卯田 健 院長の独自取材記事
うだ脳神経外科クリニック
(福岡市東区/香椎宮前駅)
最終更新日:2021/10/27

香椎浜三丁目バス停より徒歩約3分のところにある「うだ脳神経外科クリニック」。2009年の開業より、頭の病気やケガのかかりつけクリニックとして子どもたちから高齢者まで、幅広い世代の健康を支えている。院長の卯田健先生がめざすのは、頭や脳に関するあらゆる主訴や悩みにワンストップで応え、地域の診療拠点として信頼されるクリニックづくり。特に同院では、頭痛や脳卒中、認知症の治療・予防に力を入れている。「頭の病気や症状に大きな不安を感じる方は少なくありません。だからこそ親身に寄り添った医療の提供に努めています」とやわらかな口調で話す卯田先生に、同院の特徴や診療において大切にしていることなどについて聞いた。
(取材日2021年10月6日)
脳のホームドクターとして、親身に寄り添う診療を
地域のクリニックとして、どういった医療を提供されたいとお考えですか?

まず開業した当時、近隣エリアは新興住宅地として開発途中の段階で、今ほど整備されていませんでした。脳神経外科を専門としたクリニックが少なかったので、当院が頭の病気の治療における地域の拠点となり、「脳のホームドクター」として多くの患者さんに頼っていただけたらという思いで、開業しました。現在もあらゆる主訴に対応できるように、性能にこだわったMRIを導入し、大学病院レベルの検査を身近に受けていただけるように体制も整えています。当院における医療の柱として特に注力しているのは、頭痛、脳卒中、認知症の診療。患者さんの多いこれらの病気の予防や治療にしっかりと対応し、先進的な医療を提供できるよう努めています。
全体的な診療の方針をお聞きします。
脳を専門とする医師として「丁寧でわかりやすい説明」「思いやりのある診療」を心がけています。頭痛やめまいがあると、大きな病気ではないかと必要以上に心配される方は少なくありません。だからこそ、迅速に適切な検査を行い正確な診断を徹底して専門的な治療を提供することはもちろん、患者さんに親身に寄り添う気持ちが重要です。当院のスタッフは、全員が常日頃から優しく気遣う姿勢を大切にし、不安を持って受診した方が少しでも明るい気持ちで帰れるように努めています。患者さんと接する上では、丁寧に話を聞くことを重視。検査結果を伝える際は、画像や資料をお見せしながらわかりやすい説明を心がけています。手術が必要な脳疾患が見つかった場合は、他の医療機関との連携も万全です。
患者層を教えていただけますか?

当院では脳の病気のほか、頭部外傷にも対応しており、0歳から90代の方まで、幅広い年代の患者さんが受診されています。病気の主訴については、20~40代は頭痛、50~60代は脳卒中、70代以上は認知症に関することが多いですね。特に近隣エリアは、新興住宅地なので若い世代のご夫婦やご家族がよく来られている印象です。また、脳卒中の治療を専門にしていたこともあり、脳血管手術後のフォローのため大学病院や脳卒中センターから逆紹介で当院を受診される方も多くいらっしゃいます。また、子どもの頭痛にも力を入れています。コロナ禍で子どもの頭痛が増えている印象です。頭痛の患者さんは市外や県外の遠方からもいらっしゃいます。
専門性を生かして、頭に関する多様な主訴に対応
頭痛の診療についてお尋ねします。

