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大角 呼正 院長の独自取材記事

あさひ・こころのクリニック

(尾張旭市/尾張旭駅)

最終更新日:2022/03/23

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック main

名鉄瀬戸線尾張旭駅から徒歩約3分、郵便局隣にペンションのような外観のクリニックが見えてくる。「あさひ・こころのクリニック」は三角屋根に水色の壁、白いドア、待合室は木がふんだんに使われ、優しく温かな雰囲気の漂うクリニックだ。待合室では名前でなく番号で呼ぶなど、患者の精神的負担を軽減するような配慮がなされている。大角呼正(こせい)院長は「診療の基本は、患者さんの話をじっくり聞くこと」と話す。ゆったりとした診療室で、一つ一つ丁寧に話を進める大角院長の姿は、不安を抱えて来院する患者にも、安心感を与えることだろう。日頃の診療の流れや、患者の家族の心構え、来院を迷っている人へのアドバイスなど、じっくりと話を聞いた。

(取材日2019年4月11日)

誰にでも、来院しやすいクリニックでありたい

精神科の医師をめざされたきっかけを教えてください。

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック1

父も内科の開業医をしていたので、医学部をめざしたのは自然な流れだったと思います。精神科の医師を志したのは、精神科医療に興味があったからです。時代とともにうつ病のことがクローズアップされるようになり始めた頃でしたが、当時はまだ精神科を志す医師が多くはありませんでした。患者数は増えているのに診療できる者は少ないという中で、私が役立てたら良いな、と考えたのが今思うときっかけなのかもしれません。

すてきなクリニックですね。開業に際してこだわられたところはありますか?

外観も含めていわゆる医院らしい無機質な感じにはしたくなかったんです。患者さんに来ていただきやすいクリニックにしたいと思っていたからです。ここを建てる時も、クリニック専門ではなく一般家庭の家を造っている業者さんにお願いしたんですよ。また、開院当初から当院では患者さんをお呼びするときに名前ではなく番号でお呼びしています。患者さん同士で名前を知られたくないという方もいらっしゃると思うので、患者さんのプライバシーに関わる部分には細かな配慮をしています。クリニックのモチーフにもなっているオリーブは、花言葉が「平和」を意味しています。お悩みのある方、ご気分のすぐれない方の心が平和になるようにとの思いを込めています。

患者層はどんな方が多いですか? また、どんな訴えが多いのでしょうか?

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック2

うつを患っている方が多いです。それ以外にも「不安に感じている」という訴えも多いですね。不安の原因がはっきりしている方もいれば、漠然と不安に感じているという患者さんもいて、個人差がありますね。開業した当初は30~40代の女性が多いと感じていましたが、徐々に男性の会社員の方も増え、現在は、男女問わずご高齢の患者さんも多いですね。ご高齢の方は、年齢的なこともあり、将来への不安をお話しされる方が多いです。また、自分のことだけでなく、家族への心配や不安などが募り、ご自身では抱えきれなくなって来院されるという方もいらっしゃいます。

じっくりと話を聞くことが診療の基本

診察の流れを教えてください。

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック3

基本的には、お電話やインターネットで予約をしていただくと待ち時間が少ないかと思います。まず問診表を書いていただき、その後心理テストを受けていただきます。これは、不安とかうつの症状の程度を知るためのペーパーテストになります。それから、医師の診察になります。診察の一つとして精神療法も行っています。不安に駆られてどうしようもない時、どうしたら自分でその不安に対処できるのかを患者さんと一緒に考え、対処できるようにしていくことも精神療法の一つです。その後、医師が必要と感じたり、患者さんから希望があるときは、臨床心理士によるカウンセリングを受けていただくような流れとなっています。

先生が診察のときに心がけていらっしゃることは何でしょうか?

