような慢性疾患、さらには手術が必要なケースまでさまざまな病気に対応できます。また、耳鼻咽喉科では診断から治療まで一貫して診ることができることも魅力でした。患者さんに寄り添い、最初から最後まで責任を持って診療できる耳鼻咽喉科に魅力を感じ、この道を選びました。もちろん大変な時もありますが、患者さんからの笑顔や「ありがとう」という言葉を聞くと、この仕事を選んで良かったと心の底から思いますね。
大学時代、シラカンバ(白樺)花粉症を研究対象にした理由についてお聞かせください。
シラカンバ花粉症が、北海道で発症する人が多い花粉症だからです。医師になるからには、地域の方々の役に立ちたいと思っていたので、花粉症の中でも悩んでいる方が多い疾患を選択しました。アレルギーの原因となる物質には悪さをする部分と免疫を動かす部分があります。悪さをする部分を取り除くことでアレルギー反応を抑えることができないかと考え、研究していました。それをうまく治療に結びつけることができれば、理論的には既存の免疫療法より有用な治療法になり得ると期待していました。残念ながら実現には至りませんでしたが、アレルギーに関する深い知識は現在の診療に大いに役立っており、研究して良かったと感じています。研究だけでなく何に対してもいえることですが、人生において無駄な経験はないと感じさせられますね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「こんなことで病院に行ってもいいのかな?」と迷わずに、どんな些細なことでも気になることがあれば、いつでも相談してください。自分では大したことないと思っても、検査をしてみたら病気が見つかることもありますし、病気は早期発見がとても大切です。特に耳の症状は「ちょっと聞こえにくいかも」という程度では放置してしまいがちですが、急に聞こえが悪くなったり、耳が詰まった感じがする突発性難聴は早く治療を始めるほど改善の確率が高くなることが期待できる病気です。少しでも気になることがあれば、いつでも気軽に来院してくださいね。