松久保 正二 理事長の独自取材記事
カム歯科クリニック
(鹿児島市/二中通駅)
最終更新日:2024/09/12
二中通電停から徒歩1分の「カム歯科クリニック」。同院は虫歯や歯周病の治療など一般的な歯科診療から、小児歯科、矯正歯科、口腔外科、インプラント治療など広く診療に対応し、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が、近隣はもとより遠方からも通院している。大阪歯科大学を卒業後、大阪と鹿児島での勤務医を経て2002年に同院を開業した松久保正二理事長がこだわる「極力、歯を削らない治療」や予防歯科の大切さについて語ってくれた。
(取材日2020年4月28日)
歯を極力削らない治療にこだわり口腔の健康をサポート
こちらではどのような診療を行っているか教えてください。
できるだけ歯の寿命を延ばせるような「歯を極力削らない治療」を提供することにこだわっています。そのため、初期の虫歯については、まず削らずに薬を塗って虫歯の進行を抑える方法も推進しています。定期的に薬を塗り、ブラッシング指導を行うことで患者さんのモチベーションを保ち、進行を抑えて大切な歯を末永く守ってもらうようお手伝いをしています。またインプラント治療も数多く行っています。その他、目立ちにくいマウスピース型装置を用いた矯正にも対応したり、虫歯や歯周病で歯肉が腫れた時の切開、口内炎、歯茎の黒ずみを取る治療等ではレーザーを用いた施術も行っています。
「歯を極力削らない治療」について詳しく教えてください。
肉眼での従来の治療では、必要以上に歯を削ってしまいがちでした。当院では「歯を極力削らない治療」として、極力削る部分を少なくするため、歯科用マイクロスコープ(拡大顕微鏡)と歯科用ルーペを採用しています。マイクロスコープを活用すると、肉眼では見えない細かな部分を拡大して歯の根の治療を精密にでき、その結果、歯の寿命が延びたり、歯を抜かなくて良くなったり、また外科手術後の腫れの軽減も期待できます。視野を拡大することで、精密な治療を進めることができるんです。子どもの診療においても、初期虫歯や痛みが出ない虫歯はなるべく削らず、定期的に薬剤を歯に塗布して管理しています。管理中は食習慣を見直してもらったり、歯の表面や歯と歯茎の境目に歯垢がたまらないようブラッシング指導を徹底し、新しく生えてくる永久歯が虫歯にならないようにしています。
インプラント治療のこだわりを教えてください。
インプラント治療を行う際は、機能性、審美性をまず考えて、できる限り治療後の良い状態を長く維持していけるよう、骨造成や歯肉移植なども必要に応じて行っています。インプラントを希望される患者さんに対しては、まず、口の中を診て、レントゲンや歯型、CTなどで検査します。そして患者さんの年齢、ライフスタイルなどを十分考慮しながら、必要最小限のインプラントの本数、またインプラント以外の治療法について十分話し合って治療を進めます。長く保たせるためにも治療後のケアが大切であることをご理解いただき、定期的なメンテナンスを行っていきます。歯の欠損処置はインプラントだけではありません。欠損部位に親知らずなどの自分の歯を移植したり、MTMと呼ばれる部分矯正(小矯正)、小さな入れ歯を入れるなどの方法もあります。
“患者さんファーストの心”でより良い治療を提供
予防歯科に関する先生のお考えをお教えください。
私自身も歯の治療を受けるのはたいへん苦手でしたので、治療が必要になる前に予防しておいたほうが良いと考えます。歯科医師会でも「80歳になっても20本自分の歯を残そう」を目標に取り組んでいますが、これは定期的に予防歯科を受診し虫歯や歯周病の管理を行い、自宅でもセルフケアを続けていくことで十分達成できる目標といえるでしょう。痛みが出るたびに受診するのでは、だんだん歯の欠損が増えて、結果的に身体的負担だけでなく、治療費の経済的な負担も重くなります。年齢を重ねても歯を残すことでしっかり食事も取れ、結果的に全身の健康にもつながるんです。患者さんにもお話ししていますが、今後も予防と歯の保存にこだわり、その大切さを訴えていきたいと思っています。
診療する上でクリニックで大切にしていることは何でしょうか?