日本には約4000万人の頭痛患者さんがいると推計されています。「頭痛ぐらいで病院に行ってよいのだろうか?」と考えている患者さんは少なくありません。市販薬で済ませている人や寝込んでいる人も多くいらっしゃいます。「頭痛の原因を知りたい」「脳腫瘍などの病気が隠れていないか調べてほしい」「毎日頭が痛くて何とかしてほしい」などニーズはさまざまなため、一人ひとりにオーダーメイドの診療を心がけています。受診される患者さんは一次性頭痛が多く占めますが、脳腫瘍や脳卒中といった二次性頭痛であるかどうかを見極めるために院内にMRI検査ができる体制を整えています。当院の頭痛の外来では専用の問診票と頭痛ダイアリーを活用した診療を行っています。それらを見ながら患者さんの話を聞き、適正に頭痛診断を行い治療方針を決めます。
脳卒中においては、どんな診療が受けられますか?
九州医療センターの脳卒中センターで十数年勤務し、先進の脳卒中治療を行ってきた知識と技術と経験を地域に還元したいとの思いが強くありました。当院を受診される多くの方が脳卒中を心配されています。脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など脳血管の病気の総称です。脳梗塞の代表的な兆候としては、片側の手足のまひや痺れ、ろれつが回らないなどの言語障害、一過性の黒内障などが見られます。それらを見逃さず、適切に診断をし、病気が確認できれば、迅速に専門の医療機関と連携しています。脳卒中を起こす大きな要因として知られるのが動脈硬化ですが、これは生活習慣病になるとリスクが高まることがわかっています。そこで当院では頭部MRI検査や頸部血管超音波検査等を用いて動脈硬化の評価を行ったり、食生活や運動の指導など予防にも力を入れています。
認知症において注力されていることは何ですか?

認知症は高齢になるほど発症しやすく、今後さらに認知症の方は増えてくることが予想されます。認知症は治すことができず、進行を抑制することが治療の基本となるので、病気を早期発見し、いかに迅速に治療を開始するかが鍵となります。だからこそ、地域のクリニックとしての役割はとても重要です。まず認知症のような症状を引き起こす、治療可能な正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫といった病気の有無を確認します。認知症になっても安心して暮らしやすい環境づくりと発症や進行を遅らせることを本人家族と一緒に考えます。必要に応じて、投薬治療をしていきます。さまざまな医療サービスや介護サービスの利用について患者さんのご家族にアドバイスし、家族の負担軽減の面からもより良い治療が受けられるよう取り組んでいます。
先進的な治療法も用いながら地域に根差した医療を提供
めまいの治療にも力を入れているそうですね。

めまいの原因や種類は、実にさまざまです。つらい症状でありながら検査所見と症状が一致しにくい病気です。まれに命に危険を及ぼすような脳卒中や脳腫瘍などの重大な脳の病気の症状であることもあります。片頭痛や緊張型頭痛などに伴うめまいもあり、脳と頭痛の専門性を持つ当院であれば、ワンストップで診療にあたれるので患者さんにとっては大きなメリットではないでしょうか。また、良性発作性頭位性めまい症やメニエール病や前庭神経炎といった耳の病気から来るめまいもあります。難聴、耳鳴など蝸牛症状を伴うメニエール病や突発性難聴によるめまいの場合は、地域の耳鼻咽喉科と連携して治療を進めています。
医師を志した動機や仕事のやりがいを教えてください。
人のためになる仕事をしたいという思いがあり医療を意識していました。私自身が小児喘息だったこともあり医療を身近に感じたのも理由の一つかもしれません。脳神経外科を専攻したのは、医師として目の前の倒れている人を救いたい、緊急性の高い脳の病気の患者さんを助けたいという思いから。勤務医時代は“かけがえのない脳を守る”との思いで、夜中でも緊急手術をたくさんしていました。さらに、脳の分野は未知の部分が多く、医療として進歩の余地が残されているので、そこに魅力を感じました。やりがいを実感するのは、不安な顔で受診された患者さんが笑顔やすっきりとしたお顔になって帰っていく姿を垣間見る瞬間です。「ここに来て良かった」と感謝されることもあり、多くの人の健康を支えていると感じられるこの仕事に、喜びを感じています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

頭痛、めまい、しびれ、物忘れ、頭のけが、てんかんなど頭に関連した症状を気軽に相談できる脳のホームドクターとして診療いたします。適切な頭痛診断と治療を行うとともに頭痛を減らす正しい対処の仕方を指導いたします。脳卒中に関連する診断や治療・予防や生活習慣病の管理も行います。認知症の相談から診断、治療および支援を一緒に考えていきます。高性能で患者さんにとって負担の少ないオープン型MRIを装備しており、迅速な対応や診断を行い専門的な治療を提供します。身近なかかりつけのクリニックとしてまずはお気軽にご相談ください。スタッフ一同、親身に寄り添い、最善の治療を提供できるよう努めてまいります。