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御簾 裕生 副院長の独自取材記事

御簾歯科医院

(桜井市/桜井駅)

最終更新日:2025/04/24

御簾裕生副院長 御簾歯科医院 main

桜井駅を降り立つと、日本最古の神社とされる大神神社の御神体である三輪山が目に入る。地域の守り神・三輪山が見下ろす道を行くこと徒歩6分の場所に「御簾歯科医院」はある。開業から40年という歴史ある歯科医院らしく堂々とした風格の外観だが、内装はやわらかなパステル調で居心地の良い印象だ。院長を父に持つ御簾裕生副院長が、御簾歯科医院に戻ってきたのは2024年9月のこと。インプラント治療を得意とする御簾副院長は、院長のつくり上げた伝統を大切に継承しながら、より地域に貢献するため診療所のアップデートに挑戦しようとしているという。理想の歯科医療について、目を輝かせ真摯に語る副院長に思いを聞いた。

(取材日2024年12月13日)

地域医療を支えてきた診療所をアップデートする2代目

先生が歯科医師を志し、こちらの副院長になられた経緯についてお聞かせください。

御簾裕生副院長 御簾歯科医院1

この診療所は父が開業して40年になり、私も小さい頃から遊びに来て、父の働く姿を見たり、スタッフに面倒を見てもらったりしていました。私がおむつをしている頃を知っているスタッフや、患者さんが今もいます。そんなつながりから、地域に貢献したいと考えたのが歯科医師を志したきっかけです。大学卒業後も腕を磨きたくて、京都大学医学部附属病院で研鑽を積み、京都と神戸のクリニックに勤務しました。同業者との勉強会にも通い、自分の理想像までスキルアップができたのと、院長である父も高齢になっていつか来る引き際を考えると、2人で診療所を切り盛りする時期も必要だと考えて戻ってきました。

この辺りはどんな地域性で、どんな患者さんがいらっしゃいますか? 

都会に比べると先進のデンタル知識に対する関心はまだまだ高くありません。患者さんに口腔機能の重要性について啓発活動をしていきたいと思っていますが、説明すると多くの方が理解してくださいます。治療についての話をしっかりと聞いて、自由診療を希望される患者さんも少なくありません。奈良県はもともとは日本の都があった場所で、穏やかで住みやすい地域だと思います。しかし、高齢化が進んでいることも事実です。患者さんも、40年父について来てくださっている方も多いですね。そうした患者さんが年齢を重ねた時に、どんな方法で社会と向き合っていくのかを歯科医師として考える必要があるなと感じています。

院長が積み重ねてきた40年間の重みを、どのように継承されていきますか?

御簾裕生副院長 御簾歯科医院2

患者さんが父のファンなのです。寡黙な父ですが説明はしっかりとして、保険診療でできることは全部やろうという人です。今、長年院長が診てきた患者さんを診させてもらっていますが、私は矯正やインプラント治療も得意としているので自由診療を含めた提案をしています。これまで当院で提供できなかった医療も行えるようになりましたので、それを楽しみにしていただけるとうれしいです。父が長年診てきた患者さんに、私自身が磨いてきた技術を生かして治療を行えたなら、父の40年間ここで続けてきた努力も報われるのではないかと考えています。

患者の生涯と口腔全体を考えて治療プランを立てる

先生が得意としているのは、外科的な治療なのでしょうか?

御簾裕生副院長 御簾歯科医院3

インプラント治療や補綴、かぶせ物の治療などを得意としています。勤務していた神戸市の歯科医院では、たくさんのインプラント手術に携わってきたので、外科的な治療に自信を持っていますね。インプラント治療は、噛み合わせを考慮して適切な位置を決めることや、必要な骨を増やすための手術などの準備も大切ですが、患者さんの健康につながるかどうかが一番大切です。インプラントの手術をしたはいいが、腫れたり痛みが出て長持ちしないと本末転倒です。そもそもインプラント治療が適切かどうかについてまずは考えます。今ではなくて、隣の歯が使えなくなってからインプラント治療を行うほうがいい場合も考えられます。歯がなくなったから、そこにインプラント治療をしましょうという考え方ではなく、お口の中全体の状態を鑑みてプランを立てられるのが、私の強みなのかもしれません。

