今本 裕紀 院長の独自取材記事
いまもと歯科クリニック
(葛城市/近鉄新庄駅)
最終更新日:2024/09/25

近鉄御所線・近鉄新庄駅から徒歩7分ほど。葛城市新庄健康福祉センターの裏手にある「いまもと歯科クリニック」は2010年開業。今本裕紀院長が、歯周病治療とインプラント治療に注力している。これまで数々の勉強会やセミナーに参加し、技術を磨き自信を深めてきた今本院長は、今度は自分が恩返しをする番と、今春からインプラントメーカー主催のセミナーにて、インプラントメーカーより依頼され、インストラクターを務め後進の指導にもあたっている。多くの難治療に対応してきた今本院長に、クリニックの診療内容などについて詳しく聞いた。
(取材日2024年8月16日)
高度な技術を駆使し、歯周病とインプラント治療に注力
クリニックの特徴、診療方針などについて教えてください。

当院は歯周病とインプラントの症例がかなり多く、2010年の開業以来、数多くのインプラント治療、歯周外科治療を実施しています。口内環境にダメージを与える歯周病の治療はとても重要ですし、失った歯の機能を取り戻すためのインプラントもメリットの多い治療法だと考えています。両分野での高い専門性と豊富な経験を生かし、歯を残すための治療、お口の機能を取り戻すための治療に努めています。マイクロスコープなど高機能の機器を駆使しながら、確かな技術で治るまでしっかり治療を行うことをモットーとしています。歯周病やインプラント治療は、高い技術を求められるので学びも欠かせません。常に技術と情報のアップデートをし、患者さんに還元することを大切にしています。
歯周病とインプラントの治療について詳しく教えていただけますか?
歯周病の治療では、まず歯を残すために最大限の努力をします。まずは保険診療で行いますが、歯が残る環境をつくることを第一に考えます。歯周病がかなり進行・悪化している場合は、歯茎・骨の移植や、歯周組織再生療法を行っています。どうしても残すことが困難と判断した場合は、残る歯を守りしっかり噛むことが期待できるインプラント治療を選択肢としてご提案しています。当院には、歯周病の進行で歯が溶けてインプラントは難しいなど、他院で断られた患者さんも多く来院されます。骨をつくるための技術や歯茎の移植の技術があるからこそ、対応できる患者さんが多いと自負しています。
日々の診療で大切にされていることはありますか?

自分が患者ならどうしてほしいか、それを常に意識しています。治療に進む前、患者さんに口内の状態や治療について理解・納得してもらえるよう、わかりやすい言葉を使って丁寧に説明することを心がけています。めざしているのは、患者さんの悩みをきちんと理解し、受けて良かったと思っていただける治療をすること。当院では、検査結果を前に、患者さん一人ひとりに治療方針を説明するために必ずコンサルティングのための時間を設けるようにしています。
自分にしかできない納得いく治療をしたいと開業を決意
先生が歯科医師を志したのはなぜですか?

私はここ葛城市新庄の生まれで、父は薬剤師でしたが、医師の家系ではありません。ただ、祖母が小学校の教員を30年勤め、母も塾の講師をしていたので、自分も導かれるように、先生と呼ばれる職業に就きたいと思うようになりました。大阪市内の中・高一貫教育の進学校に通ったのですが、周囲には医科大学や医学部をめざす人が多かったんです。初めは、私は親が医師ではないし大変そうだなと他人事のようでしたね。私は化学が大好きで、解けない問題はないというほどのめり込んでいたので、理学部で研究をしたいと思っていたんです。しかし周囲の影響もあり医学部で研究を極めるのも良いなと思うようになっていきました。第一志望の国立大学の医学部には残念ながら合格せず、家からは遠いですが何とか通えるという理由で大阪大学の歯学部へ。歯科医師になろうと考えるようになったのはそこからです。
大学生活で印象に残っていることをお聞かせください。
大学5回生で臨床に入るようになり、歯科医師になるんだという実感が湧いてきました。患者さんのためにと、セミナーなどに積極的に参加しながら勉強に取り組みました。実際に患者さんを担当するので指導医の先生も厳しくなって。臨床での評価と歯科医師の国家資格を取得しなければならないので大変でした。患者さんとの対話が苦手な人は苦労していましたが、幸い私はコミュニケーションを取るのは得意。臨床の場にやりがいも感じましたし、何とか乗りきることができました。指導する教授が評価してくださり、患者さんを一人で担当することを任されるようになって。ご指名は名誉なことかもしれませんが、まだまだ経験が浅い。必死になり何とか対処しましたが、技術もないのに、いつの間にか名前がよく知られるようになっていて、そのことにとても恥ずかしさを覚えました。ならば技術をもっと磨いて本物の名医と呼ばれるようになろうと、さらに勉強に励みました。
勤務医時代についても教えていただけますか?

