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会田 邦晴 院長の独自取材記事

けやきクリニック

(越谷市/越谷駅)

最終更新日:2022/06/20

会田邦晴院長 けやきクリニック main

東武伊勢崎線の越谷駅から車で7分の場所にある「けやきクリニック」には、近くに住む高齢者が多く訪れる。2022年5月にはクリニックを移転し内装、外装ともにリニューアル。「患者さんにとって身近なホームドクターでありたい」と話すのは越谷市が地元という会田邦晴院長。患者一人ひとりとじっくりコミュニケーションを取っていく診療スタイルで、患者の性格や仕事、家族のことを踏まえながら病気の原因を探っていく。他の医師から言われるほどの「研究肌」で、患者から聞かれたことでわからないことがあれば診療後に調べ、患者に電話して伝えるほど。「来てくれた患者さんに自分なりに一生懸命に向き合いたい」と話す会田院長に、診療への思いや医師をめざした理由などさまざまに聞いた。

(取材日2018年9月11日/更新日2022年5月27日)

コミュニケーションをしっかり取って信頼関係を築く

まずはこちらに開院された理由をお聞かせいただけますでしょうか。

会田邦晴院長 けやきクリニック1

ここ越谷市が地元だからです。実は私、生まれてから越谷市を一度も離れたことがなくて、大学時代も勤務医時代もずっと越谷市の自宅から通っていました。ともに1時間以上かかっていたんですが、なぜかここを離れるイメージが浮かばなかったんですね。今は結婚して実家とは別の場所に住んでいますが、それでも市内に住んでいることには変わりません。それで、なじみの深い地元に開院したわけです。地元だとやはり愛着がありますし、人の感じもわかりますし。私は都心のような人や物の多い所が苦手で、その分、越谷は静かで落ち着きます。アクセスも良いですしね。

現在はどんな患者さんが来院しているのでしょう。

近隣にお住まいで、徒歩や自転車で来られる方が中心です。中には車でいらっしゃる方もいますが、それでも10分ほどまでの所に住んでいる方が多いですね。当院は駅から少し離れていますし、また周辺にはマンションも少ないので、年齢層としてはご高齢の方が中心。50代以上の方が半数を占めます。時々、小さなお孫さんを連れてみえるおばあさん、おじいさんもいらっしゃいます。主訴はさまざまですが、ご高齢の患者さんが多いので、糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病を抱えている人が目立ちます。

開院して9年がたちますが、今までどんなクリニックをめざして日々の診療に臨まれてきたのでしょうか。

会田邦晴院長 けやきクリニック2

「これだ」と強く掲げていることは特になくて、来てくれた患者さんに一生懸命に向き合うこと、そしてできるだけ一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ること、この2つを意識しています。薬を出してはい終わり、ではなく、少し世間話なんかも交わしながら。患者さんの中には話すことが好きな人もいますし、何よりそんな診療のほうが私も楽しいですし。互いに越谷に長く住んでいると、地域の昔話で盛り上がることもあります。そんなふうにして患者さんと信頼関係を築けるとこちらのアドバイスも受け入れてもらいやすいんです。

患者から学ぶ姿勢を持ち続けたい

先生の言う「一生懸命」とは具体的にどんなことなのでしょうか。

会田邦晴院長 けやきクリニック3

ケースバイケースですが、例えば血圧が高い患者さんに対して血圧だけを見て薬を出すのではなく、そうなった原因は何か、または他に悩みがないかといったように、広く、深くいろんな話を聞いていくことです。すると、「実はこんなことも……」と別のお悩みを相談してくれることがありますし、そもそも当院の患者層として多いご高齢の方の場合、複数の病気が合併していることはよくあるもの。私はその場限りの診療ではなくて、患者さんと長くお付き合いをして、その方の健康を長く支えていきたいと思っているんです。ですから、単に治療を行うだけではなく、病気の進行抑制のための生活時のアドバイスや、病気の早期発見につながる検診・検査をお伝えすることも心がけています。それに、患者さんから学ぶことも「一生懸命」に入ってくるかもしれません。

「患者から学ぶ」とは?

