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伊田 宜史 院長の独自取材記事

伊田眼科クリニック

(三田市/フラワータウン駅)

最終更新日:2023/12/13

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック main

公園都市線のフラワータウン駅から歩いて5分。クリニックビルの1階にある「伊田眼科クリニック」は、この地で15年近く、地域住人の目をサポートしてきた眼科のエキスパートだ。院長の伊田宜史(いだ・ひさし)先生は、米国留学まで果たした医学博士で日本眼科学会眼科専門医。その豊富な知識と経験、分子生物学や生化学にも精通した全人的な視野によって、単なる眼科診療の枠を超えた医療スタンスを特徴としている。ドライアイや眼精疲労、アレルギー性結膜炎といった日々の症状に加え、日帰り白内障手術など、目に関する幅広いニーズにスタッフと協力して応えている。そんな伊田先生に、同院の特徴や予防への取り組み、高齢社会に関する持論など、ベテラン医師らしい話をじっくりと語ってもらった。

(取材日2023年11月20日)

不定愁訴から白内障手術まで総合的な診療を提供

まずはクリニックの概要を教えてください。

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック1

当院の開院は2009年で、このクリニックビルができたのと同時です。そのため最初からオーナーさんにいろいろとご相談し、さまざまな自分の希望を反映させることができました。当院は検査スペースを広くとっていることが特徴で、暗室と明室があり、特に明室は3人が同時に視力検査を受けられるよう余裕をもたせています。スタッフの視能訓練士たちは外科的な処置以外のことは大抵よくわかっていますから、どのような検査が必要かを効率良く考えながら自発的に診療をサポートしてくれます。また、検査に必要な先進的な医療機器や設備もずいぶん増やしました。こうした体制のおかげで診療では眼科の一般的な症状から手術、コンタクトレンズの処方まで幅広く対応し、患者さんはもちろん、専門学校生の見学なども積極的に受け入れています。

主にどのような患者さんが来られますか?

一般の開業医の場合、最近どうも目の調子がおかしいといった、眼精疲労などの不定愁訴による受診が大半を占めます。しかし、たとえ不定愁訴であってもその理由をしっかりと見極め、どのようなことを行っていけばいいかを具体的に説明してあげる必要があります。眼病の多くは合併症で、不定愁訴の原因には自律神経のトラブルが関わっています。その方の全身の健康や生活環境などが大きく影響するため、対症療法として点眼するレベルではなかなか改善は望めません。そうした全体像から診断をつけるために、私は開業時から電子カルテを導入し、患者さんの健康状態や既往歴、飲んでいる薬などの情報から総合的に判断するよう努めています。眼科であっても、いかに全人的な視野で医療に取り組むかが診療の鍵といえるでしょう。

日帰りで白内障手術も行っていますね。

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック2

はい。白内障手術は先進設備を用いて手術中にも検査を行うなど、術後の見え方や乱視の発生には特に注意を払っています。手術自体は難しいものではありませんが、同じ機械で同じやり方をしても、最後に入れる眼内レンズの選択によって術後10年、20年先に差が見込まれるもの。特に患者さんがご高齢の場合、目がよく見えていないせいで転倒し、それで要介護、要支援になってしまうケースもあります。そうしたリスクを考えると、遠いところから近いところまでカバーすることをめざす多焦点眼内レンズも一つの選択肢ですね。あと、手術の様子をご家族にご覧いただけるよう手術室はガラス張りにしていますが、あまり生々しいのは遠慮したいという方がほとんどなので、現在は防犯カメラで映し出した手術全体のイメージをタブレットでご確認いただく程度にとどめています。

予防で重要なのは自律神経を充実させるための生活習慣

予防医学に力を入れておられるとか。

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック3

私は米国留学で分子生物学などに携わっていましたが、自律神経をいかに充実させるかが目の違和感や目の調子の悪さが原因と考えられる不定愁訴の予防のキーワードと考えています。目の調子が悪い人で、特に若い人に多いのが運動不足。上半身に血流が回るくらい運動をして汗をかくことが大切です。また、夜遅くまで起きて何かしていると、本来は副交感神経が働く時間帯に交感神経が緊張したままの状態になっています。屋内にずっといるのも良くありません。こうした悪い条件が重なってくると、体が修正ができずに不定愁訴が出てしまうわけですね。現代は子どもの9割が近視になるといわれていますが、その大多数は生活習慣によるものだと思います。また、壮年世代の疲れの原因の多くは眼精疲労によるものと考えられます。眼精疲労は脳のストレスにもつながりますので、まずはご自身の生活を見直してみることをお勧めします。

やはり高齢者の受診が多いのでしょうか?

