寺田 伸一 院長の独自取材記事
船橋ゆーかりクリニック
(船橋市/船橋駅)
最終更新日:2023/06/12

船橋駅北口を出てすぐ右手斜めを見上げるとビル屋上に愛らしいコアラとともに“形成外科、美容皮ふ科”の大きな看板が目に入る。このビルの4階にあるのが、「医療法人社団茉悠乃会 船橋ゆーかりクリニック」だ。寺田伸一院長は「院名はユーカリの花言葉に、再生する、新生するという意味があり、そこから名づけました」と話す。ニキビやしみなどの肌トラブルは、皮膚表面だけでなく体の中の状態に目を向けることも重要と考え、栄養面のアドバイスも取り入れながら診療にあたっているという。そんな寺田院長にクリニックの特徴や診療内容について話を聞いた
(取材日2020年1月9日)
治療だけでは不十分と考え患者の栄養面にも目を向ける
開業して10年になりますが、何か変化はありますか。現在の医療体制についても教えてください。

開業当初と比べると最近では美容皮膚科の患者さんが増えてきています。中でもしみやしわにお悩みの方が多いですね。船橋界隈の方々をはじめとして、千葉や市川、浦安などからもいらしていただいています。なかなか治らないと悩んでいる方が、ホームページを見て東京や横浜など遠方から来られるケースもあります。現在、私の他に女性の医師が4人在籍して診療しています。診療は基本的に予約の患者さんを優先していますので、ゆっくり相談がしたい場合は予約の段階でその旨お伝えいただければと思います。美容皮膚科の処置は基本的にすべて予約制です。もちろん皮膚科などの保険診療は予約なしで受診いただけますが、待ち時間が少し長くなるかもしれません。スタッフは、チームワークがよく、みんな自主的に考えて動いてくれています。ブログを書いたりSNSで情報発信したり、待合室の壁の装飾やいろいろな掲示物もスタッフが手作りしています。
クリニック名の由来について教えてください。
ユーカリの花言葉に「再生する」「新生する」という意味があるところから名づけました。ユーカリは、砂漠の乾いた土地でも根を深く張り成長する植物です。地域の方々の健康増進、病からの再生を願って命名しました。2016年に法人化しましたが、法人名は娘二人の漢字一字ずつをとっています。「茉悠(まゆ)」は、カイコが作る白くきれいな繭をイメージしています。カイコが出す繭糸の主用成分であるフィブロインは皮膚再生医療の材料としての研究も進められているので、形成外科や美容外科とも関連があり、再生するという意味にもつながると思ったのです。
こちらのクリニックの特徴はどのようなところですか?

診療の時に患者さんの話をよく聞くことです。途中で遮ることなく、患者さんが言いたいことは全部お話ししてもらうようにしています。また、患者さんの栄養面に着目しているところも特徴といえるでしょう。皮膚トラブルがなかなか治らないという患者さんには、血液検査を活用して栄養状態の目安の確認をしています。皮膚のトラブルは、皮膚の表面的な治療だけではなく、根本的な改善が重要です。一般的な皮膚科の治療ではどうしてもステロイドに頼ることが多く、そこから抜け出せないことも多いのです。しかしなぜそこから抜け出せないのかを考えることが必要です。根本的に治すためにはどうすればよいか、その答えを見つけ出すためには栄養面の知識も必要と考え、勉強してきました。
形成外科の診療にも幅広く対応
ご専門の形成外科の中で得意とされている治療を教えてください。

