中澤 義人 院長の独自取材記事
中澤歯科クリニック
(大阪市住之江区/北加賀屋駅)
最終更新日:2025/05/02

北加賀屋駅から徒歩2分の場所に「中澤歯科クリニック」がある。クリニックのロゴデザインである、優しい笑顔でミラーと歯ブラシを持って見守っている「歯」をモチーフにしたキャラクターは、まるで院長の中澤義人先生そのものだ。そんな穏やかな笑顔が印象的な中澤院長の診療に対する考え方は「患者さんが自分の家族だったらどうするか」という思いで治療を提供すること。どんなときでも常に患者ファーストの姿勢で治療することに妥協はしない。周辺は古くからある住宅と、新しく建設されたマンションなどが混在するエリアであることから、患者層は小さい子どもから高齢者まで幅広い世代が通う。やわらかい物腰で一つ一つの質問に丁寧に答えてくれた中澤院長にクリニックの方針や診療にかける思いを聞いた。
(取材日2018年8月21日)
患者の希望を尊重し、治療を提案
こちらのクリニックの患者層や目立つ主訴を教えてください。

この地域は古くからお住まいの方も多いですが、最近ではこの裏の辺りにも新しい一戸建てが建って、ファミリー向けの集合住宅も多いんです。昔から住まれている方と新しく住まれた方が混在しているエリアなので、患者さんの年齢層も、小さいお子さんからご高齢の方まで幅広いですね。主訴は歯の痛みで来られる方はもちろん、入れ歯のお悩みをお持ちの方、見た目を気にされる方と本当にさまざまです。当院では予防歯科にも力を入れていますので、痛みなどの症状がなくてもメンテナンスで来られる方も多いですね。
診療において大切にされていることはありますか?
一番は患者さんの立場になって考えるようにしています。できるだけ歯を抜かない治療をすることは当然なのですが、まれに仕事でなかなかクリニックに来られないから痛いし早く抜いてほしいとおっしゃる患者さんもいらっしゃいますので、患者さんの歯の状態や生活背景なども考慮して、その患者さんに合った策を一緒に考えます。 また、歯を残すことがデメリットになり得るケースもあります。例えば歯周病の場合、それが原因で周りの骨が溶けてしまい、その前後にある健康な歯にまでダメージを与えてしまうケースがあります。そういった場合は早めに抜いてあげることが前後の歯を守ることにつながるので、歯を残すだけが絶対に最良ではないことをケースバイケースで患者さんにしっかり説明させてもらっています。
歯の状態が著しく悪い場合でも、どうしても抜きたくないという患者さんもいらっしゃるのでは?

そうですね。もちろんどうしても抵抗がある方の場合、すぐには抜きませんし、僕自身も基本は歯を残す方針ですので、状態が悪くてもできるだけ残す方向でまず治療させていただきます。できるだけのことをしてもやっぱり駄目だったね、となると患者さんも納得してくださるのではないでしょうか。ただ抜くだけでなく、置いておくことのデメリットを納得してくださるまで丁寧にしっかりと説明します。患者さんが自分の家族であったらどうするか、といつも考えて治療していますので、「僕の家族であっても抜きますよ」と話すと納得してくださると思います。抜いた後もブリッジ、入れ歯、インプラント等の治療法をご提案をさせていただき、患者さんと相談しながら治療を進めさせていただきます。
治療を始める前に、精神的不安を取り除くことが大切
お子さんの治療で心がけていることはありますか?