診療の現場では患者さんからいろいろなことを聞かれるわけですが、中には私が知らないこともあります。最近はインターネットやテレビで医療情報が手軽にたくさん手に入るので「テレビでこんなこと言ってたけど、先生、それ本当?」といったふうに患者さんから聞かれるわけです。でも医師もすべてのことを知っているわけではありませんから、そんな時は「ちょっと時間をください」と伝えて、書籍を読んだり製薬会社の人に聞いたりして調べます。そして自分なりにわかったことを患者さんに電話をして伝えています。ちょっとしたことでまた足を運ぶのは面倒でしょうからね。医師はキャリアを重ねるほどに鼻が高くなってしまう恐れがありますが、私はいつでも学んでいく姿勢を持っていたいと考えています。

ところで、先生はなぜ医師を志されたのですか?

会田邦晴院長 けやきクリニック4

開業医だった父に影響を受けました。すでに閉院しましたが、父は私が生まれた時から越谷市で消化器外科を標榜する会田病院を運営していました。以前は近くに病院が少なかったこともあって本当に忙しそうでしたね。家族の予定が急きょ中止になることも多く、今でも覚えているのは小学生の頃のこと。家族で越谷駅に向かうタクシーに乗ろうとした瞬間に救急車が来て、楽しみにしていた旅行が中止になりました。子どもとしては父が医師だったことで良い思いをしたことは少なかったわけですが、それでも、患者さんが来ればどんな人でも対応していた父をすごいなあとも感じていたのです。憧れに近い感覚だったのかもしれません。

時間をかけて一歩奥に入った診療を

そんな経緯があって日本医科大学に進まれたと。憧れの医師になっていかがでしたか。

会田邦晴院長 けやきクリニック5

勤務医時代は大変でしたね。私が医師になって在籍したのは日本医科大学付属病院の第一外科だったんですが、休みは少なく大学に泊まることもしばしば。それに当時の外科というのは、非常に体育会系で言葉もきつかった。と言いつつ、医局には派閥がなく先輩と後輩の関係が良好で楽しかったですよ。外科はチームプレイですから、自分が困っていたら先輩が助けてくれましたし、逆に後輩が困っていたら自分が手を差し伸べたくなりましたし。一体感があったといいますか。そんな中で「お前は研究者タイプだな」と同僚から言われたことは印象に残っています。気になることがあれば調べて、それをいとわない性格は、先ほど話したように開業医としても生きているのではないでしょうか。

お忙しい中、休日はどんなふうに過ごされているのでしょう。

午前中はクリニックに来ていることが多いですね。患者さんの検査結果を早めに知りたいので、データをチェックして診断書を書いたり、ちょっとした雑務をこなしたり。午後は医師会の活動に参加したりしています。 10歳と8歳の女の子がいるので、家族で商業施設や公園に出かけたりもします。個人的な趣味を挙げるとすればスキーでしょうか。中学からやっていて、勤務医時代は行けなかったんですが、2年前に家族と初めて一緒に行ったら気持ちが再燃しました。去年も今年も一人で軽井沢に行って堪能しましたね。きれいな景色を見ながら滑るのは気持ち良いものです。

最後に、改めて読者へメッセージをお願いします。

会田邦晴院長 けやきクリニック6

今後も地域の患者さんにとって身近なホームドクターでありたいと考えています。実際のところ患者さんをたくさん診れば診るほど医院の経営上は良いのですが、そうすれば一人にかけられる時間は減ってしまうわけで、無理に集患はせず、患者さんとのコミュニケーションが十分に取れる範囲で診療をしていきたいですね。ご高齢の方は病気を複数持っていることが多く、また中には精神的な要因も考えられます。患者さんとじっくり話しながら、仕事のこと、家族のこと、性格などを考慮して一歩奥に入り込んだ診療をしていくことがホームドクターとしてめざしていきたいことです。

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