楯谷 大作 理事長の独自取材記事
たてや歯科クリニック
(明石市/西明石駅)
最終更新日:2026/01/15
明石市の閑静な住宅街にある、オレンジ色の看板が目印の「たてや歯科クリニック」。地元出身の楯谷大作院長が2009年に開業し、古くからこの地に住む高齢者をはじめ、近年増えている若い夫婦や子どもにも親しまれている地元密着型の歯科医院だ。「本当に必要な治療だけを行い、常に患者さんの全身の健康を意識して診療しています」と語り、威圧感のない優しい物腰と、わかりやすい説明からも、患者思いの人柄が伝わってくる。入れ歯作りに自信を持つ他、訪問歯科診療や歯周病ケアにも力を入れているという楯谷院長に、同院の特徴や診療方針について話を聞いた。
(取材日2025年11月12日)
患者の利益優先。最小限の治療で最大限の効果をめざす
歯科医師を志した理由と開業の経緯を教えていただけますか?

代々医師の家系で育ち、自然に医療の道を志すようになりました。親戚には歯科医師も何人かいて、幼い頃から私の歯を診てくれていた叔父は、「優しくて腕が良い」と患者さんたちからたいへん慕われていました。叔父のような歯科医師になりたいと思ったことが、私の原点です。愛知学院大学を卒業し、同大学病院や開業医のもとで8年間研鑽を積んだ後、生まれ育った地である明石に戻って開業しました。いずれ地元に戻り地域医療に貢献したいという想いがあったこと、また、内科医だった父が診療を行っていたこの建物が、父のクリニック移転後もそのまま残っていたことが、ここでの開業を決めた理由です。
クリニックづくりでこだわった点はどんなことですか?
歯科医院は怖いというイメージを和らげるため、看板や内装にオレンジ色を取り入れて温かみのある雰囲気づくりを心がけました。また、カウンターや扉をダークブラウンで統一し、落ち着きがありながらもハードルが高くなりすぎない「適度な高級感」を意識しました。この地域は、近年こそ分譲住宅が建ち若いご夫婦やお子さんが増えてきていますが、昔から長く住み続けている人も多く、高齢者の割合も増加しています。そのため、車いすでも来院しやすいよう、クリニック内は段差のないバリアフリー設計にしました。
診療でモットーにしていることを教えてください。

患者さんにとってのメリットを第一に考え、最小限の治療で最大限の効果を上げることをモットーにしています。歯は削りすぎると強度を失い、年々劣化していきます。過剰な診療は、将来的に患者さんの歯の健康を損なうことになりかねないのです。ですから、当院では進行した虫歯はしっかり治療しますが、初期の変色程度であればケア方法をアドバイスしながら経過を観察することもあります。治療が必要な場合も、削るのは最小限にとどめ、丁寧かつ正確な診療で効果を上げることに努めています。それが結果的には患者さんの歯の健康を保ち、費用や通院回数の負担を軽減することにもつながるからです。開業当初からこの姿勢を貫き、患者さんとの信頼関係を築いてきました。おかげさまでクチコミでの来院も増え、最初2台だったユニットは6台に。地域の皆さまが安心して通える歯科医院として、親しんでいただけていることをうれしく思っています。
しっかり噛める入れ歯作り。訪問歯科診療にも対応
先生は補綴が得意とお聞きしました。

