竹崎 博嗣 院長、竹崎 友吏子 先生の独自取材記事
たけさき歯科
(福岡市中央区/茶山駅)
最終更新日:2021/10/12

最寄りの六本松駅からバスで約10分。友泉中学校前バス停より徒歩約3分の場所にある「たけさき歯科」。2008年の開業より、わかりやすく丁寧な対応と適切な診療を徹底し、地域の高齢者を中心とした幅広い患者の口腔内の健康を支えている。院長の竹崎博嗣先生は、20年以上にわたって九州大学病院に在籍し、特殊歯科総合治療部および全身管理歯科の外来医長を務めた実績を持つベテラン歯科医師だ。現在、クリニックでは週に2~3度勤務し、他のクリニックでも臨床経験を積む娘の竹崎友吏子先生と2人で診療にあたっている。優しい口調と笑顔が印象的な2人に、クリニックの特色や診療において心がけていること、今後の展望などについて、それぞれの思いを語ってもらった。
(取材日2020年6月9日)
培ってきた経験を存分に生かした歯科医療を提供
開業までの経緯を教えていただけますか?

【博嗣院長】1987年に九州大学歯学部を卒業後、その年に同大学の歯科補綴学第二講座(現:口腔機能修復学インプラント・義歯補綴学分野)に入局しました。在籍した約7年間の中では、臨床経験を積みながら入れ歯やブリッジ、クラウンといった歯科技工物の製作技術を修得。この時は何度も繰り返し実習を重ね、苦労しましたが、技術を身につけられたことは歯科医師としての幅を広げる糧になりました。その後、特殊歯科総合治療部や全身管理歯科の外来医長を務め、病気を患っている患者さんに対する歯科治療の専門性を深めました。入局から約20年、それまで磨いてきた技術や経験を、地域のもっと身近な診療に役立てたいという思いで、開業を決意しました。
有病者の歯科治療を得意とされていると伺いました。
【博嗣院長】得意というわけでなく、そうなれるように頑張っています。九州大学病院時代に得た技術や知見を発揮して、高血圧症や糖尿病、心疾患、がんなど、さまざまな病気のある方の歯の悩みに対応しています。全身疾患のある方の場合、それぞれの病気の特性や症状、緊急時の対処法をはじめ、特別な管理や配慮を施しながら治療を進めることが欠かせません。服用している薬の種類や病気の治療過程を認識することはもちろん、各患者さんの主治医に連絡をとり、密に連携を図ることも重要。例えば、脳梗塞の予防で血液をサラサラにする薬を飲まれている方なら、場合によっては薬の種類を変更してもらったり、止血法の考察などの対処を行います。また、体の状態に応じて、血中酸素濃度や脈拍の計測器を着けながら歯科治療をすることもあり、AEDといったもしもの時の準備も整えています。隣接する博愛会病院や九州中央病院等と、医科歯科連携もとっております。
高齢者の歯科治療にも力を入れているそうですね。

【博嗣院長】年齢を重ねるごとに徐々に歯を失うリスクが高くなっていきます。健康維持には日々の食事から取る栄養が不可欠で、自分の歯で噛むという意識を持ち、正しいメンテンナンスを続けなければなりません。しかし、加齢とともに口腔内の環境は変化し、治療跡や入れ歯が多くなったり、唾液の分泌量が減って汚れや細菌を自浄する力が弱まったり、乾燥しやすくなったり、若い時と比べてさまざまな違いが現れてしまうのです。そこで当クリニックでは、歯科治療に加え、顔や舌の筋肉を動かす体操や唾液腺のマッサージなどを併用し、口の中を健やかな状態へと導いています。さらに、患者さんご本人だけでなく、そのご家族や介護者に対しても、歯磨きをはじめとする適切な口腔ケアの指導を積極的に行っています。
地域に寄り添い、適切な診療を徹底する
診療において大切にしていることは何ですか?