目のことに限ったことではなく日本は超高齢社会で、もうじき5人に1人が80代の時代を迎えます。そうしたご高齢になった人たちが単に福祉や介護の対象となってしまうのは、あまりにもったいないこと。「徐々に弱って寝たきりになるまで、なるべく健康に過ごしましょう」という、そんな消極的な考え方では駄目だと私は思いますね。高齢でもこれまでの輝かしい経験とスキルやノウハウを、社会にもっと有効に活用すべきと私は考えます。ただし、疲れてしまうと集中力が続きませんから、交感神経が元気な起床後8時間のうちにやれることを全部やってしまうのが理想です。夜は自分の時間などと考えず、早めに休んで疲れを取ることが大切ですね。

高齢になっても元気に働きましょうというお考えですね。

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック4

人間力というのは大きなもので、誰もがみんな持っているんです。それを有効に活用できないのが問題なんだと思います。それぞれの世代に良いところ、悪いところがあります。デジタルで生まれ育った世代に押されているアナログ世代はどうすればいいか。80代でも働くんだと、高齢化社会の範を示すくらいの気概が必要だと思います。女性が輝く社会も大切ですが、高齢者にも輝いてもらわないといけません。そして、こうすればいいんだよと若い人を導いてあげることです。若い世代だって年を重ねれば高齢になるわけですから、今のうちに私たちで道筋を作っておいてあげたいですね。

すべての世代が輝ける社会をめざして

先生が眼科医師になったきっかけは?

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック5

小中学生の頃は鉄道写真を撮るのが好きで、カメラと人の目の共通するメカニズムに興味を持ったことが一つです。あと、当時はまだ少年向けの戦記小説が流行っていて、その中に空中戦のエースが目を負傷する話があり、海軍病院の眼科の先生が戦線に復帰させることをめざして治療するんです。そのくだりがとてもかっこ良く、自分も眼科医になろうと決めて関西医科大学に入りました。卒業後は大学院に身を置いて加齢に伴う眼疾患の組織病理などの研究に励み、米国カリフォルニア大学デービス校医学部に留学して分子生物学や生化学の研究にも携わりました。そうこうしているうちに大学院の在籍期限が迫ったため、西海岸と東海岸の大学間を飛行機で行ったり来たりしながら論文を仕上げ、ギリギリで帰国して発表したのが今ではいい思い出です。

毎日、神戸市内から通われているそうですが。

私は神戸市の出身なのですが、中高生の頃は校外学習や競歩会でよく六甲山から三田まで歩いたり走ったりしたものです。ここは自然も豊かですし、留学していたカリフォルニア州のサクラメント郊外にも雰囲気が似ていて非常に愛着がありますね。今も東灘区の自宅から車で通っていますが、なぜ近くに引っ越さないかといえば通勤での運転が楽しいからです。若い頃、私はラリードライバーをやっていたんですよ。それこそ戦闘機のパイロットともどこか通じるところがあって、電子制御ではなく手足で操るところがいいんです。それで30年以上も前の旧車のハンドルを握って、カーオーディオは聞かず、ひたすらエンジン音を楽しみながら毎日ドライブしています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

伊田宜史院長 伊田眼科クリニック6

体の調子が悪ければ力が出ないのと同じで、目も大切にせねばなりません。毎日こき使っていても、大切に手入れをしながら使えば長持ちするものです。私たちはそのお手伝いをしているだけで、主役はあくまで患者さんご自身。悪くなるまで放っておかず、少しでも不調があれば眼科で確認してもらってください。以前は私も60歳を過ぎたら引退し、森の中にログハウスでも建ててのんびりしたいという夢もありました。しかし、高齢になっても社会に貢献できることを、私自身が示していかねばなりません。まだまだ頑張って、倒れるまでは地域の皆さんのお役に立ちたいと考えています。あらゆる世代が輝けるような社会を、皆さんと一緒にめざしていければ幸いです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

多焦点眼内レンズ/13万5000円~29万円

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