松田 芳和 理事長の独自取材記事
まつだ整形外科クリニック
(熊谷市/熊谷駅)
最終更新日:2025/08/01

2010年の開業以来、近隣住民だけでなく遠方からも多くの患者が訪れる「まつだ整形外科クリニック」。90台分の駐車場を有する同院は、自動ドアも備えたバリアフリー設計。待合室には足腰の弱い人でも立ち上がりやすいように高さのある椅子を置くなど、院内の至る所に患者へのこまやかな配慮がなされていれる。松田芳和理事長は、膝の人工関節手術というスペシャリティーを持ちつつ、総合的な診療を行うゼネラリストでありたいという気持ちから開業を決意。法人のビジョンでもある「健康寿命の延伸」を実現すべく、整形外科検診にも取り組んでいる。充実の設備を生かし質を重視した医療を提供する一方、社会貢献のための院外活動にも注力する松田理事長に、診療における強みや日々心がけていること、検診の詳しい内容などについて聞いた。
(取材日2025年7月1日)
下肢が専門のゼネラリストとして柔軟な診療を実施
設備が充実しているクリニックですね。

MRIは、少し前に新しい物に替えたことで、より撮影時間が短く、画像の解析精度も高い検査を行えるようになりました。また、MRI検査はエックス線検査ではわからない部分も確認できるため、必要に応じて迅速に撮影できるような体制を整えています。例えば、午前中に受診した方に対し、緊急性が高いと判断した場合は昼休みの時間を使って検査するケースも少なくありません。スタッフと相談しながら臨機応変に動ける点や、予約から検査までの待ち時間が短い点はクリニックならではの強みだと思いますね。このようにハード面とソフト面の両方を重視した診療を実施しており、他にも骨密度の測定や血液検査、理学療法士によるリハビリテーションなども行っています。
膝などの下肢がご専門だと伺っています。
昔の勤務先の医師が人工関節を専門にしていたことから、私も人工関節について深く学び始めました。その後、アメリカなどに留学をして、さまざまな症例数を見てきました。帰国後は人工関節に特化した病院で研鑽を続けたものの、自身の医師としての在り方を見直し、「いろいろな患者さんを診たい。その中で自分の得意分野や好きなことにも注力したい」という思いから開業に至りました。アメリカなどの医師がスペシャリストであるのに対し、私は「ゼネラリストでありながらサブスペシャリスト」という立ち位置がしっくりくるんですよね。
診療で心がけていることを教えてください。

患者さんにできるだけ寄り添う姿勢を大切にしています。受けた説明の内容をあまり理解できなかったり、話を十分に聞いてもらえなかったりした経験がある方もいらっしゃると思いますが、当院では一人ひとりのお話に丁寧に耳を傾けます。エックス線検査やMRI検査、骨密度検査の結果をご説明する時間も惜しみません。なお、説明の際はわかりやすくお伝えするためにパンフレットや資料を活用しています。MRI検査の結果は必ずプリントアウトし、そこに追加情報を書き込むこともあります。さらに、画像だけだと伝わらない場合もありますので、診断名や治療法の一覧の該当するものに丸をつけ、それを見せながらお話しもします。これなら帰宅後、ご家族にも病気や治療について把握していただきやすいでしょう。
健康寿命の延伸を目標に、整形外科検診など予防に注力
整形外科疾患の予防も重視しているそうですね。