【友吏子先生】一生、自分の歯で食事を楽しむには、定期的に歯科を受診し、しっかりと検診を受ける習慣が重要です。そこで皆さんが気軽に来院しやすいよう、クリニック内の環境づくりにはこだわっています。患者さんと接する時は、スタッフ一同、「明るく笑顔で」が基本です。気兼ねなく話せる雰囲気を大切にし、楽しく通ってもらえるよう配慮しています。診療においては、丁寧でわかりやすいご説明とご提案を心がけ、納得いただいてから治療を進めるよう徹底しています。特に当クリニックは、有病者や高齢者の歯科治療に力を入れ、病気の不安やお悩みには専門的かつ丁寧にお答えしているので、安心してご相談いただければと思います。
重要視されている問診ではどんなことに注意を払っていますか?
【博嗣院長】当クリニックは介護施設内にありますが、患者さんの約9割は、近隣にお住まいの地域の方々。中にはお子さま連れの方もいますが、そのほとんどは何らかの病気を抱える60代以上のご高齢の方です。最初の問診は、その後の治療計画に関わってくるので、病気や持病について詳しく知る上でとても重要です。病名はもちろん、服用している薬の種類や量、病気の状態、手術歴や既往歴など、とにかく多面的に話を聞いて詳細を把握するよう努めています。これまで心臓病やがんなどの患者さんも担当してきましたが、緊急な事態に陥いることのないよう適切な準備と診療に努めております。仮に発作などが起きた場合でも、近くの病院と連携した迅速な対応が可能です。
どういった主訴が多いですか?

【博嗣院長】ご高齢の患者さんが大半を占めるので、入れ歯の不具合や噛み合わせのお悩み、インプラントのご相談が多いと思います。私は技工物の製作技術を磨いてきた経験があるので、例えば入れ歯などの軽微な修理調整程度なら、その場で処置しております。新しく入れ歯を作り替えるにしても、できあがるまでの間、どうにか食べられるよう今までの入れ歯で調整を行っております。
【友吏子先生】また、当クリニックでは幅広いニーズに応えるため、矯正歯科を専門的に学んだ先生が診療を行う日を月に1回設けています。歯並びの乱れは、歯磨きの質を下げ、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうので早期のケアが大切です。特に小学生から高校生にかけての時期は、成長とともに噛み合わせが形成される重要な時期となるため、適切な処置をお勧めします。もちろん、成人の方の矯正にも対応しているので、お気軽に受診してください。
一途により多くの患者の健康を守っていく
歯科医師を志したきっかけはなんですか?

【博嗣院長】私は一地方公務員の家で育ちました。公務員もそうですが、どうせなら社会や人々の役に立つ仕事がしたいという気持ちになり医療系の職を意識するようになったのは、高校生ぐらいからではないでしょうか。なんとか頑張って、大学受験に臨みました。九州大学歯学部に入学し勉強に打ち込み、卒業後、多様な知識や技術を修得するたびに、人間にとってかけがえのない「食べる」という行為に不可欠な歯の健康を守る仕事に、ますます誇りを持てるようになっていったのは確かですね。
やりがいを感じるのはどんな時ですか?
【博嗣院長】これまで診療を続ける中で、「思うように噛めない」、「食事を楽しみたい」と切実に訴えてくる患者さんは多くいらっしゃいます。そんな方々の食べることの日常を取り戻す手伝いができ、ご飯がおいしく食べれたと思ってもらえればいいと思っています。自己満足ですけど。口の中の状態は、千差万別。入れ歯を作るにしても、一つとして同じものはありません。それを見極めてきちんと治療を施し、患者さんに満足していただけると、やっぱり大きな喜びが湧いてきます。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

【友吏子先生】歯の治療が終わっても、日頃のケアをおろそかにすると再発してしまいます。だからこそ、予防歯科やメンテナンスの指導に一層力を入れるほか、定期検診をお勧めし、長期的な口腔ケアを支えていければと思っています。それと、20~30代の若い方にもっと利用してもらえるクリニックづくりをめざしていきたいと考えています。
【博嗣院長】開業以来、ホームページでの告知効果やクチコミで年々患者さんが増えています。今では、当クリニックの特色である、有病者や高齢者に特化した歯科治療を頼って遠方から来院する方も珍しくありません。そうした一つ一つの信頼に応える診療を提供し続けることが大切だと実感しています。これからも心の声に耳を傾け、歯科医師として力を尽くします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1歯)/35万円~、
セラミック冠/6万5000円~、
矯正/(小児)30万円~、(成人)50万円~