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放置すると喘息などにつながることも
長引く咳は早めの受診を

じゅん内科クリニック

(宝塚市/逆瀬川駅)

最終更新日:2025/02/12

じゅん内科クリニック 放置すると喘息などにつながることも 長引く咳は早めの受診を じゅん内科クリニック 放置すると喘息などにつながることも 長引く咳は早めの受診を
  • 保険診療

風邪の引き始めに出たり、風邪症状が落ち着いた後に残りやすかったりする「咳」。なかなかスッキリしないけれど、このくらいならと放置してしまっている人もいるのではないだろうか。だが、放置することで慢性化して治りにくくなったり、喘息などの病気につながったりすることもあるという。「肺がんなどの重い病気がまれに潜んでいることもあるので、なかなか治らない時は早めに受診をしてほしい」と促すのは、「じゅん内科クリニック」の加藤順子院長。同院では、問診や一酸化窒素濃度測定(呼気NO検査)などで咳の原因を追求し、患者一人ひとりに応じた咳治療や生活上のアドバイスをしている。今回は加藤院長に、長引く咳の原因や検査・治療について詳しく話を聞いた。

(取材日2025年1月21日)

咳を放置すると、喘息の発症や、ほかの病気と合併して治りにくくなることも。気づいたら早めの治療が重要

Q咳が長引く場合、どのような病気の可能性がありますか?
A
じゅん内科クリニック 多種多様な疾患の可能性がある「咳」。診察時は丁寧な問診を行う

▲多種多様な疾患の可能性がある「咳」。診察時は丁寧な問診を行う

ウイルスや細菌感染によって気管支や鼻などに炎症を起こしている可能性があります。例えばマイコプラズマや百日咳菌インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルスなど、実に多種多様です。ほかにも副鼻腔炎や後鼻漏などアレルギー等によって引き起こされる上気道の炎症、喫煙による慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、そのほか逆流性食道炎など呼吸器の病気に関わらずさまざまな要因が考えられます。中でも注意が必要なのが、結核や肺がんです。長引く咳には重大な病気が隠れていることもありますので、咳が引かない時には早めに専門とするクリニックへ受診することが大切です。

Q咳を放置することによるリスクはありますか?
A
じゅん内科クリニック 早期発見、早期治療のためにも違和感を感じた際は早めの受診を

▲早期発見、早期治療のためにも違和感を感じた際は早めの受診を

結核や肺がんなど命に関わる病気が隠れていることもあり、症状がなかなか治まらないと感じたときには、早い時期に検査することが重要です。また風邪をきっかけで咳をこじらせたという場合も、放置することで咳喘息やそこからさらに気管支喘息に移行してしまう時もあります。喘息についてはアレルギーの影響や季節の移り変わりで良くなったり悪くなったりを繰り返します。良くなるので大丈夫と思っていても 重症例ではそれを繰り返すことで肺機能そのものが低下して戻らなくなることもあります。少しずつ肺機能が下がるため気がついていない方もいます。まずは検査をして、そもそもの原因をしっかりと特定することが重要です。

Q長引く咳に対し、どのような検査を実施されていますか?
A
じゅん内科クリニック 検査機器も充実。より精密な診察の実施に役立てている

▲検査機器も充実。より精密な診察の実施に役立てている

最初に結核や肺がんなどの大きな病気が隠れていないか、胸部エックス線検査を行います。次に気管支喘息の症状が見られる場合には、気道の炎症を調べる呼気一酸化窒素濃度測定(呼気NO検査)、肺活量測定(スパイロメトリー)などを行います。これら検査は当日中に結果がその場でわかります。また炎症性疾患が疑われる場合には、血液検査、喀痰検査を行うこともあります。咳の原因を探るために丁寧な問診を重視しています。どのような咳が、いつから続いているのか、詳しく聞きとり診断していきます。胸部聴診ももちろんしますが、ゼーゼー、コンコン、ゼロゼロなど、咳の音が診断に役立つこともあるので、患者さんの咳の音にも耳を傾けます。

Q喘息は症状が治まっても吸入薬を続けるそうですが、なぜですか?
A
じゅん内科クリニック 再発防止のためにも、治療終了までしっかりと通院することが重要

▲再発防止のためにも、治療終了までしっかりと通院することが重要

大抵の場合、吸入薬などのお薬を1~2週間続けることで症状の緩和が期待できます。しかし、咳や痰、息苦しさなどの症状がなくなったとしても気管支の炎症はまだ残っています。この時に吸入薬をやめてしまうと、ちょっとした外部からの刺激で再び炎症が起こってしまいます。再発を繰り返すと、気道の壁が厚く硬くなり、気道が狭くなっていきます。この現象をリモデリングといい、炎症を繰り返した結果硬くなってしまった気道は元には戻りづらいという性質があります。喘息の診断が出たら、正常な状態に戻るまで治療することが重要です。当院の場合は症状が落ち着いても3ヵ月は継続して吸入薬を使い続けていただくようお願いしています。

Q治療中、患者さんが心がけることはありますか?
A
じゅん内科クリニック 気になることがあれば何でも相談してほしいと笑顔で話す加藤院長

▲気になることがあれば何でも相談してほしいと笑顔で話す加藤院長

通院しお薬を続けることは大切です。また咳が出る原因は、環境的な要因がきっかけとなっていることも多いです。乾燥や寒暖差が原因の場合には、加湿したり、外出時にはマスクをして冷たい空気を吸わないようにしたり。花粉やハウスダストなどのアレルギーの咳が続いているなら、こまめに掃除するなど、ご自身の咳の原因を遠ざけるように心がけましょう。また逆流性食道炎やアレルギー疾患など喘息が合併している時には、両方の治療を同時に行っていく必要があります。当院では呼吸以外の内科疾患やアレルギー疾患も治療しています。長引く咳にはさまざまな要因が潜んでいるので、気になる症状はなんでも相談してください。

ドクターからのメッセージ

加藤 順子院長

咳は内科疾患の中でも身近な病気であるため、患者さんは「このくらいなら大丈夫」と我慢しがちです。しかし、咳が長く続くと呼吸がしづらく、息苦しいため、集中力や注意力が低下し、日常生活の質(QOL)まで下がってしまいます。咳の治療で重要なのは、「こじらせているな」と感じたら、できるだけ早く呼吸器を専門とするクリニックを受診し、原因に沿った治療につなげること。ちょっと面倒に思うかもしれませんが、近年はさまざまな治療薬が開発されています。苦しい状態を長引かせないためにも「たかが咳」と放置せず、早めに医療機関を受診して治療を行うように心がけてください。

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