井上 謙 院長の独自取材記事
I DENTAL CLINIC
(岡山市北区/大雲寺前駅)
最終更新日:2024/11/01

東中央町バス停留所から徒歩2分。ビルの1階にある「I DENTAL CLINIC」は、土曜日も診療している歯科クリニックだ。井上謙院長が開業した同院は「わかりやすい説明」「機能も伴った審美歯科」「痛みに配慮した治療」をコンセプトに診療を行っている。各ユニットにモニターを設置することで患者に客観的な説明を行い、審美歯科は見た目だけでなく、機能的で長持ちするような治療をめざす。痛みへの配慮はもちろん、歯科治療が苦手な患者でも来院しやすくなるような工夫も怠らない。さらに英語での診療も可能で、近隣住民にとどまらず、外国籍の患者にも心強い味方だ。歯科医師のスタディーグループでインストラクターも務める井上院長に、話を聞いた。
(取材日2024年9月25日)
徹底した検査を行った上で治療へと進める
こちらで受けられる診療内容について教えてください。

インプラント治療や審美歯科といった自由診療をメインにしていますが、虫歯や歯周病治療などの保険診療も行っています。当院では歯科治療が苦手な患者さんでも足を運びやすくなるよう、プライバシーに配慮した半個室のユニットを配備したり、院内のにおいにも気をつけたりしています。コンセプトに「痛みに配慮した治療と予防」を掲げているので、麻酔をする前に表面麻酔を施したり、温度差での痛みが出ないよう薬液は温めて使用したりするなど、可能な限り痛みが軽減されるような工夫を行っています。注射の速さが一定だと痛みが出にくいため、電動麻酔注射器も使っています。治療で不安なことがあれば可能な限り対応しますので、お気軽にご相談ください。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?
最近は、他院でのトラブルを抱えていらっしゃる患者さんが増えてきました。「他院でインプラント治療を受けたけれどしっくりこない」「白いかぶせ物がすぐに割れてしまった」といったご相談にも対応しています。痛みがひどい場合は痛み止めの処置をしますが、当院ではまず検査をします。患者さんのお話も踏まえた上で、どこが痛んでいるのか、どこが合っていないのか、検査をして原因を突き止めていくんです。内科や外科といった他の診療科でも、まずは検査をしますよね。いきなり手術はしません。歯科治療イコール歯を削るイメージを持たれる方が多いでしょうが、検査を重要視しています。そして処置もその場しのぎの処置ではなく、歯が長持ちするような処置を心がけています。
検査を徹底されているんですね。

はい。先ほども説明しましたが、基本的に初診ではお口の中全体の検査をします。もちろん、患者さんの了承を得てから行いますのでご安心ください。検査をして原因がわかったら、治療の説明をします。患者さんから治療の同意が得られたら、そこから処置・治療に移っていきます。患者さんのお口ですから、患者さんの同意なしに触りません。これは自由診療でも保険診療でも同じです。
機能的で長持ちするきれいな歯へ
審美歯科にも尽力されていると伺いました。

そうですね。当院の審美歯科は「見た目を美しくして、心の健康を手に入れる」を理念に掲げています。審美歯科は歯を白く導いていくだけではなく、きれいな噛み合わせのために矯正したり、かぶせ物の素材を入れ替えたりすることも審美歯科の領域だと捉えています。華やかなように思えますが、費用も時間もかかります。そのため当院では、その場限りではなく、きれいな歯が長持ちするように尽力しています。機能的で美しい状態が長持ちするようつなげられて初めて、治療が完了したといえると思うのです。なので、どんなに強い患者さんからのご要望でも「その場限りでいいからきれいな歯にして」といったものはお断りしています。それからこれは個人的な感覚ですが、審美歯科が普及し始めてから歯科技工士のレベルも上がりつつあるように思うので、歯科医師であるわれわれも負けじとスキルを上げていかなければと思っています。
どのようにしてスキルの向上を図っていらっしゃいますか?
研究報告会に出席したり、歯科医師のスタディーグループに所属したりして情報交換などを行っています。私が所属しているグループではインストラクターをさせてもらっているため、歯科専門誌への連載や論文の掲載もしていて、私自身も執筆活動をしております。現在は海外の勉強会にも参加して学びを深めています。海外では医療保険制度のない国が多いので、自由診療をメインにしている当院では役立つことも多いんですよ。知識や技術、診断力を上げることは、適切な医療の提供に直結していると思います。以前、知り合いが体調を崩して複数の医療機関を受診したところ、それぞれ全然違う診断をされたそうなんです。最終的には適切な診断を受けて治療を始めることができたのですが、患者の立場からすると、医療者によって診断が違うと不安ですよね。それは医科も歯科も変わらないので、自分の持つスキルにはこだわっていきたいです。
どのような分野のインストラクターをされているのでしょうか?