医療とスポーツと食を融合させ、患者さんの健康寿命を延ばすことを法人のビジョンとして掲げており、その一環として予防に取り組んでいます。内科検診やがん検診は「がんがあるから」ではなく「がんがあったら困るから」受けますよね。当院が力を入れている整形外科検診もそれらと同じで、早期に疾患を発見し、進行する前に適切な治療を行うために脳や膝、背骨の検査を行っています。中高年の方に多いのが、ご本人の自覚がないうちに骨がつぶれてしまう、「いつの間にか骨折」。こちらは症状がないため気づきにくいのが特徴で、エックス線検査で初めてわかるケースも少なくありません。
特に検診を受けたほうが良いのはどんな人ですか?
身内に脳梗塞の既往がある方は遺伝的なリスクが高いので、年に1回の脳の検査をご提案しています。熊谷市は脳の検査に対して助成金が出ており受診しやすい状況ですので、該当しない方も数年ごとの検査がお勧めです。膝と背骨の検査も、症状がある方は1年、もしくは数年に一度が望ましいですね。膝に小さな違和感がある方や、強い痛みはなく日常生活に支障はないものの、スポーツをした後に痛むことがある方などは膝の軟骨がすり減っている可能性があります。早めに検査を受けていただければ治療も早く始められますので、軽い症状であってもひどくなる前にお越しください。当院ではこれまで積み重ねてきたノウハウやデータを生かし、検査結果に基づいた細かな指導が可能です。
診療以外にもさまざまな取り組みをされていますね。

法人のもう一つのビジョンが「スポーツを通じて社会貢献し、地域を活性化させる」ことなので、2017年より「健康スポーツ研究会」を立ち上げ活動しています。これまでに医師や管理栄養士、アスリートなどによる講演会の他、地元の学生をお呼びして野球やサッカーの大会も開催しました。また、私はスポーツドクターとしての側面もあり、野球チームや駅伝チームのメディカルサポートを行っています。私自身がスポーツが好きで、やりたいことをやっていたら自然とこうなったんですよね。もちろん院内でもスポーツ整形に力を入れており、十分な人数の理学療法士とともに質を重視した医療・リハビリテーションにあたっています。
未病の段階で早期発見・治療につなげたい
先生のご趣味や、健康のために行っていることがあれば教えてください。

最近はトライアスロンやマラソンをやっています。体を動かすこと自体が好きなのもありますが、運動して汗をかくことがストレス解消にもつながるんです。患者さんとの出会いから人脈が広がるケースも多く、それがきっかけで30年ぶりにスキーも始めました。この前も、今年新しく出たスキーモデルを早速注文したところです(笑)。患者さんにも、ご高齢の方なら散歩、膝が痛い方にはプール内でのウォーキングなど、その方に合わせた方法で体を動かしましょうとアドバイスしています。健康のために心がけているのは睡眠時間の確保ですね。6時間半~7時間はしっかりと寝るようにしており、早寝早起きの習慣もつけているので基本的には5時に起床しています。
今後の展望をお聞かせください。
やはり、予防に注力したいという気持ちがありますので、整形外科検診をより普及させたいです。膝や背骨の検査もがん検診と同じように行政に認められ、助成金が下りるようになれば受診する人が増えるでしょう。特に、背骨の「いつの間にか骨折」は本当に多く、当院では背骨に対して骨密度の測定やエックス線撮影、MRI検査などを総合的に行っています。さらに、血液検査の結果をもとにその方に足りないものを補うための治療をしたり、理学療法士による運動療法をご提供したりして、きめ細かな治療を実施しています。そして骨折の主な原因である骨粗しょう症にはさまざまな治療薬があるため、それぞれの患者さんにどの薬が適しているかも調べなければなりません。骨折が一つの引き金となって寝たきりになり、それが要支援・要介護にも発展しかねませんので、法人の目標である「健康寿命の延伸」の達成に向け、すべきことに全力であたる所存です。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院では患者さんが少しでも長く健康な状態でいられるよう、早期段階での発見と治療を何より重視しています。膝や背骨の検査に取り組んでいるのも、病気として症状が出る前の「未病」のうちに介入したいとの考えからです。ハード面・ソフト面を整え安心して受診いただける診療環境を整えていますので、ちょっとした違和感や心配事、軽い症状でもぜひ一度お越しいただければと思います。加えて、私の専門である膝の人工関節手術に関しても一貫した治療が可能です。手術が必要な場合は、私が提携先の病院まで出向いて手術に携わり、術後の経過観察やリハビリテーションは再び当院で行っています。最初から最後まで寄り添いながら治療できるのも特徴ですので、膝の痛みもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/3万2000円~、膝の検査/2万8500円~、背骨の検査/2万7000円~