卒業後は開業医のもとで働きましたが、最初から一人前の歯科医師として患者さんを任されていました。特に先輩歯科医師に指導を受ける機会はなかったのですが、振り返るとそのやり方が自分に合っていたように思います。わからないことは自分で勉強しなければならないので、勉強会やセミナーを見つけては参加して技術を磨きました。そうした中で、学んだことや修得した技術を存分に発揮しながら、自分にしかできない納得のいく治療ができる歯科医師になりたいと思うようになり、開業をめざすようになりました。
開業にあたり、この地を選んだのはなぜですか?
ここは先祖代々の土地で、当院が建つ前は駐車場でした。周囲の田園風景に溶け込むような建物にしようと考えました。駅近でもなくわかりにくい場所ですが、本当に歯周病で悩んでいらっしゃる方には来ていただけるのではないかと。おかげさまで、今では遠方を含め多くの方が来てくださっています。
セミナーのインストラクターを務め、後進の育成に尽力
セミナーでインストラクターを務めているとお聞きしました。

海外を含め多くの勉強会に参加してきましたが、今春からインプラントメーカーが主催する歯周病とインプラントのセミナーで、インストラクターをしています。3回完結で先月2回目を開催しました。ありがたいことに定員オーバーになるほど盛況でした。つくづく思うのは、セミナーで指導を受けた先生との出会いがあったから、今があるということ。「恩送り」と呼んでいるのですが、師匠に恩返しできたらとの思いで始めました。自分が講師になり、かつて受けたセミナーの先生方が、いかに親身になり指導してくださったかをあらためて実感しています。クリニックで1日2回ペースのオペを実施しながらは大変ですが、私自身がセミナーに育ててもらったので、この技術を後進に継承していくのは使命。それが一人でも多くの患者さんを救うことにつながると考えています。今後も患者さんを救えるように、教えながら自分も学び続けていきます。
お忙しい毎日と思いますが、休日の過ごし方やご趣味について教えてください。
育児とセミナー講師のための資料作りで休日は、ほぼいっぱいですね。夫も協力的ですが、今、子どもは夏休みなので遊びにも連れていきますし、宿題の感想文を見てあげたりもしています。異文化にふれるのが大好きなので、以前はよく海外旅行に行きました。昔、フィリピンの離島に歯科医療の協力でボランティアに行ったことがあるのですが、現地の方々との交流が楽しく、子どもたちも屈託なく純粋で、逆に癒やしをもらいましたね。ボランティアに行ったというより、感謝して帰ってきましたね。
開業してから今日までを振り返って思うことはありますか?

この14年間、患者さんの悩みを解消するためにさまざまな歯周病治療やインプラント治療を手がけ、難しい症例にも積極的に対応してきました。患者さんに喜んでもらったり、「ありがとう」という言葉をかけていただいたりすることが、仕事のやりがいとなっており、歯科医師になって本当に良かったと思っています。歯周病やインプラントのオペの恩師は、海外を含めて何人もいます。勤務医時代に受けたセミナーの先生方との出会いがあったからこそ、こうして歯周病とインプラント治療のスペシャリストとして日々の診療ができているので、感謝の気持ちでいっぱいです。多くの方に出会えて、恵まれているなぁと思いますね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、歯周組織再生療法/5万5000円~、歯茎の移植(CTG)/6万6000円~