私はインプラント治療と噛み合わせ治療のインストラクターをしています。噛み合わせの治療には矯正歯科やかぶせ物の調整なども含まれていて、患者さんの状態によって治療の内容が大きく異なります。かぶせ物の調整だけで終わる人もいれば、矯正で歯並びにアプローチした上でかぶせ物の変更が必要になる人もいます。実は噛み合わせ治療を希望して来院される方は少ないんです。というのも、噛み合わせに問題があって起こる痛みと、虫歯が原因で起こる痛みのメカニズムが一緒であるため、患者さんには虫歯の痛みなのか噛み合わせの痛みなのか区別がつかないんですよ。噛み合わせが原因だけれども、患者さんは虫歯や歯周病だと思って受診される方が多いです。これは調べてみないとわからないことなので、患者さんの主訴が噛み合わせでないのは当然ですね。
客観的でわかりやすい説明。英語の診療も可能
「治療の見える化」について教えてください。

当院ではわかりやすい説明をコンセプトに掲げています。その一つとして、画像を用いての説明に取り組んでいるんです。各ユニットに設置したモニターに、エックス線検査写真や口腔内写真などを表示して説明を行っています。画像だと患者さんも客観的に見られるようなので、役立っていますよ。例えば長年通ってくださっている患者さんに強い歯ぎしりや食いしばりが確認された場合、言葉で患者さんに説明しても、すぐ納得していただくのは難しいように思います。歯ぎしりや食いしばりは、寝ている間や無意識のうちにしていることが多いので、患者さんには自覚がないんです。そういった場合、数年前と現在の画像を見ていただきます。すると歯がすり減っているのが一目瞭然なんです。そうすると患者さんは驚いて、すぐ治療に移っていただけるのではないでしょうか。
英語での対応も可能だそうですね。
はい。でももともと英語が堪能だったわけではありません。6年前ぐらいですかね。私がお世話になっている歯科医師が、韓国の医学生や歯科医師に勉強を教えていました。そこに呼ばれて手伝いに行ったのですが、相手は日本語がわからず、こっちは韓国語がわからない。共通で理解できる言葉が英語しかない状態でしたが、私は英語でのコミュニケーションがまったく取れなかったのです。そこで初めて英語の必要性に気づいて、猛勉強を始めました。日本語以外の話者にとって、日本の医療機関の受診はかなりハードルが高いことだと思います。現在は英語しか話せない患者さんも多く来院されているので、その方々の助けにもなれていればうれしいですね。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

インプラント治療や審美歯科、噛み合わせの治療などは引き続き頑張っていきたいですね。歯科治療は少しずつ変化しているので、新しい技術や設備は積極的に取り入れていきたいと考えています。ただ新しいものをやみくもに取り入れるのではなく、本当に使えると思うものを導入して、当院のアップデートを継続していきたいです。そして困っている人や健康維持したい人の手助けになりたいですね。他院でのトラブルやお口の中の困り事を抱えていらっしゃる方はもちろん、「違和感があるような気がする」という方でも、一度歯科医院の受診をお勧めします。患者さんの力になれるよう、これからも精進していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/46万7500円~、マウスピース型装置を用いた矯正/77万円、セラミックを用いた補綴治療/7万7000円〜