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水間 日香里 院長の独自取材記事

光の庭メンタルクリニック

(福岡市博多区/博多駅)

最終更新日:2025/05/29

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック main

博多駅筑紫口から徒歩2分ほどの場所にある「光の庭メンタルクリニック」。不眠症やうつ病、双極性障害や統合失調症などを幅広く診療している心療内科・精神科のクリニックだ。院長を務めるのは、勤務医としての経験も豊富な水間日香里先生。睡眠医療が専門であり、患者とのコミュニケーションを大切にした精神医療を心がけ、その一環としてショートケアや認知行動療法の積極的な実践に余念がない。「まずは思ったことを話していただきたいです」と笑顔で語る水間院長に、診療のスタイルや大切にしている観点などを広く聞いてみた。

(取材日2020年8月4日)

科学的アプローチと、心の対話の両方を重視した診療

医師をめざされたきっかけについて教えてください。

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック1

小さい頃から読書好きで、ジャンルを問わずさまざまな本を読んでいたのですが、その中で読んだ伝記がきっかけかな、と思います。野口英世博士やシュヴァイツァー博士のお話を読んで、感銘を受けたのです。こうした歴史上の医師として活躍していた人物の「人を助けたい」という想いや、熱心に医療の研究に打ち込む姿に憧れて、医師になりたいと思い続けていました。思い返すと幼少の頃から医師以外の職業は考えなかったです。また昔から、人とのコミュニケーションや対話を好む性格であったため、精神神経科が自分の特性に合うと思い、専攻しました。しかしながら、個人的には病院という場所があまり好きではありません。なぜなら医学教育が進んだ現在でも、病院は自分が患者や家族の立場になった時に、本当の意味で安心できる場所になっていないと感じるためです。だからこそ、当院は患者さんとご家族にとって安らげるクリニックでありたいと考えています。

開業するまでの経緯についてもお聞きしたいです。

大学病院で勤務医時代を過ごし、海外留学を経験、その後に柳川市の甲斐病院を経て当院の開業に至ります。大学では久留米大学精神神経科睡眠研究グループに在籍し、その研究の一環でドイツに留学をしました。当時のドイツはベルリンの壁が崩壊してすぐの頃だったため、医療研究の視点だけでなく、歴史的な意味でも記憶に残る海外留学となりました。この間精神医療の分野は、治療方法や対応する薬はもちろん、精神医療に対する世間の理解度も含めて大きな発展を遂げてきました。多岐にわたる症例にふれて経験を数多く積むことができましたが、より多くの人にとって身近な精神科の医師として、そして自分の特性に合った精神科の医師としてお役に立ちたいという想いから、開業することに決めたのです。

診療の際に心がけているポイントについて教えてください。

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック2

多くの場合、他科では検査結果やデータなどをもとにして診療を進めていきますよね。それに対して今、私が行っている診察では人生相談にも近いようなお話をしていただくことも多いんです。患者さんから「眠れない」「気分が憂鬱」などの症状を伺っていろいろとお話を聞いていると、原因にはお仕事や家族関係、恋愛などが関わっているケースがほとんど。医学・医療は科学の分野ではありますが、精神医療の治療には薬物療法や認知行動療法のような科学的根拠のある治療と、脳ではなく「心に訴えかける何か」をもとにしたアプローチがそれぞれ必要だと思っています。そのためにも、その方の人生観や感性を知るべくさまざまなお話を伺う必要があり、診察の時間がまるで人生相談のような形になることも多いんです。

医師と患者が対等な立場で話せる環境づくりへ

同院ならではの治療の方針や進め方はありますか?

