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犬飼 賢也 院長の独自取材記事

いぬかい耳鼻科クリニック

(新潟市北区/豊栄駅)

最終更新日:2021/11/17

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック main

新潟市北区、樹齢400年の木を細工した大きなモニュメントがひときわ目に留まる「いぬかい耳鼻科クリニック」。木造で木の香りがする院内は、レイアウトやインテリアに多くの心遣いが詰まっており、心まで癒やしてくれる空間だ。院長の犬飼賢也先生は耳鼻咽喉科の中でも、めまいを専門とし、大学での研究員や勤務にて研鑚を積んだ。さらに日本東洋医学会漢方専門医を持ち、西洋医学と東洋医学の良い面を組み合わせた治療を提供する。「来るだけで元気になれるクリニックでありたい」と話す犬飼院長。専門性を生かした治療はもちろん、子どもの診察にはぬいぐるみを頭につけて少しでも楽しめるように工夫するなど、熱心さとともにユーモアもある犬飼院長に、診療のモットーや特徴などを中心に話を聞いた。

(取材日2021年9月14日)

西洋医学と東洋医学を組み合わせためまい治療

クリニックの特徴を教えてください。

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック1

私の専門はめまいと漢方になりますので、それらを症状によっては組み合わせた治療をしています。漢方や東洋医学を用いるのは、不定愁訴といって全身的に症状が出ている場合です。当院は耳鼻咽喉科を標榜していますが、めまいなどを患っていると他の症状も出ることが多くあります。例えば、疲れやすい、便秘、不眠などですね。西洋医学では病気と診断されない症状でも、東洋医学では漢方を処方するときの決め手になったりするんですよ。ですので「今までいろいろと受診したけれど良くならなくて」と言われて来院される患者さんも多いですね。耳鼻科と聞くと一般的には首より上というイメージが強いですが、鼻の奥には「上咽頭」という領域があり、自律神経の中心になっています。慢性的に上咽頭に炎症が起こると、鼻や喉の症状だけではなく自律神経が乱れ、めまいなどを引き起こすこともあります。当院では炎症に対し上咽頭擦過療法という施術を行っています。

どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

主訴は、めまい・耳鳴り・聞こえが悪い・鼻が詰まる・鼻水が出る・喉が痛い・舌が痛いなど多岐にわたります。また、感染症流行の影響からか、喉の渇きや違和感など、心理的なストレスからくる症状を訴えて来院される患者さんも最近は増えてきています。年齢層は0歳から105歳まで幅広いのですが、特に中高年の女性は女性ホルモンの関係で不定愁訴が出やすいため、この層の方の来院が多いのではないでしょうか。来院されるきっかけは、「めまい」「漢方」「上咽頭擦過療法」などのキーワードで、インターネットで当院を見つけて来られる方も結構いらっしゃいます。あと、私が書いた論文を見て来られる方もおられます。ですので、患者さんのお住まいのエリアも広くて、上越からお越しになる方もいらっしゃいますよ。

診療に対するポリシーをお聞かせください。

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック2

患者さんの自然治癒力を生かすことです。日常生活の中に原因があることも多いので、症状だけを薬で押さえつけるのではなく、もっと根本的なところを改善できるように指導をして、自然治癒力を生かしていきたいと考えています。それには、病気に対する患者さんの理解も大切ですね。しっかりと説明をして納得していただくことが大事なのですが、口頭でお伝えするだけではなかなか記憶にとどまらないこともあります。そのため当院では、病気や治療についてまとめたプリントや、病気の解説動画を多数用意するなど工夫をしています。プリントはお持ち帰りいただけるので、ご自宅で復習してもらえることもメリットですね。また、院内の中待合いのテレビでも病気の解説動画を流しています。患者さんに病気の種類や思い当たる症状がないかを知ってもらえる機会になればと考えています。

リラックスできる空間で心まで癒やしたい

どのような想いをもって開業されたのですか?