患者さんと接するときは、歯科医院と患者さんでなく、一人ひとりの人間としてお付き合いしていけるように心がけています。スタッフ全員が一番大切にしているのが笑顔と、“患者さんファーストの心”ですね。常に「自分が患者さんだったら?」と考えて積極的にコミュニケーションを取っています。また、長年勤務しているスタッフもおり、お互いにサポートができるよう、情報を共有することで適切な診療につなげたり、詰め物や義歯を製作する際には歯科技工士も一緒に患者さんを診て、顔形と口の中、口元の特徴を把握した上で、より良い治療へと進めるなど、スタッフ一同で“患者さんの立場に立った治療”をめざしています。
院内環境の取り組みについてはいかがですか?
当院には私のほかに非常勤の歯科医師が1人、歯科衛生士が7人在籍しています。常日頃から全員で歯科におけるスタンダードプリコーション、つまり感染予防対策を遵守しています。患者さんには治療前に必ず洗口液でうがいをしてもらっています。その他、院内を清潔に保つために、消毒や清掃を徹底し、待合室と処置室には空気清浄機を設置。当然ですが器具は使用するたびに必ず滅菌して一つ一つをパッキングし、使用時にその滅菌パックから器具を出して使用しています。特に最近は新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、患者さんも感染に対して敏感になっていますので、いつも以上に清潔を保つようにしています。
コミュニケーションをベースに信頼できる歯科治療を
カウンセリングやコミュニケーションを重視されているのですね。
クリニックに来院される患者さんは、症状や希望する治療、年齢層もさまざまです。まずは、患者さんのお話をしっかり伺い、カウンセリングした上で、口の中の状態を見ていくのですが、歯の寿命を延ばしていくためには、何よりコミュニケーションを図ることが大切だと考えます。人と人との信頼関係を築いて長くお付き合いいただくことで、患者さんをより深く理解し、年齢やライフスタイルに合わせた診療を提供していけるのだと思います。また、患者さん自身が治療内容についてきちんと理解できるようにわかりやすい説明をすることも必要と考えます。審美歯科についても同じですね。私の思うきれいな状態と、患者さんの考える“きれい”は、必ずしも一致しません。患者さんの希望にできる限り寄り添いますが、その方のライフスタイルに合った治療の提案やアドバイスをするように心がけています。
患者さんの特徴や印象的なエピソードはありますか?
開業当時から定期的に来院してくださる患者さんが多いですね。遠方からの帰省や出張などの機会に受診してくださる方もいらっしゃいます。ありがたいことですね。印象的というかとても驚いたのは、以前他院で勤務医として働いていた頃に担当していた患者さんのこと。当院を開業後、訪ねてくださったのです。笑顔でクリニックに入って来られたときは、本当にうれしかったですね。これからもご縁を大切にしながら、長くお付き合いさせていただきたいと思っています。
最後に読者へメッセージをお願いします。
口の中で気になることがあれば気軽に来院していただけるとうれしいです。ご自分で口の中の変化に気づくのは難しいと思いますので、数ヵ月に1度の定期検診で継続的なメンテナンスをお勧めします。虫歯がなくても、定期的なクリーニングで口の中を清潔に保つことで気分をリフレッシュできますし、悪くなりそうなところがあっても、ひどくなる前に治療ができます。お子さんも同様です。虫歯の管理や定期検診を続けることで、指しゃぶりや舌癖など、日常生活の中で無意識に行っているさまざまな態癖を発見できますし、癖を改善することで、将来、矯正治療が必要にならないような歯並びに誘導していくことも期待できます。ご家族と一緒にお子さんの歯を守っていく存在でありたいですね。皆さんにもっと身近に感じていただき、信頼して長期的に通っていただけるクリニックでありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/38万5000円~
MTM(小矯正)/5万5000円〜
インプラント/22万円~
歯肉の移植手術/3万3000円〜
骨造成/7万7000円〜
歯茎のレーザー治療/上下2万2000円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。