基本は、まず患者さんのお話をよく聞くことですね。それが始まりだと思います。診断して薬を出したら終わり、ということではなく、患者さんの内側の思いをお聞きすることが大切だと思うんですね。うつ症状と一口にいっても、その原因となる問題点は家族や周囲との人間関係や学校、会社での悩みなど、人それぞれです。なぜ不安を感じるようになったのかをよくお聞きし、問題点を整理して、その患者さんに適切なアドバイスをしていくことが私の診療の基本です。

カウンセリングはどのような時に受ければよいのでしょうか?

当院には専門のスタッフが、診察室とは別の部屋にいます。どうしても診察の時間は限られてしまうので、それだけでは難しい方は、別にカウンセリングの予約を取っていただき、定期的にじっくり時間をかけながらカウンセリングを受けていただくことになります。当院には毎日交代で4人のスタッフがいますが、カウンセリングはすべて担当制になっており、毎回同じスタッフがお話をお伺いするので安心してください。

患者の家族はどんなサポートをすればよいでしょうか?

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック4

うつ症状の患者さんがいるご家族から同じような質問をされることもあります。そんな時は、「特別なことは必要ないです」とお答えしています。近くで悩む患者さんの姿を見て、ご家族が焦る気持ちもわかりますが、うつ病の治療には時間がかかります。今日焦って何かをしなくてはいけないということはないんです。例えば、最初は起きれなかった方が治療をする中で少しずつ体調が良くなり、少し外に出られそうになったとしましょう。そんな時は「ご家族の方が散歩に付き添ってあげると良いですね」とアドバイスをします。その時の状況を見ながら、その患者さんに合った方法で一緒にサポートしていけるようにお話ししています。

安心感を与える、常に変わらない治療をめざす

うつ病は食事とも関連があるのでしょうか?

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック5

今はまだあまりうつ病と食事の関係はいわれていないかもしれませんが、うつ病の治療には食事全体のバランスも大事だと思っています。栄養素としてのバランスや、食習慣もバランスの一つと考えられます。食習慣を正し、栄養のバランスを考えて食べることは、体の基本となるものですから、そういったことができているかを診察の中で確認しています。精神科といっても、やはり体が基本です。体が健康でなければ心も健康になるのは難しいと思います。生活改善をしていく中で、食事を見直していくことも大事な治療の一つだと考えています。なので、「食事はバランス良く取る」「タンパク質をしっかり摂取する」などの指導を少しずつ取り入れるようにしています。

今後の展望について教えてください。

展望といっても、特別なものがあるわけではありません。精神科の治療というのは時間がかかるので、一度診察を受けて終わりというわけにはいきません。ですから、症状が改善するまでしっかり通い続けてもらえるように、環境や雰囲気づくりをしていきたいと思います。そして、先ほどもお話ししたように、患者さんのお話をしっかりお聞きするというモットーを守り、継続して治療をしていきたいと思います。患者さんにとっては、「変わらない治療」を受けられることが大切だと思います。治療に来る度に対応が違えば、患者さんに不信感を与えかねません。新しいことをどんどん取り入れるのではなく、今まで行ってきたことをしっかり続けていくことで、患者さんに安心感をもってもらえるような治療をしていきたいです。

クリニックへの来院を迷っている人にメッセージをお願いします。

大角呼正院長 あさひ・こころのクリニック6

気持ちの面でバランスを崩すと、誰にも話せず抱え込んでしまう方も多いです。そういう時は話をしに来るだけでもいいので、気軽に来院してください。どういう状況になったら来院するべきかという時期を、患者さん自身が自分で判断するのはとても難しいです。ですから、具合が悪いなと思ったら、早めにクリニックの扉をたたいてほしいと思います。来ていただければ、お話を聞き「今の状態をどうしたらいいか」をアドバイスしていきますので、まずは私に話をするところから始めてみてください。家族で一緒に来ていただける場合は、ご家族を交えてお話しすることもありますが、必ず一緒に来てくださいということではありません。抱えている悩みは一人で話したいという方もいらっしゃるので、お一人でも安心して来院してください。

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