ほくろのレーザーによるケアや眼瞼下垂手術などを行っていますが、中でも縫合は得意です。真皮縫合は通常、角針と呼ばれる尖った針を使用することが多いですが、当院では丸針で真皮の損傷を少なくして縫合だけでピシッときれいに皮膚を合わせていくようにしています。真皮縫合後はシールでカバーしておき自然と表皮がくっつくのを待つので抜糸の必要もありません。また、化膿したおできについては「くり抜き排膿・シリンジ洗浄」という治療法を行っています。従来、おできは十字にメスを入れて中の膿を取り除いていましたが、傷痕や痛みが大きいといった難点がありました。ですが、メスで丸くくり抜いて排膿し、シリンジを使って生理食塩水によるポンピング洗浄を行うと、中身が排出されやすく、痛みや傷痕も最小限に抑えることが期待できます。
栄養面を重視しているとのことですが、患者さんにはどのようなお話をされるのですか?
ニキビなどのトラブルは、体の中の状態に目を向けることも重要と考え、栄養面からのアドバイスもしています。私は基本的に炭水化物を減らしてタンパク質をしっかり取ることをお勧めしています。亜鉛や鉄が不足していると考えられる人も多いので、そのようなお話もよくしますね。亜鉛は皮膚の代謝に深く関与している栄養素ともいわれ、最近特に注目されるようになってきました。鉄分については、女性の方は特に鉄欠乏になりやすいので注意が必要です。ほかには、脂質は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸が大切だと考えます。オメガ3脂肪酸ならアマ二油、オメガ6脂肪酸ならグレープシードオイルなどをお勧めしたいですね。
美容皮膚科の診療にはどのような特徴がありますか。

結果をきっちり評価できるように、特殊なカメラによって皮膚を撮影して、赤みや手穴の様子、皮膚の凹凸などを随時確認しています。例えば、現在使用している薬が合っているのかどうかを皮膚の状態から確認して、合っているようであればその薬を継続しますし、そうでないのであれば他の薬に変えるなど、より適切な薬の処方に役立てていきます。ほくろやニキビを取った後の皮膚のくぼみが小さくなったかどうかなど微妙な変化も確認できます。データとして残りますので、継続的に記録していけることも有用だと思います。
医師任せにするのではなく自身の生活習慣を見直して
オンライン診療も始められたそうですが。

事前に申し込んでいただいて、オンライン診療の日時を予約していただいて診療しています。すべての疾患を網羅することはできませんので、ほくろ、しこりなどの形成外科、ピアス穴閉鎖、ほくろ除去痕などの美容系に関する疾患について相談を受けています。海外に駐在している方が帰国した時に治療を受けたいからとオンライン診療を受診なさる場合が多いです。当院では独自のシステムをとっていますので、保険診療ではなく自由診療で対応しています。
ところでプライベートはどのようにお過ごしですか。
3年ほど社交ダンスのレッスンをお休みしていましたが、再開しました。今は週2回練習に通って、かなり一生懸命やっています。社交ダンスはとても楽しいですが、難しい面も多いですね。あと、加圧トレーニングも行っています。最初はきつかったのですが、だんだん慣れてきました。加圧トレーニングにはいろいろなメリットがあるようですね。クリニックとは全然関係ありませんが、海外で見つけた絵本の翻訳や、キャラクターの開発なども手がけています。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

スタッフの働き方改革の一環として、週休3日にして、その代わり定休日をなくすことを検討しています。スタッフのシフトをうまく組んで、休日が増える一方でクリニックの稼働時間を増やせればと考えています。今後さらに求人が難しくなる中、クリニックの新しい働き方モデルを提示できればと思います。また、若いドクター、形成外科が専門でも皮膚科にも関心を寄せてしっかり診られる若手医師の育成に力を入れていきたいですね。ニキビなどで長く悩んでいる方は、医師任せにするのでなくて一度ご自身の生活習慣、特に食生活を振り返っていただきたいですね。美容皮膚科を希望している方は、ただ漫然と施術を受けるのではなく、その結果をきちんと確認できるクリニックで受けたほうがよいと思います。傷痕やほくろ除去の痕などをきれいにしたいと思っている方には、いろいろな方法を相談しながら最後まで責任を持って対応させていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは美容皮膚科初診料/2200円、ほくろ除去/1mm:4000円、3mm:6000円、5mm:1万円、瘢痕の切除/1万3200円〜、ヒアルロン酸注入/1ml:6万6000円、2ml:11万5000円、オンライン診療/3300円※自由診療のみで対応