中村 好一 理事長の独自取材記事
みらい歯科・こども矯正歯科
(鳥栖市/弥生が丘駅)
最終更新日:2024/12/27

「親子でかよう歯医者さん」をコンセプトに掲げる「みらい歯科・こども矯正歯科」は、弥生が丘駅から徒歩15分の場所にある。穏やかに語る姿が印象的な中村好一(なかむら・よしかず)理事長の「地域に貢献したい」という思いのもと開業。2015年の増築後は小郡市にも分院を開業し、現在に至るという。院内から続く階段を上ると、色鮮やかな遊具の数々が目に飛び込み、屋内遊技場の「みらいキッズランド」が広がる。保育士も常駐しているため、家族も落ち着いて治療を受けることができるのも特徴だ。同院には、併設している保育園と兼任の管理栄養士も在籍。子どもの健やかな成長のための食育や虫歯予防にも力を注ぐ。そんな、子どもから高齢者まで、家族まるごと診てもらえる同院の歴史を軸に幅広く話を聞いた。
(取材日2024年12月5日)
屋内遊技場の「みらいキッズランド」には保育士が常駐
開業されたのは2009年とのことですが、このエリアは縁のある土地だったのですか?

いえ、まったく縁もゆかりもない土地でした。私は鹿児島県で生まれ育ち、鹿児島大学の歯学部を卒業後、初めて県外での生活を経験したんですね。具体的には、岡山県や関東地方で歯科全般の研鑽を積んだのですが、そこでは鹿児島県出身であっても宮崎県出身であっても、九州出身という大きなくくりで捉えられることが多かったんですね。それまで鹿児島を出たことがなかったものですから、「なるほど、そういうふうに受け止められるんだな」と。ですので、いざ開業するとなった時も、九州で開業したいという思いが最初からあったんです。当時はまだ九州新幹線が全線開通していない時代でしたが、八代駅と博多駅間の新幹線が開通し、さらに新鳥栖駅ができることもわかっていましたので、ここだと九州内のアクセス的にも便利ですし、これからどんどん発展していくエリアだと思ったことから、ここでの開業を決めました。
確かに新しい住宅が多く立ち並ぶエリアですし、ファミリー層も多そうですね。
ええ。当時は「弥生が丘みらい歯科クリニック」という名称で開業しまして、お子さんからお年寄りまで幅広い診療を実施。徐々に患者さんの数も増え、お子さんの来院も多かったことから2015年に増築しました。それに伴い名称も「みらい歯科・こども矯正歯科」に変更し、リニューアル開業。中庭を通って院内の階段を上ると、思いっきり遊んでもらえるキッズルームが目に飛び込んでくるかと思います。保育士が常駐していますので、親御さんも落ち着いて治療を受けていただくことが可能。その際はご予約をお願いしています。
このような造りにされた理由もお聞かせいただけますか?

お子さんが泣いたり騒いだりすると、やはり親御さんは気にされますよね。そうなると、ご自身も治療を受けたくても受けられなかったり、お子さんを連れての受診がストレスになることも。そういった問題を解決したかったんです。それにお子さんと大人の待合室をしっかり分けることで、お子さんも自由に伸び伸びと遊べますからね。何よりも歯科医院は怖い所ではなく、楽しく通える所であると思ってもらいたかったんです。その結果、建築士さんがこのようなアイデアを出してくださり、お子さんは伸び伸びと、大人は落ち着いて待合室で過ごしていただける環境が整いました。
管理栄養士による食育相談にも取り組み包括的に対応
保育士さんが常駐されているのも親御さんは心強い点ではないでしょうか。