大学病院では補綴学の講座に在籍していました。補綴とは、歯が欠けたり失われたりしたところを人工物で補う歯科治療のことで、クラウン、ブリッジ、入れ歯などが代表的です。歯科治療の本来の目的は、「しっかり噛む」という機能を回復させることにあります。その意味で、補綴は歯科の王道ともいえる分野です。噛むことは、全身の健康に直結します。噛む刺激は脳の血流を良くして、認知症の予防につながるといわれています。また、肉や魚をしっかり噛んで食べられれば、高齢者が陥りがちなタンパク質不足を防ぐことができ、栄養バランスも保ちやすくなります。私は患者さんの歯だけでなく全身の健康を支えたいという想いから、補綴に力を入れて取り組み、経験を積んできました。
補綴で大事なことは何ですか?
やはり、その患者さんのお口にぴったりフィットし、しっかり噛める補綴物を作ることです。特に入れ歯作りでは、使える歯がどれだけあるのか、残っている歯とのバランスなど、最初の設計がとても重要です。さらに、正確な型採りと適切な噛み合わせの調整も欠かせません。当院では、豊富な経験と技術をもとにこれらの工程を丁寧に行い、その上で技術力の高い歯科技工所に入れ歯の製作を依頼しています。余談ですが、私はバイクが趣味で、カスタマイズのために自分で部品を設計して製作することもあります。こうした物作りが好きな性分も、精密な補綴物へのこだわりにつながっているのかもしれません。「利用者さんがしっかり食べられるようになってほしい」と、地域のケアマネジャーの方々から高齢の患者さんのご紹介を受けることもありますね。
高齢者が多い地域ということで訪問歯科診療も行っているそうですね。

はい。国民の5人に1人が後期高齢者となる2025年問題を見据え、2020年頃から本格的に取り組んでいます。対応地域はクリニックから半径16km以内で、歯に困り事があるのに通院が難しい方が対象です。訪問診療では完璧な治療よりも、まずはちゃんと噛める状態をめざします。噛めないと栄養バランスが乱れ、健康状態が悪化することになりかねないからです。次に大切なのは口腔ケア。誤嚥性肺炎は就寝中に唾液などが気管に入って起こることが多く、口腔内の雑菌を減らすことが予防になります。また、舌圧機能が低下すると飲み込む力が弱くなるため、そのような方には口周りの筋肉を鍛える簡単なトレーニングを指導しています。私自身は愛知にいた時から訪問診療に携わり、現在は明石市歯科医師会の訪問介護委員会の活動もしています。当院には訪問診療経験の長い歯科医師も在籍しており、訪問介護の知識・経験を生かした診療を提供しています。
財産である歯を守り、全身の健康をサポート
その他にも力を入れている診療はありますか?

歯周病の治療とメンテナンスです。歯周病は全身の健康に影響を及ぼすことが、多くのデータから明らかになっています。だからこそケアが大切と考え、当院では高齢者に限らず、歯周病予備軍が増え始める30代くらいからメンテナンスをお勧めしています。歯石のつき方は普段のブラッシング方法や体質によって個人差がありますが、定期的にメンテナンスに通っている方は、歯周病を予防できているケースが明らかに多いと感じます。一方、痛みなどの症状が出てから受診される方は、歯周病が進行していることが少なくありません。歯周病が悪化している場合は、治療が必要となります。当院では極力抜歯はせず、温存をめざした治療と継続的なメンテナンスによる管理に力を入れています。
先生は一貫して患者さんの健康につながる診療に注力していらっしゃるのですね。
そうですね。患者さんが訴える歯の痛みの中には、実は歯そのもの以外に原因が潜んでいることもあります。例えば、副鼻腔炎や顎の筋膜の炎症、三叉神経痛、帯状疱疹などによる痛みを「歯の痛み」と感じて来院される方もいます。ですから、私はむやみに歯を削ったり神経を抜いたりするのではなく、患者さんの全身の健康状態を考慮した上で確実な診断を行うことも常に意識しています。また、早期の歯肉がんなども見逃さないよう注意を払っています。必要に応じて適切な医療機関に紹介し、しっかりと治療を受けていただきたいですからね。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

歯は財産です。悪くなったら治療すればいいと考える人もいるかもしれませんが、削ったり神経を抜いたりすれば、確実に強度は失われます。当クリニックでは審美歯科も行っていますが、審美目的で歯を大きく削りたいとご希望された場合はお断りさせていただくこともあります。まずは財産である自分の歯を守る意識を持ってください。予防に勝る治療はありません。そして、丈夫な歯でしっかり噛むことは、全身の健康につながります。私たちは持てる知識を最大限に活用し、皆さまの歯と体の健康をサポートいたします。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/75万円~、オールセラミックインレー/4万1800円、オールセラミッククラウン/7万1500円、ハイブリッドセラミッククラウン/4万9500円、ハイブリッドインレー/3万3000円

