園田 俊一郎 理事長の独自取材記事
鹿児島セントラル歯科
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2022/04/25

JR鹿児島中央駅東口の前、スーパーマーケットが入るショッピングモール6階に、2009年から診療を続ける「鹿児島セントラル歯科」がある。理事長の園田俊一郎先生は、高齢者施設への訪問診療で得た貴重な経験から、予防の大切さを中心に据えたクリニックづくりに力を注いでいる。ショッピングモールの客層にマッチした親しみやすい内外装、働く人にも便利な土日診療など、現役世代のニーズに応える診療体制も魅力的だ。そして、何よりも印象的なのは、院内の雰囲気の良さ。子どもも大人も「テンションが上がる」「わくわくする」という同院について、園田理事長に話を聞くことができた。
(取材日2022年2月28日)
初診から治療終了まで3回のカウンセリングを実施
子ども向けのかわいい入り口が並んでいてとても目を引きますね。

歯医者さんは怖くない、行くのが楽しみになるようにという工夫の一つです。キッズルームも充実させて、保育士も在籍しています。反対側には予防歯科の患者さん専用の入り口もあります。エントランスを分けていますが、当院は予防に力を入れている一般的な歯科医院で、CAD/CAMシステムを用いた治療、矯正、インプラント治療、小児歯科、虫歯や歯周病治療、メンテナンスなど、幅広い診療に対応しています。スタッフそれぞれが得意な分野や専門性を生かして活躍できるようにと考えたら、こんな形になりました。現在は歯科医師、歯科衛生士、受付、歯科助手、保育士、トリートメントコーディネーター、事務員など50人以上が頑張ってくれています。
スタッフ50人以上とは大所帯ですね。
人数が少ないと、全員がオールラウンダーにならなければ対応しにくくなりますし、余裕がなくなりますから。ほかに訪問診療も行っているので、それぞれに専門チームがあるんですよ。成人、小児、訪問診療などすべての部門において、予防に力を入れてやっていきましょうということですね。さらにもう一つ、予防に加えて患者さんとのコミュニケーションにも力を入れています。カウンセリングでは、初診・検査後・治療後の3段階に分けてしっかりと実施しているのですが、その専任スタッフがトリートメントコーディネーターなんです。例えば、昔であれば、患者さんに相談せずに、金属のかぶせ物を入れてしまうようなこともあったと思いますが、当院ではそのようなことはありません。自由診療で質の良いものがあれば、きちんとカウンセリング時に提案して、患者さんご自身に選んでいただきます。
訪問診療でも予防に力を入れているのですか?

介助や介護が必要なほど高齢な方の歯科医療は、手を尽くして治療をしても、大きく改善するのはなかなか難しいものです。そうなる前に、健康を維持して生活機能が落ちないようにしていくことはできます。適切なケアによって口腔機能が衰えないようにする、しゃべったり食べたり、楽しみを失わずに健康寿命を維持するために、歯科医療でできることはいっぱいあるんですね。若い人だって「毎日、体調、絶好調!」みたいな時期って、そんなにないじゃないですか。高齢の方に対しては、早い段階で歯科医療が介入することで、大きく体調を崩すことなく穏やかに過ごしていただければと思っています。対応エリアは当院から半径16kmで、主に老人保健施設に定期的に訪問しています。
恩師の言葉に励まされ、迷いを吹っ切り移転開業
クリニックの理念でも「寝たきりのない社会の実現」をうたっていますね。

