後藤 陽一 院長の独自取材記事
陽のあたる歯科
(みよし市/黒笹駅)
最終更新日:2024/07/12
みよし市の黒笹交差点、見晴らしの良いのどかな環境に立つ「陽のあたるクリニック」。虫歯や歯周病の治療から小児歯科、矯正歯科、インプラント治療、審美歯科まで幅広く対応する中で、後藤陽一院長が力を入れているのが予防やメンテナンスだ。予防歯科の先進国スウェーデンで学んだ経験もあり、歯を守るための日常的なアドバイスや、「なぜ歯が悪くなるのか」といった根拠を明確にした治療により再発を防ぐことを大切にしている。「予防目的で来院される患者さんが増えてほしい」というのが後藤院長の願い。大のスポーツ好きで、スポーツ選手の健康やケアをサポートする歯科医師になりたいという夢もある。快活で何事にも前向きに真剣に取り組む後藤院長に、診療にかける思いの丈を聞いた。
(取材日2024年6月18日)
健康な歯を保つための予防と歯周病治療に注力
院名も院内も、優しく温かなイメージですね。
ありがとうございます。院名は、私の名前からつけたもので「すべての人に太陽を」という気持ちを込めました。実は学生時代から、開業をするならこの名前を、と考えていたのです。内装はできるだけ歯科医院っぽくなく、くつろげる雰囲気にしたいと考えて、床は木のフローリング風にし、壁の一部に石やレンガ模様を取り入れました。受付カウンターやカウンセリングルームの壁はやわらかなカーブを描いています。チェアは5台で、うち1台は個室です。インプラント治療や歯周外科手術に使用するほか、人目が気になるという患者さんにも入っていただいています。2015年に増築し、待合室を広く過ごしやすくして、2階のスタッフルームも広くしました。
先生が歯科医師をめざされたきっかけとは?
私の祖父と父も歯科医師でした。祖父は入れ歯も自分で作るなど職人のような人。父は現在も旧稲武町(現・豊田市)で開業医として活躍しています。私が子どもの頃は父の歯科医院が遊び場でしたね。2人が一生懸命働く姿を見て育ち、自然と同じ道に進みました。祖父も父も真面目で、「歯科医師はずっと勉強を続けるものだ」と言っていたことが今も心に残っています。旧稲武町は人口が減少しつつある地域で、私は予防から歯周病治療、審美歯科、矯正などに幅広く精力的に取り組みたいと考えていましたので、多くの方に来院していただけるように、みよし市内に開業しました。
こちらでは予防や歯周病治療に注力されていると伺いました。
はい。勤務医時代、治療しても年月の経過とともに歯周病が進み、歯を失うようなケースに何例も出会いました。そこで問題を再発させないためには、そもそも歯周病予防に力を入れるべきではないかと思い至ったのです。歯周病を深く学ぶと、その予防のために、食生活や生活習慣の改善、さらに審美、矯正も大事であることに気づきます。開業したらそうした総合的な歯科治療を提供したいと思うようになりました。当時は予防歯科がまだ浸透していない時代でしたが、幸いヨーロッパの歯周病学を日本に持ち込まれた先生に出会い、その方の勧めで予防の先進国であるスウェーデンのイエテボリ大学の歯周病科にて学ぶことができました。歯を長く残すためには、予防、そして歯周病治療がすべての治療の基本になると考えています。
原点を大事に根拠に基づいた治療計画を立てる
患者さんの予防に対する意識についてはいかがですか?
近頃では、乳幼児の時期から歯科検診やフッ素塗布でお子さんを連れて来院される親御さんもいらっしゃいます。お子さんの虫歯はお子さんのせいではなく、食生活や生活環境などの影響が大きいもの。そこで当院では、妊産婦歯科健診でいらした方々に、生まれてくるお子さんのために、まずご自身の歯やお口をきれいに健康にすることが大事というお話をしています。お父さん、お母さんだけでなく、さらにはおじいちゃんおばあちゃんにも予防を意識していただくといいですね。予防の意識向上には歯科衛生士の役割が大きく、当院のスタッフたちはとても頼りになっています。
診療で心がけていらっしゃることはありますか?