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック3

一般的なクリニックに比べ、時間をかけて患者さんのお話を伺っているという自負があります。同じような症状であっても、その原因は一人ひとり異なります。それはその方の人生の背景や興味関心、行動の傾向が違うからです。だからこそ、個々に合わせたこまやかなアドバイスと対応が必要なのです。そこで私は日頃から「どんな音楽のジャンルを聞くの?」「休みの日はどんなことをしているの?」といった多彩な話題を投げかけます。一見すると無駄に思える時間と感じられるかもしれませんが、患者さんのことを深く知りながら、一人の人として向き合うことで見えてくるところもたくさんあるんです。

「対話・コミュニケーション」を大切にされているのですね。

そうですね。対等な立場でお話ができる環境をつくることにとても注力しています。「聞きづらかった」「怖くて話せなかった」と思われてしまうことのないよう、日々お話の中で心がけています。今はインターネットで何でも調べられる時代になってきたため「頂いた薬のことをインターネットで調べて副作用を知ってしまい、飲みづらくなってしまいました」という悩みがあることを院内外で聞くことも。きちんとその方に合わせて処方した旨を丁寧にお話しすることで理解していただけることがほとんどなので、最初から十分な説明を意識しています。もちろん後から不安になった場合でも、いつでも何でも聞いてほしいですね。その分、診療時間が長くかかってしまうというジレンマはあるのですが、医院の体制を強化しながら今のスタイルを続けられるように善処しています。

睡眠医療が専門とのことですが、どのようなお悩みが多いのでしょうか?

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック4

どんな精神疾患でも起きがちな症状は、不眠など睡眠に関するものです。だからこそ、睡眠について詳しいということは精神神経科全般の症状について対応しやすいといえます。睡眠の悩みというと「不眠」を挙げられる方が多いのですが、眠っている時間と起きている時間、つまり睡眠時間と覚醒時間はセットで意識する必要があります。眠りだけに重点を置かず、起きている間の行動や症状にも着目する必要があるのです。忙しい現代において、睡眠時間の確保や一定のサイクルで過ごすことは難しくなっていますが、睡眠時間と活動時間のバランスを適切に取ることができるように数多くのアプローチによってサポートしていきたいですね。

認知行動療法をもとにしたショートケアも実施

ショートケアにも積極的に取り組まれているようですね。

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック5

開業当初よりショートケアにも力を入れています。ショートケアとは、ご自身の心の病気と向き合いながらその方らしい社会生活を実現するために行うリハビリテーション、勉強会のようなものです。初めは当院も手探りで実施していたのですが、繰り返し行うことで知見が蓄えられ、継続していく中で認知度も高まってきたことから多くの方に活用していただけるまでになりました。診療のみならずショートケアも行う理由としては、精神科治療において世界的に重視されている認知行動療法を取り入れた治療を提供したいという想いが大きいです。いかに自分自身の考え方を変えていきながら、現実の生活をうまく進めていくかを学ぶことができるように工夫をしています。

どのような層の方にご参加いただいているのでしょうか?

会社勤めの方や現在休職中の方、また長い間引きこもっておられた方など、幅広いです。それぞれの方にご参加いただきやすいように平日と土曜にテーマを分けて開催していますので、興味のある方はぜひ診察の際にお話しいただきたいですね。ベテランの看護師、臨床心理士、精神保健福祉士とともに考え実施しているプログラムなので、安心してご参加ください。回数を重ねるごとに気づきを得てもらえているな、と感じます。認知行動療法は、その方の考え方や行動をがらりと変えてしまうわけではなく、自分を苦しめてしまうものに気づいて、そこを変えるための行動や取り扱い方について学んでいくものです。自分の特性に向き合った上で、より楽に生きていくための方法に気づくことができる時間になってほしいと考えています。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

水間日香里院長 光の庭メンタルクリニック6

「こんなことをクリニックで相談してもいいのかな?」と遠慮しないで、何でも気軽にお話しください。たとえ医師の私から見て病気とはいえない状態であっても、お越しいただくことにこそ意味があると思います。「お悩みが深いかもしれませんが、病気ではなさそうですね」とお伝えすることで、安心できることもあるはずです。患者さんが抱えている症状の背景にある、対人関係の悩みや葛藤の解決法を具体的な言動のアドバイスを通して一緒に考えることも私たちの仕事です。まずは気兼ねなくお話しいただき、その上で対処方法や治療方法を一緒に考えていければと思います。病気かどうかわからずに悩まれている方のご来院も私は歓迎しています。

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