病院の中の歯科診療部門で働いていた若い頃、訪問診療で療養型の高齢者施設に通っていました。「毎日ご飯を食べられて、孫としゃべっているだけで十分だよ」と皆さんおっしゃるのですが、実際に食事の場面に立ち会ってみると、食事の質が明らかに下がっているんです。飲み込みやすくするためにおかゆもおかずも細かく刻まれたり、ミキサーにかけてドロドロになっていたり、噛む必要のないものになっていました。初めて見た時は衝撃でしたし、これで食欲が湧くのだろうかと疑問に思いました。その後、今のクリニックへの移転を相談した恩師から、「何かお前に使命があるんじゃないのか」と言われたんですね。自分に何ができるのだろうと考えるうちに、訪問診療の経験と予防の大切さが一つにつながり、当院の理念となりました。
こちらの開業までの経緯を教えてください。
最初は、親族がしている医療施設の中に歯科部として始めました。そこでしばらく働いているうちに、自分ひとりの力でどこまでできるのか挑戦してみたくなり、今度は鹿児島中央駅近くで、いわゆる「居抜き」の歯科医院物件があるのでどうでしょう、というお話をいただいたんですね。クリニックの方向性に迷っていた時期でもあり、恩師の先生に背中を押してもらって移転を決断しました。それが2009年のことです。移転してからは、デジタル化を進めたり、新しい機材を積極的に入れたり、ホームページを明るく親しみやすくしたりと、描いていたクリニックのイメージを一つずつクリアにしていき、今のような形になりました。
歯科医師の仕事を選んだのはどうしてですか。

両親や親類に医療関係者が多く、僕も望まれて医学部受験をしていましたが、何度も落ちていたんです。そんな時、親類一族から「ゴッドマザー」のように敬われている祖母から「歯学部も一度、受けてみたら?」と言われ、受けてみたら合格したというのがきっかけでした。実のところ、あまり気乗りがしなかったのですが、祖母からは「合わなかったら辞めてもいいんだから、行ってみなさい」と優しく言われてしまい、断れなくて(笑)。自分の性格を考えて振り返ってみれば、医師ではなく歯科医師で良かったと思っています。医師なら自分のクリニックを開業する頃には、勤務医を引退して年齢が高くなっていることが多いんですよね。歯科医師の場合はもう少し若い頃から開業して、自分の裁量と責任でやっていけますから。
気分の上がる場所として、歯科医院を利用してほしい
診療の際に心がけていることを教えてください。

まずはあいさつですね。例えば、通勤途中で毎朝出会う知らない人でも、「おはようございます」と言われたら、悪い気はしないですよね。あいさつは、かんたんだけど身についていないと反射的にできないことですし、その後に「前回どうでしたか?大丈夫でしたか?」って聞かれたら、安心するじゃないですか。患者さんとのコミュニケーションには、効果絶大なんですよね。日頃からスタッフには、「院内ではみんなは舞台に立っているのと同じだから、患者さんとしては声をかけてもらえるのがすごくうれしいんだってことを忘れないで」と伝えています。もう一つ心がけているのは掃除です。自分が歯科医院に通う立場だったら、やっぱり清潔にしておいてほしいですから。これは僕だけの心がけではなくて、スタッフみんなにも取り組んでもらっています。
休日はどんなふうに過ごされていますか。
以前はゴルフやテニスに行くことも多かったのですが、ここ数年はほとんど行けていないんですよ。そこまでの時間はなかなか取れないです。最近は散歩とラーメン店めぐりが趣味のようなもので、少し長めの散歩をして、ラーメンを食べて帰って来るというコースですね。2時間くらい歩くのは普通なので、吉野方面くらいまで歩くこともあります。健康のためとラーメンをおいしく食べるために、遠めの目標を設定して歩きます。一度、高台の住宅団地にある有名店をめざしたことがあったのですが、たどり着いてみたら臨時休業だったことがあり、ガックリして帰ってきたことがありました。その時はメンタルが折れてしまったし、おなかもすいてヘトヘトだったので、タクシーで帰ってきました。
読者へメッセージをお願いします。

スケーリングで歯が清潔になるのは気持ちが良いものですし、歯並びがきれいになると自信がつきます。銀歯から白い歯になったらテンションが上がるでしょうし、歯医者さんって気分が上がることの多い場所なんですよね。最近は、矯正を希望される方も増えていて、実際に問い合わせも多くなっています。本当はみんな歯のことを気にしているけれど、気軽に通う習慣がないだけなのかなと思います。歯科医院は思いのほか気分が上がる場所なので、痛いところがなくても、気軽に立ち寄っていただきたいですね。そして「来てみて良かった!」とSNSなどで発信してもらえるような、親しみやすい歯科医院になっていければと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/1本3万9600円~、矯正/21万6000円~、インプラント治療(1歯)/38万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。