とにかく歯を治療すればいいという方法とは違う考え方ですね。

例えば歯のかぶせ物が取れた患者さんのお口の中全体を検査して、トラブルの原因は歯磨きの問題ではなく、奥歯にストレスがかかっていると考えられます。食いしばりで奥歯にヒビが入り、虫歯菌が入って虫歯ができる。治療する度にその箇所にヒビが入り詰め物もどんどん大きくなる。ついに歯を抜いてブリッジ治療を行えば、両隣の歯に負担がかかって噛み合わせがドミノ倒しのように崩壊していくケースも考えられます。だったら行うべきは、まずは力のコントロールです。要は一口腔単位という考え方で、しっかり噛めて、食いしばりの時に奥歯に負担がかからない噛み合わせになるようアプローチすることが重要でしょう。しかし費用も時間も何より患者さまの身体にご負担がかかるので、全員ができるわけではありません。妥協点をどこに据えるかもポイントになりますね。

患者さんの人生を考えて、ベターな選択ができるのが先生の強みですね。

御簾裕生副院長 御簾歯科医院4

インプラント治療は、矯正をして歯を適切な状態に導いてから行うほうが長持ちします。しかし場合によっては、噛み合わせの崩壊を何年か遅らせるためにインプラント治療を行うという考え方も悪くないと思います。矯正なしのインプラント治療でも10年間は高齢の方の歯列の保全を図れて快適に過ごしてもらえたなら、それはそれでいいと思うのです。だとしても、患者さんと意見をすり合わせながら、「あなたにとってこんな治療方法もあるし、こんなデメリットもありますが、今後のことを考えるとこんな方法がより良いでしょう」といった具合に伝えます。今までの治療を否定せず、患者さんとコミュニケーションを取りながら、どう折り合いをつけていくのかを相談していくことが私にも患者さんにも大切だと思います。

若い世代や子どもたち、次の世代の未来に貢献したい

新しい考えを導入していくのは、スタッフ育成に関しても簡単ではありませんよね。

御簾裕生副院長 御簾歯科医院5

スタッフには診療の空き時間をちょっともらったりしながら、今後の方針を丁寧に伝えていくしかないと思っています。これから携わっていきたい治療のことやその理由について、一つ一つしっかりと話しています。当院はこれまで院長がリクルートやマネジメントの部分でも頑張ってきたおかげで、素晴らしいスタッフが集まってくれていて助かっています。私も今まではプレイヤーとして働いてきましたが、来年もしくは再来年くらいには、マネジャーとしての考えについても踏襲しないといけない部分が出てくると思っています。

先生が描いている将来像はどのようなものでしょうか?

まずは今来てくださっている患者さんに対して、困り事をなくすことが目標です。それがある程度達成できたら、次は若い層へのアプローチです。高齢者も増えていますが、一方でこの桜井市には、宇陀市からのファミリー層の移住も多いのです。そうした若い人やお子さん向けのアプローチとして、自分のできる範囲で小児歯科や小児矯正の医療を提供することに夢や展望があります。お子さんに矯正を施して、噛み合わせにアプローチすることによって、その子が60歳、70歳になった時に困らないようにしたい。子どもたちの将来のために、できる限りのことをしていきたいですね。

オフ日は何をなさっていますか? 

御簾裕生副院長 御簾歯科医院6

私は診療所の空気が大好きなのですが、たまに自然の空気を吸いたくなってゴルフに行くことがありますね。体を動かすのも好きなんですよ。どうコースを攻めるのかを考えることは、治療計画の段取りを考えることにも似ていますね。高校時代の友人や同業の先生方と一緒に回るのも楽しいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

父の代ではしてきませんでしたが、私が帰ってきてからは希望される方にはインプラント治療を行っています。もちろん無理に勧めることはありません。義歯で困っていなければそのままでいいというのが私のスタンスです。しかし硬い物が噛めずに食が細くなって、どんどん痩せていくのは良くありません。虚弱になって日常生活に支障が出てくると、迷惑をかけたくないと外に出なくなり、社会的にも孤独になって、認知機能まで低下してしまいかねません。私の一番の目的は、患者さんに健康で歯医者さんに通ってもらいながら生活してもらうことです。皆さんが、虚弱な状態にならないように、歯科医師として私たちのできる範囲でできることを、なんでもしたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/30万円~、歯列矯正/20万円~

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