「迷えば原点」という言葉をいつも念頭に置いています。野球部員であった学生時代に顧問の先生がおっしゃった言葉です。診断に迷った際は、再検査や再度問診を行い、初めから考え直すことで、見落としていたことに気づくこともあります。考えをまとめ直すと結果的にしっかりとした診療を行うことが期待できるのです。また、私が学んだ、スウェーデンスタイルの治療法というのは、経験や勘に頼る治療ではなく根拠に基づく治療を行うという考え方です。科学的な根拠に基づき、将来的な見通しを定めることは、自信を持って適切な診療を提供できることにつながると思いますので、常に心がけています。
他にも気をつけていらっしゃることはありますか?
まずカウンセリングを大切にしています。初診ではアシスタントスタッフが、お困り事や、体の状態、持病、服用しているお薬、通いやすい曜日などをお聞きします。これらは治療をスムーズに安全に行うために大切な事柄です。中には治療を中断されているケースもあるので、これまでの治療での不満や不安をお聞きすることもあります。そして次に、診察や検査を通して根拠に基づいた診断につなげ、「このようなことが原因と考えられるので、治療はこのような方法があります」と説明し、納得いただいたら治療方針を立てていきます。「なぜこうなったのか」という原因の追究は、治療においても治療後に再発させないためにもとても重要です。他に、お子さんの治療では特に言葉遣いに気をつけていて、怖がらせないように「麻酔」「注射」といった単語は言わないようにしています。でも親御さんが「次は注射だよ」と言っちゃうこともありますね(笑)。
予防に力を入れて人生の健康をサポート
スタッフの皆さんについても教えてください。
お話ししたように、予防が大切であること、「なぜこうなったのか」という原因が重要であることはスタッフも共有していますので、患者さんに都度説明してくれています。説明では専門用語を使わないように、またアドバイスは多くて3つに絞るようにと気をつけていますね。みんな勉強熱心で、例えば歯科衛生士同士で実習したり、私が受けるセミナーと同列の歯科衛生士向けのセミナーに参加したり。そうすることで同じアドバイスを患者さんにすることができ、患者さんに安心感を持っていただけます。スタッフの中には子育て経験者もいますので、育児や子どもの歯についての話をするなど親御さんから信頼されていると感じています。当院では食事会の他に、月に1度ランチを兼ねたミーティングを行っているのですよ。スタッフの話を聞く良い機会であり、顔を見ながら話すのは互いに意思が伝わりやすいと思っています。
先生はスポーツがお好きだそうですね。
大好きです。小学生では剣道と野球、中学生ではバスケットボールと陸上競技のハードル、高校生ではバレーボール、大学でまた野球と、ずっと運動部で過ごしてきました。観るのも好きで、オリンピックでは普段中継が少ないスポーツも中継されるので時間を忘れて観戦してしまいます。モータースポーツも大好きでよく観戦していますし、スキューバダイビングもします。スポーツをする人のための歯科技術を勉強しましたので、外傷予防のためのマウスガード作製、スポーツドリンクの頻繁な摂取が虫歯リスクを高めることなどを踏まえ、選手の長期的な口腔環境の保護にも取り組んでおります。他に、野球のボールが当たって歯が折れてしまった高校生など、スポーツ中に生じた口の中のけがの治療も行っています。全国大会など遠くの場所での試合時のケアといった相談も受けつけておりまして、いつか歯科医師としてスポーツ競技会に帯同できたらうれしいですね。
今後の展望についてお聞かせください。
自分が学んだことをすべて生かして、患者さんのお困り事に対して何でも応えられるようになりたいと思い、これまでやってきました。当院には開業以来10年以上、定期的に通って来られる患者さんも少なくありません。定期的に検診やメンテナンスに通えば、早期発見・早期治療につながり、問題が起きても治療も最小限で済むことが見込めます。ぜひ子どもの頃から予防を習慣にして将来も健康に過ごしていただきたいです。現在は5台のチェアのうち2台を予防専用のチェアとしていますが、いずれはリフォームで広げたスペースを使い、治療ゾーンと予防ゾーンを分けて、さらに予防に注力していきたいと思います。来られる患者さんのうち7割ほどが予防目的になることが理想ですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療:初診3300円、精密検査・診断料2万2000円、基本料金(全期治療)71万5000円~、処置料3300円、セラミックを用いた治療:CAD/CAMシステムクラウン5万2500円、CAD/CAMシステムインレー3万3000円、インプラント治療:23万円~、スポーツ用マウスガード作製:5500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。