意外と小さいお子さんは歯科医院がどういう場所かよくわからずにすんなりお口を開けてくれることが多いのですが、やはりお子さんの場合最初が大事ですよね。最初に怖がって泣いてしまったらトラウマになって、歯科医院は怖い所だとなってしまいます。だから、「痛い」「怖い」という言葉は使わないようにして優しい雰囲気で治療していますね。とにかく最初のファーストタッチが大事だと思っています。
お子さんや成人の患者さんに対し、歯を大事にするためにどのようなアドバイスをされていますか?
磨き方だけでなく、お子さんの場合は間食の取り方などをアドバイスしています。一番大事なのはお菓子のだらだら食いをしないことですね。お菓子を食べると口の中のpHが酸性になり、歯の成分が溶け出しますが、唾液の作用によって一定時間が過ぎるとpHが元に戻ります。でも、だらだら食いをすると酸性状態が長く続いてしまうため虫歯になりやすいことなどを説明していますね。間食は決まった時間に食べることがとても大事です。小さいあめ玉やキャラメルでも、常に口に入っている状態だとどうしても虫歯になりやすいです。大人の場合は患者さんそれぞれのお口に合った磨き方を指導しています。歯磨きは当院では2回磨くことを推奨しています。歯磨き粉をつけて磨くとどうしても泡だらけになって磨いた気になってしまいがちなので、初めは何もつけずにしっかりブラッシングをして2回目はフッ素入りの歯磨き粉でさっとブラッシングするのがベストでしょう。
患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

まずは初めに患者さんがどんな方なのかをしっかり見るようにしています。患者さん自身はたくさんの悩みや不安を抱えてここに来られていると思うので、その辺をしっかりくんで話を聞くようにしていますね。患者さんによっては不安が大きいのでどんな小さな治療でも必ず麻酔をしてほしいと希望される方、逆に麻酔自体が怖いからしないでほしいと希望される方、本当にさまざまいらっしゃいます。患者さんの希望を最優先で、まずは治療に対する不安をなくしてから実際の治療にかかるようにしていますね。
来て良かった、と思ってもらえるクリニックをめざして
親知らずの抜歯で来られる方も多いそうですね。

この辺りのクリニックで親知らずの抜歯をしている歯科医院が少ないみたいで、ホームページを見て来られたり、紹介で来られたりする患者さんが多いです。当院では抜歯後になるべく腫れないように歯を小さく削って、周りの侵襲を少なくして抜くようにしています。抜歯の場合、大きい病院に紹介しているクリニックも多いと思いますが、そうなると待ち時間なども長くなるので、どうしても半日つぶれてしまいますよね。当院の場合はだいたい1時間の枠で終わりますし、患者さんの時間的な負担は少ないかなと思います。しかし万が一長引いても大丈夫なように、なるべく午前中の最後の枠か、午後の最後の枠に予約を入れることが多いです。
自家歯牙移殖など外科的処置もされているそうですが、どのような治療になるのでしょう?
自家歯牙移殖は、上の親知らずを下の虫歯で駄目になって抜歯しなければならない箇所に移植する治療です。ただ、全員ができるわけではなく、骨がないとくっつかないので、歯周病で駄目になった歯の場合は骨が痩せていてそこに入れるのは難しく、原因が虫歯の場合など骨がしっかりしている場合に適用したりと症例によって判断することになります。保険適用の治療となりますので経済的な負担も少なく済みますし、成功すれば人工物でなく、自分の歯を入れられる点がこの治療のメリットです。ほかにも歯周ポケットの深いところについた歯石を取ったり、歯周ポケットが深い人を掃除しやすいように浅くしたりする歯周外科手術や、粘液嚢胞や歯根嚢胞の除去術など外来で行える範囲内の外科的処置も行っています。
今後どのような医療を続けていこうとお考えですか?

開業当初から変わらないモットーである「来て良かったと思ってもらえるクリニック」でありたいと思います。患者さんもありがたいことに増え、バタバタすることもありますが、開業当初の想いや考えを忘れてはいけないなと思いますね。今後も患者さんに喜んでもらえる医療を提供していきたいと思います。「若い時にちゃんと磨いておけば良かった。ちゃんと歯科医院に行けば良かった」と、歯を失ってから患者さんから後悔の言葉を聞くことがあります。失ってから初めて気づくことも多いんですよね。「たかが歯磨き」と思われる方もいるかもしれませんが、実はとても大事なものです。定期的にクリニックに通うことで、将来後悔するような事態も防げると思います。症状がなくても一度気軽に検診に来てもらえればうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~