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三枝 道尚 院長の独自取材記事

いるかクリニック

(広島市安佐南区/毘沙門台駅)

最終更新日:2022/08/25

三枝道尚院長 いるかクリニック main

毘沙門台駅から徒歩10分の立地にある「いるかクリニック」。2016年8月に同クリニックを継承した院長の三枝道尚先生は、広島市立広島市民病院などの病院で泌尿器科がんを専門に研鑽してきた。同クリニックでの診療は、悩んでいる患者が多いという頻尿の治療から、三枝先生の経験を生かした前立腺がんなどの悪性腫瘍の検査、治療のアドバイスまでと幅広く対応している。また、患者が苦しんでいる原因が泌尿器科の領域外でも気づけるよう、日々の勉強は欠かせないという。患者と信頼関係を築くことを第一に、ゲートキーパーのように適切な診療をしていきたいと語る三枝先生に、気になる症状のことや医師としての思いなどを聞いた。

(取材日2022年6月9日)

しっかりとした診断で、信頼関係を築く

医療法人恵風会からこちらのクリニックを継承されたと伺いました。

三枝道尚院長 いるかクリニック1

福山市民病院で勤務していた2014年くらいから、毎月1回土曜日に、このクリニックの診療のお手伝いをさせて頂いておりました。当初はまったく開業をするつもりはなかったのですが、単身赴任で家族と離れて生活しており、だんだんと広島に戻りたい気持ちが強くなっていき、開業を決意しました。実は他の場所での開業を考えていたのですが、当時の恵風会理事長である谷川雅洋先生から、このクリニック継承のお話をいただいたんです。普通では考えられない程ありがたいお話です。月に1度のお手伝いでなじみもありましたので、ありがたくお受けしました。今でも感謝しています。

先生はずっと泌尿器科のがん治療を専門にされてきたんですよね。

そうですね。悪性腫瘍を可能な限り手術で取り除きたい、薬物で消してしまいたい、と思いやってきました。当クリニックでは手術はできませんが、手術が必要な患者さんには専門の病院を紹介しています。当クリニックはもともと恵風会が運営されていたので、お隣の恵風会の谷川脳外科と引き続き連携をし、CTとMRIをスムーズに使用させていただいています。造影剤を使用しないCTであれば、当日に撮影していただけます。MRIは事前予約になりますが、がんの疑いが非常に強いなど緊急の場合は、通常の予約枠より早めに検査していただけます。通常は数日お待ちいただくことになると思うのですが、患者さんにとってその数日間は精神的にかなり負担になるはずです。それを少しでも軽減できる今の環境は、とても素晴らしいと思っています。本当に感謝しております。

診察の際など、気をつけていらっしゃることを教えてください。

三枝道尚院長 いるかクリニック2

当クリニックを継承してさらに強く感じるようになったのが、広く知識を持つことの大切さです。患者さんを診察し、原因を探り、診断して治療する。場合によっては専門の病院を紹介する、あるいは他の診療科に紹介する。そのためにはきちんとした診断ができないといけません。それを支えるのは専門領域だけではない広い医学知識です。きちんとした診断ができて初めて、患者さんとの信頼関係を築くことができます。信頼ができなければ安心できません。信頼によって安心できれば、病気はつらいですが少しは笑顔になれると思っています。話しやすい雰囲気をつくり、丁寧に診察をして信頼関係を築けるよう心がけています。家族やお知り合いの方を紹介してくださる患者さんもいらっしゃいます。ただ、たくさんの患者さんが来られることもあり、その場合お待ちいただく時間が長くなってしまい、たいへん心苦しく思っているところです。

安心のためにも、まずは診察を

どのような症状で来院される方が多いですか。

三枝道尚院長 いるかクリニック3

多いのは頻尿です。これは男性でも女性でも多いです。女性だと膀胱炎の方も増えました。多くは細菌感染で、抗菌剤の処方で済む場合が多いです。そして女性の場合によくあるのが、「膀胱過敏」です。精神的なストレスから発症する方が多いですね。例えばご家族の方が入院されると、かなりのストレスになります。頻尿や下腹部不快といった症状で、油断すると膀胱炎という間違った診断になります。ですので、しっかりと診察をして確実に悪性疾患はないと診断し、大丈夫ですよと強調してお伝えするようにしています。また頻尿の中には婦人科疾患が原因となっている場合もあり、その疑いがあれば専門の婦人科を紹介します。頻尿は重大な状況がない場合が多いのですが、まれに膀胱がんなどの悪性疾患が隠れていることもありますから、恥ずかしがらずに一度受診されたほうがいいと思います。検査の結果何もなければ、それで安心して症状が軽くなるかもしれません。