そうですね。今は多くなってきましたけど、当時は保育士さんがいる歯科クリニックはまだ少なかったので、求人募集をするとハローワークから「なぜ歯科医院に保育士が必要なのですか?」と聞かれていたくらい浸透していませんでした。ですので、ここ数年で急激に状況が変わってきたということでしょう。そういった意味では、早い段階から子育て世代の方が安心して通える環境を整えられたことは良かったと思います。そのため、ご家族全員で受診できるように、小児歯科に限らず、一般歯科・審美歯科・矯正歯科・歯周病の治療まで幅広く対応できる包括的な診療が当院の基盤となりました。矯正もお子さんに特化しているわけではなく、成人矯正にも対応していますが、お子さんの場合は予防を視野に入れた口腔育成に取り組んでいます。
口腔育成はどうして予防につながるのでしょう。
歯並びが悪いと、歯ブラシが届かず磨き残しの原因になったり、前歯が出ていてお口が閉じない状態であったり噛み合わせが悪かったりすると、風邪をひきやすくなるなど健康面でのリスクも高まったりします。口腔習癖が歯並びの悪さにつながっているケースもありますし、歯並びの悪さの原因は本当にさまざまです。お子さんの場合は、その後の成長のためにも早い段階でアプローチすることが最大の予防。口腔育成といって、マウスピース型の装置を使用し、発育・発達に悪い影響を与えているお口の使い方を適切なものに導いていく診療や、口腔筋機能療法(MFT)というお口の筋肉を鍛えるトレーニングで改善を図ります。そのため、本格的な矯正をせずに済むことも望めるのです。当院は歯科医師が4人、その他のスタッフを含めると総勢15人で診療を行っていますので、じっくりと指導にあたることが可能です。
また、保育園も併設されているそうですね。

開業してから数年後に法人化しその後、保育園を併設しました。待機児童が深刻化していましたので、困っている子育て世代の方々のお役に少しでも立てたらという思いもありましたし、当院はお子さんの患者さんも多かったので受診しやすさなど、さまざまな点でマッチングするのではと考えました。管理栄養士や保育士と連携することで、保育園にも通う患者さんの情報共有を行え、より適切な治療につなげることができると考えています。管理栄養士は当院での食育に関するご相談にも対応しているんですよ。
末永く診療することで、さらなる社会貢献を
小郡で分院も開業されているそうですね。

当院のスタッフは分院と行き来して診察しています。法人全体のスタッフのスキルアップを目的とした勉強会も積極的に行っているんですよ。このように、当院と分院とで同じクオリティーの医療を提供できるよう一丸となって努めているんです。
2009年の開業から、さまざまなことに取り組まれてきた15年だったのですね。
充実した日々でしたね。開業当時、小学生だった子たちは、すでに成人していますし、月日が流れるのは本当にあっという間。今では結婚して自分の子どもを連れてきてくれる方もいますからね。そういえば、かかってきた電話で「子どもの頃、通っていました」と言われたこともありましたね。立派な社会人、親になっている姿を見ると感慨深いものがありますし、次の世代まで診ることができるよう頑張りたいなと思っています。その一方で、開業当時に中高年だった方が高齢者へと徐々にシフトしていっていることも実感しますので、そのような世代もしっかりカバーできるよう取り組んでいきたいです。このように、お子さんの成長を見守ることができたり、年齢を重ねられた方々をサポートできたりすることが日々の原動力になっているような気がしますね。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これまでの15年間でも変化があったように、今後も社会のニーズというのはより多様化していくと思いますので、そこにいかに対応していけるかということに注力していけたらと考えています。経営者という観点においても、社会にどのように貢献していけるのか自分自身に常に問い続け、新しいことも積極的に取り入れていきたいですね。この15年間やってきたことで、継続することの大切さを強く感じました。このエリアはまだ若い住宅地であると思いますが、開業時の子どもたちが巣立っていっていることを考えると、新たな子育て世代や徐々に高齢者へシフトしていく世代も安心して生活できる環境が求められていることを実感しています。それにお応えできるよう、当院と分院の2拠点をうまく稼働させ、より社会貢献できる環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた口腔育成/24万9000円~、マウスピース型装置を用いた矯正(小児)/33万円~、(大人)/44万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。