森下 真次 院長の独自取材記事
もりした歯科医院
(寝屋川市/香里園駅)
最終更新日:2025/02/05

京阪本線香里園駅の駅前から徒歩約3分。2005年に「もりした歯科医院」は開院した。院長を務める森下真次先生は日常診療を楽しんでいる。患者と直接ふれあうことを望み、大学卒業後に勤務医を経て独立を果たした。そんな森下先生は、一度出会えば一生付き合いができるかかりつけ医をめざし、できる限り歯を削らず、抜かず、1本の歯を残すことにとことんこだわっている。また歯科治療はオーダーメイドで、一人ひとり皆違うサービスを提供しているのが特徴だ。また、院内では先進の歯科用CTやクラスBの高度滅菌機器やオゾン水などを積極導入している。取材中に何度も「ここに来てくださる、地域の患者さんのために」という言葉を繰り返した森下先生に、診療にかける熱い思いを聞いた。
(取材日2018年4月16日)
歯だけでなく、人を診て治療している
こちらの歯科医院の特徴は、どんなところですか?

基本保険診療が中心の町医者です。安心して治療を受けていただけます。しかし、保険診療は幅が狭い治療しかできないと考えているので満足していただけるかどうかは人それぞれです。そこで自由診療であるインプラント治療や審美歯科や矯正治療の選択肢が増えることによって、幅広い患者さんの期待に応えれるようになってきました。根底にあるのは人に対して誰よりも優しい存在であり続けること。ナンバーワンではなくオンリーワンの存在であることに徹底してこだわりたいと思っています。そして30年後も慕われる存在でありたいと思っています。
学者肌・経営者肌・職人肌の方もいらっしゃいますが、先生は患者さまと関わることがお好きなのですね。
そうなんです。僕は歯だけでなく人を診て治療しています。一つ確実に言えることは、とことん人に優しい。損得抜きにその人のために全力を尽くすところがあるところです。そのことがかえって周りのスタッフがやきもきしたり周りに迷惑をかけてしまうこともあります。一つの出会いをきっかけに人との関わりの輪が広がっていることにすごくやりがいを感じています。僕がここに存在する意義は患者さんに「森下先生しか駄目」と想ってもらえることです。
この香里園で開院された理由を教えてください。

京都市に在住ながら、ここの川向こうの高槻市にある中学校・高校の男子校に通ってました。同級生には枚方市や寝屋川市から通っていた友達が多くいて、彼らの家に遊びに行くこともよくあったので、この地域は身近な場所でした。勤務医時代から結婚後もなにかとなじみのある土地でした。僕はオフィス街や高級住宅街よりも、ごちゃごちゃした感じの下町が大好きなんです。人々の生活のリアルな息遣いを感じていたいんです。この地域で歯科医師人生を賭けてみようと思いました。
歯への治療の介入は可能な限り減らす
先生は「なるべく抜かない、削らない」という治療方針をお持ちだそうですね。

口の中の環境が良くなるのは、もちろん良いことです。しかしその一方で、同じ歯への治療の介入が増えれば増えるほど、歯は悪くなります。同じ歯を5回治療すると、その歯は寿命を迎えるともいわれていて、治療の回数は限りがあるんです。ごく初期の虫歯で、進行していない状態でコントロールできているなら、今すぐ治療をしなくても数ヵ月、数年と様子を見てもいいのではないかと思っています。放っておくと悪くなるのが確実に目に見えていて、今なら小さな削り方、小さな詰め方でできるなら積極的にそれを勧めます。でも虫歯が小さいうちから削って、型を採って金属を詰めてということは、なるべくしないようにしています。
それが、長く自分の歯を残すための方法なんですね。
そうです。神経や歯を抜く、かぶせるという処置をすると、もう後戻りができません。どうしてもそういう処置が必要なら、それを行う時期は人生の終盤です。若い時にいきなり大きな詰め物やかぶせ物をしたら、治療介入が1段階、2段階と進んでしまい、後戻りできないサイクルになってしまう。先ほどもお話ししたように治療の回数には限りがあります。若いうちになるべく積極介入にならないよう、気をつけています。多くの治療をするのではなく、その歯にとって、その人にとって一番役立てることをする。今はわかっていただけなくても、時間がたってから「あの時、いい治療をしてもらった」と思ってもらえるような方針でやっています。
院内の設備で、こだわっているものはありますか?