男性の場合はどうですか。

男性の場合、特にある程度以上の年齢では前立腺肥大症を考えなければなりません。前立腺肥大症といえば尿が出なくなることばかり考えますが、尿が出にくく膀胱に多くの尿が残ると、新たに尿がたまる部分が減って頻尿になります。さらにこのような状況では、細菌が増えて膀胱炎による頻尿が加わることもあります。また男性の頻尿には、膀胱がんが隠れている場合があります。通常の膀胱がんは超音波やCTでは隆起して見えるのですが、画像では見えない上皮内がんというものがあります。膀胱刺激症状という頻尿や排尿時の痛みという症状がある方に、まれにこの上皮内がんの方がいらっしゃいます。上皮内がんは、尿の中にがん細胞が出るため、多くの場合尿細胞診で確認が可能です。そのため当クリニックでは、疑わしい患者さんには必ず尿細胞診を行います。細胞診に異常があれば、膀胱鏡という検査で膀胱の中を観察して診断をつけます。

他に何か気をつけたほうがいい症状などはありますか。

三枝道尚院長 いるかクリニック4

肉眼で見える血尿があればすぐに診察をする必要がありますね。絶対に放置してはいけません。特に、痛みのない血尿は悪性腫瘍の可能性が高いのです。まず膀胱がん、腎盂・尿管がん、腎細胞がん、男性であれば前立腺がん、の有無をチェックする必要があります。私は、自分が専門としている泌尿器科の悪性腫瘍を見逃すのは恥ずかしいことだと思っていますので、かなり神経質に診察します。受診していただいた患者さんの悪性腫瘍は、絶対に見逃さないという気持ちで診察をしています。

男性は前立腺がんの方も多いですか。

年々増加傾向にあり、男性のがんでは最も多くなりました。PSAという血液検査でわかることが多く、異常値であれば精密検査をします。前立腺がんは高齢の方に多いので、ある程度の年齢になれば調べたほうがいいと思います。当クリニックでは、血液検査で異常値の患者さんにはMRI検査をし、さらに疑いが強まれば前立腺生検をします。ただ前立腺がんに関しては、年齢や体の状態によっては治療をしないという判断もあるため、すべての方に前立腺生検をする必要はないと思っています。前立腺がんの治療には手術、放射線療法の他に内分泌療法、そして血液検査で経過観察のみ行うPSA監視療法があります。がんのタイプ、年齢、体の状態、希望を総合して、患者さんごとに治療法を決めるべきで、ここには十分に時間をかけます。患者さん一人ひとりに合わせたやり方を探すべきと考えています。

適切な対応ができるゲートキーパーのような存在に

感染症対策のために機械を導入されたそうですね。

三枝道尚院長 いるかクリニック5

目や皮膚に対する障害性がなく、殺菌やウイルスの不活化ができる紫外線装置を導入しました。当クリニックでは、待合室に3台、診察室、処置室、廊下、検査室にそれぞれ1台の計7台設置しています。安心して患者さんに受診していただけるよう、感染症対策には力を入れています。

今後の目標などをお聞かせいただけますか。

泌尿器科の領域外の病気でも見つけてあげられるような、ゲートキーパーの役割を果たせるようになりたいと思っています。そのためには患者さんが抱えているつらい症状に寄り添えるよう、さらに広く知識をつけないといけないと思っています。知識がなければ、おかしいところに気づくことすらできませんから。不安な気持ちでクリニックにいらっしゃった患者さんに、しっかりとした正しい診断をして差し上げたいです。

専門以外の病気にも気づいていただけるのは、とても心強いですね。

三枝道尚院長 いるかクリニック6

泌尿器科の症状だけを診られればいいということではなく、プラスして診察できるようにしたいと思っています。患者さんが苦しまれている原因を探し、専門の病院を紹介できるゲートキーパーでいられるよう、今後もさらに研鑽を積んでいくつもりです。何かおかしいと感じたら、まずはお気軽に来ていただきたいと思います。これからも患者さんに寄り添いながらしっかりと診察をし、適切な治療につなげられるように尽力してまいります。

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