森重 創一郎 院長の独自取材記事
フォレスト歯科クリニック
(松山市/道後公園駅)
最終更新日:2021/10/12

「フォレスト歯科クリニック」は、愛媛大学教育学部附属小学校・中学校の近く、伊予鉄バス湯渡町バス停から歩いてすぐの場所にある。モダンな椅子やテーブルが置かれた待合室、天然木を使ったチャイルドスペース、ゆったりとした空間を確保し壁面アートが施された診察室など、院内はリラックスできる居心地の良い雰囲気。今年10周年を迎えた同クリニックの院長、森重創一郎先生がめざしているのは「安心して受けられる治療、笑顔で帰っていただける歯科医院」。診療において大事に考えていることや理想とする歯科医院のありよう、内装や検査機器に関するこだわりなどについて森重先生にたっぷり語ってもらった。
(取材日2019年7月19日)
患者に支えられて10年。地域歯科医療に貢献したい
10周年を迎えられましたが、開院からの日々を振り返っての思いをお聞かせください。

新居浜市出身で大学は広島ですが、ご縁があり湯渡町で開院させていただきました。患者さんや周りの方々、スタッフのおかげで10周年を迎えることができたと、感謝しています。ありがたいことに、患者さんが患者さんをご紹介してくださるなどして、つながりをつくっていただき、今日まで徐々に患者さんが増えていくという年月でした。感謝の気持ちを忘れずに、一人ひとりの患者さんを大事にして、地域歯科医療に貢献していきたいと考えています。
診療の際に心がけておられることはありますか。
患者さんの話をよく聞くことと、丁寧にご説明をするプロセスを大事にしています。患者さんの立場になると、歯科での治療って気持ちのよいものではないと思うんですよ。治療が必要だということはわかってはいるけれど、頭ごなしに「こういう治療をしましょう」と話されても、なかなか受け入れられなかったりすると思うんです。なので、データや資料をお見せしながらカウンセリングをしっかり行います。ご提案する治療方法を受け入れていただけない場合は、時間をかけてカウンセリングするようにしていますね。治療に対するモチベーションは患者さんそれぞれで違いますから、患者さんに応じた接し方を心がけています。
どのようなお悩みで来院される患者さんが多いですか。

歯が痛い、歯茎が腫れた、などの何らかの症状を自覚されて来られる方が大半です。来院の目的は大きく分けると、治療、そしてメンテナンス・予防の2つになります。現在の患者さんが来院される目的のざっくりとした割合ですが、治療7割、メンテナンス3割です。僕としては、その割合を逆に、できればメンテナンス8割にしたいんです。治療にならなくて済むように、歯を守る意識を持って予防をする患者さんが増えることを願っているということです。
より精密な治療をめざすために、細かく「見る」
予防やメンテナンスに力を入れたいというお考えなのでしょうか。

僕が子どもの時代と今を比べると、子どもさんの虫歯の量はかなり少なくなっています。大半が虫歯ゼロで、あっても1本くらい。社会の歯の健康に関する意識が変わってきた結果だと思います。また高齢者の残っている歯の数は増えています。80歳で20本の歯を残す「8020」を達成する将来はそう遠くないんじゃないかな? ただ歯が残ればいいというのではなく、健康な歯を残したいと考えています。だから歯の状態をチェックし、クリーニングをすることが大事なんです。例えば美容室に行くような感じで「そろそろ歯をきれいにしに行こうか」というように気軽に来てもらえる歯科医院が理想。当院はリラックスした雰囲気の中でクリーニングを受けていただけるようにメンテナンス専用チェアーを設けています。
先生が特に注力をしている治療について教えてください。
診療科目としては一般的な診療を行う歯科と、小児歯科、歯科口腔外科を掲げています。その中で最も注力しているのは歯周病の治療ですね。歯周病の治療では歯と歯茎の間にできた「ポケット」に隠れている歯石を器具を使って除去しますが、そういった治療で症状が改善しない場合は外科的な治療を行う場合もあります。骨を増やす治療を行うというケースもあるんですよ。歯周病が悪化しないように歯科衛生士と協力して取り組んでいます。
クリニックにはマイクロスコープも備えていますね。

「見える」が非常に重要だと考えていますので、より細かく見える器具や装置を用意しています。マイクロスコープは肉眼の20倍まで拡大できるんですよ。通常の診療の際には、8倍拡大のルーペを使っています。肉眼で見るのと、ルーペで見るのとでは見える世界が違うんですよ。細かく見えると、悪い部分と健康な部分の境目がしっかりわかるので、余分に削らないようにしながら悪い部分を取り除いていくことも可能です。さらに、詰め物を正確に合わせることで、治療後に再び虫歯になることを防ぐことにつながります。また、より見えにくい歯の根っこの治療では、各段に明るく大きく見えるマイクロスコープが活躍します。より細かく確実性の高い治療をするために、僕はルーペやマイクロスコープを使用しています。
歯科衛生士とともに質の高い歯科医療をめざす
歯科医師という仕事のやりがいをどんなところに感じておられますか。

治療を終えた患者さんが喜んでくださるときはもちろんですし、子どもの患者さんから手紙をいただいたりすることもあるんですよ。だから僕は歯科医師になって良かったと思っているし、日々やりがいを感じています。先ほど拡大鏡の話の際に少し触れましたが、歯科治療はかなり精密な作業が求められます。精密な作業がうまくいき、患者さんの歯がよくなり、そのことに感謝されるわけです。その3つがそろえば、良かったと思うし、「よし、さらに頑張ろう」ってなりますよね。そういう点に、歯科治療のやりがいがありますね。
お休みの日はどのようなことをしてリフレッシュされているのですか?
ゴルフと自転車に乗ること、この2つが好きですね。自転車は、ある先生から誘われて1年半前にロードバイクを購入して乗り始めました。もちろんそれまでにも移動手段として自転車には乗っていましたけどね。ロードバイクは別格の爽快感で驚きました。休日は朝7時くらいから出かけて15kmぐらいの距離のツーリングを楽しんでいます。白水台にも頑張ってよく上っていますね。昨年は「サイクリングしまなみ」に参加し、今治から尾道まで走ったんですよ。
10周年を迎えた今、先生の考える今後の展望を教えてください

今までやってきたことを進化させていくというか、さらに深くし、専門性の高い治療を追究していきます。お話をしたようにメンテナンスを受けに来る患者さんの割合を増やしたいというのもありますので、治療に来てくださる患者さんにメンテナンスの重要性をご理解いただけるように努力するとともに、メンテナンスの質を向上させていきたいですね。そのためには歯科衛生士の力が必要。彼女たちは大切な存在ですし、歯科衛生士なしでこれからの歯科医療は成り立たないとも考えています。スタッフと二人三脚で「安心して受けられる治療、笑顔で帰っていただける歯科医院」として歩んでいきたいですね。