野本 花奈 院長の独自取材記事
駒沢ハートクリニック
(目黒区/駒沢大学駅)
最終更新日:2026/05/13
2010年の開業以来、内科および循環器内科として地域の健康を見守り続けてきた「駒沢ハートクリニック」。2024年には同地区内にて移転開業し、新たな一歩を踏み出した。専門とする循環器のほか、内科全般に対応し、日常の不調から慢性疾患まで幅広く支えている。診療では、症状のみならず日常の不安や悩み事に耳を傾けるなど、開業医ならではのこまやかな対応を行っている。「何でも相談できる存在でありたい」と意気込む野本花奈院長に、地域に寄り添う同院のこれまでと、これからについて話を聞いた。
(取材日2026年4月3日)
近隣病院と連携して地域密着型医療を提供
医師を志した理由と、この場所に開業された経緯を教えてください。

幼い頃から医療の仕事に興味があり、自然と医師の道を志すようになりました。大学進学を機に愛媛から上京し、それ以来、都立大学周辺に住んでいます。今ではこちらでの生活のほうが長くなりました。このエリアは都心部に出やすい上に買い物がしやすく、住環境として整っています。それでいて自然も豊かで、子どもが幼い頃はよく駒沢公園で遊んでいました。落ち着いた住宅街であり、長く住まわれる方が多いようです。そのような背景から、地域に密着した医療を提供するのに適した場所だと感じていました。開業にあたっては、これまでの経験を生かしながら、患者さん一人ひとりとしっかり向き合える環境をつくりたいという思いがありました。長く住み続けているからこそ、地域の雰囲気や人のつながりも理解しており、その中で医療を提供できることにやりがいを感じています。
2024年に移転されたそうですね。
2024年3月に現在の場所へ移転しました。とはいっても、以前のクリニックから200mほどと非常に近く、患者さんもそのまま通院されています。内装は移転前と同様に木材やしっくいを取り入れて、ナチュラルで温かみのある空間としました。高齢の患者さんが多いため、車いすでも安心して来院できるよう院内は段差のないバリアフリー設計にしています。心電計やエックス線検査機器、超音波診断装置といった設備機器はもともとそろっていましたが、必要に応じて新しい物に更新しています。精算機やマイナンバー対応といった機械操作に慣れない方は、スタッフが丁寧にサポートしています。
近隣の医療機関とはどのように連携されていますか?

すぐそばにある「国立病院機構東京医療センター」をはじめ「東京共済病院」「東京都立広尾病院」「心臓血管研究所付属病院」などと日頃から密に連携しています。特殊な検査機器や手術をする環境が整っている大規模な病院と連携することで、当院のようなクリニックでもよりこまやかな医療を提供することが可能です。例えば重症の方で詳しい検査や入院が必要な場合には、速やかに病院へ紹介し、患者さんにとって最適な医療が受けられるように尽力しています。一方で、病院での手術や治療を終えて状態が安定した方については、継続的な投薬や経過観察を当院で担うことも多いですね。
循環器内科を軸に、患者の人生に寄り添う医療
循環器内科を専門に選ばれたのはなぜでしょうか?

大学に入ったばかりの頃は、手術ができる外科か産婦人科を希望していました。女性なので産婦人科で力を発揮できることがあるのではと考えていたのですが、複数の診療科で経験を積む中で、診断から治療まで一貫して関われる循環器内科に魅力を感じるようになりました。内科でありながら外科に近い側面も持っており、自分の志向に合っていると感じたのも理由の一つです。中でもカテーテル治療は、自分で診断した内容をそのまま治療へとつなげることができます。患者さまの健康に対して診断から治療まで一貫して関わりを持つことで、できる限りの責任を持って「患者さまを守れるドクターになりたい」という想いから循環器内科に進みました。
どのような患者さんが多いですか?
お近くにお住まいの方がほとんどで、徒歩や自転車で来院されています。循環器内科という特性上、高齢の患者さんが多く、初診でお越しになる方は動悸や胸痛、息苦しさといった症状が中心です。一方で、日本内科学会総合内科専門医の資格を持っていますので、循環器に限らず内科全般を診療しています。風邪やインフルエンザ、高血圧症や高脂血症などの生活習慣病、花粉症に代表されるアレルギー疾患、めまいや貧血などで来院される患者さんもいらっしゃいますし、禁煙の外来と睡眠時無呼吸症候群にも対応しています。健康診断で症状が見つかって精密検査を受ける方や、近隣の病院で処置を受けた後の経過観察、脂質異常症など生活習慣病の管理で通われる方も多いですね。
診療で大切にしていることは何ですか?

開業医として、限られた環境の中でも質の高い診療を提供することを常に意識しています。安易に専門医療機関へ紹介するのではなく、当院で対応できる範囲については責任を持って診断し、適切な治療につなげることを大切にしています。一方で、より専門的な検査や治療が必要な場合は、速やかに連携先へご紹介しています。抱え込みすぎるのも良くないので、バランスと判断が重要ですね。また、症状だけでなく生活背景やご家族の状況まで丁寧に伺うようにしています。例えば、ご家族の介護を長く続けていると、心身の緊張や負担から不眠などの症状が現れることもありますので「最近いかがですか?」「お変わりないですか?」など、声かけを大切にしています。こうした背景まで含めてお話を伺えるのが開業医の強みです。幸い、長く通ってくださる患者さんやご家族で通院される方が多いので、患者さんのバックグラウンドを理解した上で診療することを心がけています。
地域に寄り添う「かかりつけ医」をめざして
お一人での診療を続けるのは大変だと思いますが、モチベーションとなっているのは何でしょうか?

改めて聞かれると難しいですね……。というのも、私にとってクリニックでの仕事は、単なる職業というよりも生活の一部となっているのです。強いて言うなら、日々の中で患者さんの体調が改善した場合や「安心しました」と言っていただけた瞬間でしょうか。移転してからは、以前に比べて通りから見えやすくなったようで、新たに来院される患者さんも増えました。これまで通ってくださっている方に加え、新しい出会いによって地域とのつながりを実感しています。こうした積み重ねも「やっていて良かった」と思える理由の一つです。医師として働くことそのものがモチベーションとなっているのかもしれません。
勉強を続けていることや、リフレッシュの方法を教えてください。
循環器領域は日々進歩しているため、勉強会や講演会などに参加して継続的に知識をアップデートしています。近年はオンラインでも出席できるようになったため、時間を有効に使いながら必要な情報を得ることができるようになりました。忙しい中でも、できる限り学びの機会を持つよう意識しています。一方で、休日はジムで体を動かしたり、友人と食事に出かけたり、映画やドラマを楽しんだりと、プライベートな時間も大切にしています。愛犬との散歩も良いリフレッシュになりますね。
今後の展望と患者さんへのメッセージをお願いします。

八雲・柿の木坂・東が丘エリアの方々にとって「体調が気になったら、最初に相談できる場所」、そして症状の大小に関わらず、患者さん一人ひとりの話に耳を傾け、安心して通い続けられるクリニックでありたいと考えています。内科全般を診ていますので、ちょっとした体調不良や健康に関する不安でも気軽に相談にお越しください。