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック3

医師を志した頃より開業は視野に入れていましたが、きっかけはこの場所が見つかったことです。すぐ近くの豊栄病院には耳鼻咽喉科がないので、ここにあれば便利ですし地域の方にも喜んでいただけるとアドバイスももらいました。「来るだけで幸せな気分になる場所にしたい」という想いを込めて開業しました。建築設計は妻の実家を建てた同じ設計士にお願いしました。なぜなら、妻の実家も木造でとてもリラックスできたからです。ですので、当院も同じように木をたくさん使い、具合が悪い患者さんの体だけではなく心まで癒やすことができるクリニックにしたいと思いました。木は切った後も生きて呼吸をしています。自然の持つ力とはすごいものだと感じています。

木の香りがするすてきな院内ですね。

私自身が木には少し思い入れがありまして、当院の建築には新潟県産の木を選んで使っています。私の祖父は大工で、さらに母方の祖父も下駄職人で、両祖父ともに木を扱う仕事をしていました。ですので、木に縁があり、子どもの頃から木がとても身近な存在でした。木に詳しい患者さんからは「いい木を使ってますね!」とお褒めの言葉をいただくこともありますよ。インテリアも県内の作家さんの作品を飾ったり、リラックスしていただける空間になるようにレイアウトにはこだわりました。また、木で作られた部屋プレートは妻の手作りなんですよ。イラストも得意なので、当院のロゴも妻が描いてくれました。院内には至るところに思い入れがあります。

こちらに開院された理由やエリアの特徴はございますか?

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック4

このエリアに開院したのは、妻の出身地だからです。エリア的な特徴としては、めまいの患者さんが多いですね。それは、近くに福島潟があることが影響しています。これは東洋医学的な考えなのですが、めまいは水毒と関係しています。ですので、乾燥地よりも湿気が多い地域ではめまいが発症しやすいといわれているんですよ。また、めまいは気圧にも影響を受けますので、台風が近づいてくると患者さんが増えますね。あと、新潟県は文字に「サンズイ」がついているので水と関わりが深い県です。その関係もあるのか、私が学び研鑽を積んだ新潟大学は、めまいの研究でも歴史と実績がある大学なんですよ。

来るだけで元気になれるクリニックになりたい

スタッフさんの教育はどのようにされていますか?

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック5

スタッフは明るい方が多く、気さくな人がそろっているので助かっています。教育としては、当院ではクレドといって企業全体の従業員が心がける信条や行動指針を示したものを作成しています。これを昼のミーティングで1日1ページ、スタッフ全員で唱和をしてから患者さんをお迎えします。書いてあるのは当院の基本ミッションにあたるものなどが中心です。「原因を見つけるためには医師とスタッフがヒアリングをする必要があります」「クリニックに来るだけで、スタッフと話すだけで元気になれる。そんなクリニックをめざしたい」などです。私たちはこれらをモットーに日々の診療にあたっています。

どのようなきっかけで医師を志したのですか?

私も小さい頃から鼻が悪くて耳鼻科に通院していたんですよ。それで、5歳の頃なんですが、鼻の一番奥のアデノイドを手術した経験もあります。また、同居していた祖母も高度難聴がありましたので、耳鼻疾患がとても身近な存在で育ちました。ですので、「すご腕の医者になりたい」「どんな病気も治したい」という思いを持って医師を志しました。実際に医師になってみて、やはり一番うれしいのは患者さんから感謝されることですね。治療で良い結果を出すためにはさまざまな知識を蓄え続けなければなりませんが、患者さんの「ありがとう」の言葉が原動力になっています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします

犬飼賢也院長 いぬかい耳鼻科クリニック6

めまいは脳に異常があって起こっていると思われがちですが、その多くは耳の異常によるものです。めまいでお悩みの方は、まずは耳鼻科で検査を受けられることをお勧めします。当院では、耳鼻科である西洋医学と漢方の東洋医学を融合し、それに食事や睡眠などの生活指導も取り入れて、患者さんの自然治癒力を高めることをめざした診療をしています。また、新型コロナウイルス感染症の、後遺症のご相談にも乗っています。お困りの方はご相談ください。

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