感染予防対策です。その中でも滅菌技術とオゾン水の導入です。当院ではオートクレーブという滅菌器で、世界でも厳しいといわれるヨーロッパ基準のクラスBをクリアしたものを導入しています。枚方・寝屋川エリアでも導入しているクリニックはまだ少ないそうです。また、保険診療でも精度を上げるために歯科用CTを積極的に有効活用しています。日本の水道水には塩素が入ってますが、塩素は人にとって有害物質だと考えます。滅菌できない器具は以前は塩素系の薬剤を使っていましたが、現在は高濃度のオゾン水を使って、滅菌に準ずる感染予防対策ができるようになりました。
オートクレーブとはどのようなものですか?
当院のオートクレーブは細菌やウイルスを熱と圧力で0にしてしまう装置ですが、それにも性能の差があります。クラスNのオートクレーブならばシンプルな形の表面までしか滅菌できません。しかし、ちくわの筒の穴のように、複雑な形をした器具の滅菌をするにはクラスBが必要だと僕は考えたため導入しております。
メンテナンスの大事さを唱え患者が気づくまで寄り添う
先生の診療ポリシーを教えてください。

一般の方々は普段、歯のことにはあまり関心がないと思うんです。痛くなったら歯科医院に行くけど、困らない限りは行かない。そういう認識の方が多いのではないでしょうか。歯の健康が全身の健康、ひいては生活の質につながることを頭ではわかっていても、行動に結びついていないと感じます。僕が町の歯科医院としてこだわりたいのは、ここに暮らす方々に歯に対する意識を高く持ってもらうこと。そこから、メンテナンスの大事さを認識してもらいたい。その人の口の中を見たら、ライフスタイルや物事に対する関わり方などが、だいたいわかるんです。そこで僕が気づいた大切なことは、押しつけがましくならないように情報提供をするということ。そして、こちらの伝えたいことを受け取ってもらうためにはやはり、患者さんと仲良くなることが大事。共感し合えるものが増えれば、患者さん自身が気がつくチャンスも自然と増えるんです。
歯の健康維持にやはりメンテナンスは重要ですか?
やはり自分の口の健康にとってベストなことは、メンテナンスしかないと考えていますね。いい材料を使うより、高い技術の治療を受けるより、効果的なのは患者さん自身にお口の中の健康に関心を持ってもらって、家で気をつけて手入れをしてもらうことなんです。その意識を高めるのが、今の僕の仕事だと考えています。ある先生は「歯はダイヤモンド」とおっしゃいましたが、僕はプライスレスだと思います。価値がつけられないほど大事なものを守るために、メンテナンス率を上げる。実際の行動に変わるように、働きかけていく。実作業は歯科衛生士の仕事かもしれませんが、患者さんをそこに向かわせるのは、やっぱり僕の仕事です。
メンテナンスを啓発する上では、患者との関わりをより密にしていかないといけませんね。

「犬の散歩に行かないといけないから」とか、患者さんはそうやって歯科医院に行くのを断る理由をたくさん見つけるんです(笑)。だから3ヵ月後の同じ曜日、同じ時間などと、来てもらう日を先に決めておいてもらうようにしています。日が近づいて優先順位が下がるなら、それはそれで構いません。しかし「3ヵ月後に考えます」では、行動には結びつかなくなるんです。その人のカレンダーにいったんは予定を書き込んでもらわないと人間の行動はなかなか変わらない。僕にできるのは、ささやきかけること。ささやきかけて、患者さんが本当に大事だと気がつくまで待つ。ひたすら待つ。そういうスタンスでいますので、お気軽に相談していただけたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは審美歯科(セラミックインレー)/5万5000円~、インプラント/34万円~、ホワイトニング/4万5000円~、歯列矯正/30万円~