長瀬ゆき院長の独自取材記事

名古屋デンタルオフィス

(名古屋市北区／志賀本通駅)

最終更新日：2021/10/12

志賀本通駅2番出口からすぐのビルにあるのは2008年に開院した「名古屋デンタルオフィス」。全面ガラス張りで、院内は白で統一されていて清潔感があるクリニックだ。院長の長瀬ゆき先生は、患者とのコミュニケーションを大切に考えており、笑顔を絶やさずざっくばらんに話しかけてくれて、とても話しやすい印象だ。そして歯科治療への情熱を持ち、絶えず勉強を欠かさない努力家の一面もある。注目している歯周病の治療や診療方針、審美歯科を含む幅広い診療に取り組む理由などについて詳しく話を聞いた。

（取材日2016年7月7日）

熱心に学び、成果を高め、患者に喜んでもらいたい
患者の健康のため、総合的に治療を行う
情熱と謙虚さをもって、歯科医療に向き合っていく

熱心に学び、成果を高め、患者に喜んでもらいたい

開業までの経緯を教えてください。

高校生の頃は生物に興味があり、漠然と病気を治す仕事がしたいと思い、福岡県の大学の歯学部に進学しました。卒業後はこちらに戻り、豊田市にある小島歯科に勤務して治療経験を積み、2008年に当院を開院。学生の頃は漠然と歯科医師をめざしていましたが、患者さんと接するようになってから、歯科医師としての使命や治療の大切さを痛感するようになりました。中でも歯周病に注目していて、東京の先生のスタディーグループに毎月参加し、さらに毎年アメリカに行くなど、勉強会や講習会に頻繁に足を運び、継続して学んでいます。歯科医師は患者さんにお金をいただいて治療するプロですから、良い治療ができないと患者さんに申し訳ないと思います。歯科医師はやればやるほど真剣になれる仕事です。開院からの8年間にもだいぶ考え方が変わりましたね。

では、開院から今までにどんな心境の変化がありましたか？

勉強を重ねていくと、自分の知識や技術がどんどん広がっていきます。患者さんに「歯が痛い」と言われただけでも、より多くの原因を推測できるようになりました。開業以来、勉強と治療に夢中になって、がむしゃらに打ち込んできましたが、勉強の成果を感じられるようになったのは最近のことです。学んだことを生かして手術をして、術後何年たっても良い状態を維持できて初めて成果が出たと思うからです。「手術後何年たっても、トラブルがなくて快適」と患者さんに喜んでいただけるのなら、心からうれしく思いますし、またそれがずっと頑張り続けられる理由なのかもしれません。

診療中、心がけていることを教えてください。

患者さんが話しやすい雰囲気づくりに努めています。いきなり歯の話をすると、患者さんが緊張して話しにくくなるので、初めは世間話などで会話のキャッチボールをしてから、歯のことを話します。でも、歯科医師ですのでざっくばらんだけではいけません。きちんと良い治療をすることで患者さんの信頼を得られると肝に銘じています。また、当然食事をすると歯が汚れて歯石がつきますし、日本の成人の約8割が歯周病に罹患していると言われています。だから歯科医院でのクリーニングは大事なんです。患者さん向けの動画やパンフレットでも周知していますが、私が伝える時は、専門用語を使わずに、ゆっくりとわかりやすい言葉で説明します。特に女性には、歯の美しさが顔の筋肉を美しく保ち、結果的に美容につながるということを伝えていますので、興味を持っていただける方も多いです。

患者の健康のため、総合的に治療を行う

先生が歯周病に着目している理由を教えていただけますか。

例えばきれいにお化粧するためには、ベースとなる素肌の状態が大事なように、歯もベースとなる歯周の健康が大切です。歯の周りと書いて「歯周」と言いますが、歯周は文字どおり歯肉や顎の骨である歯槽骨、歯根膜線維など歯の周りのものを指し、歯の土台となるものですから、とても大切なんです。歯周外科を診療する歯科医院は少ないかもしれませんが、当院ではこの歯周外科での手術を専門に数多く手がけています。

他にもインプラントやホワイトニングなどの審美歯科や矯正など幅広い診療をしているそうですね。

インプラントをするためには、土台となる骨の治療も必要になるので、歯周外科の治療を行います。また、セラミックの歯を入れる時に周りの歯が白くないと、セラミックの歯との色の違いが目立つので、ホワイトニングを行うこともあります。歯の治療は一つ一つで完結するのではなく、口の中全体を考えていろいろな治療をする総合的なものだと捉えています。実際は総合的な治療をする患者さんから、歯1本のみを治療する患者さんまでさまざまですが、保険適用でも自由診療でも皆さんの要望に沿うようにしています。

使用する機器について教えてください。

レントゲンや口腔内写真の記録をデータ化し、それを患者さんに見せて、時間とともにどう変化しているか一緒に確認しています。例えば5年前のものと比較して、状態が良いままなら「お手入れ頑張りましたね」と一緒になって喜べますし、悪くなった場合は患者さんが自分の目で確認できるから、納得して次の治療に取り組んでいただけます。医療機器はなるべく新しいものを導入するように心がけていますが、使いこなせず宝の持ち腐れになっては元も子もありません。他の先生に使用感を聞くなど、積極的に情報収集を行って、自分が使いこなせて、治療の効果が上がると思ったものを導入します。

情熱と謙虚さをもって、歯科医療に向き合っていく

患者層について教えてください。

この辺りは昔からの住宅街なのでお年寄りの方が多いですが、大通りに面したマンションには転勤族の若い方も暮らしています。昼間は小さな子どもやお年寄り、午後は小中学生、夜はサラリーマンやOLさんと幅広い年代の方が来院します。お子さんの治療時は、付き添いの親御さんにきちんと説明して、納得の上で治療を受けられるように心がけています。子育て経験があるので、言葉遣いや治療後のごほうびのおもちゃなどは、年齢に合わせて選んでいます。ご高齢の方の中には、先生に会いに来たよと言ってくださる方も。治療や会話を通して、患者さんに喜んでいただけたらうれしいですし、こちらも元気をいただいています。治療途中で遠方に引っ越しても、引き続き県外から通ってくださる方もいらっしゃり、沖縄から通い続けてくれた方もいました。ご家族ぐるみのお付き合いや、長年通い続けてくれる患者さんからのクチコミで来院する方も少なくありません。

休日は何をして過ごしていらっしゃいますか？

休日はたまった家事をこなしつつ、勉強会に参加したり、歯に関する本を読んだり、患者さんのデータを整理したりと、結局歯のことを考えています。寝る前に「あの患者さん、よく噛めるようになったかな」「治療後に痛みはないかな」とふと気になったりもしますが、歯科医師の仕事は生活の一部というか、人生のように感じています。

今後の展望について教えてください。

謙虚な気持ちを持ち続けて勉強に励み、より良い治療が提供できるように努力していきたいです。歯科医療全体のレベルアップやイメージの向上にも貢献できたら幸いです。患者さんも虫歯の治療をするだけでなく、歯周病の知識を身につけるなどの予防の意識が高まれば、口の中の健康を保ち続けられるはず。歯のクリーニングや新しい治療にも興味を持ってもらえるように情報提供していきたいです。そして、患者さんには快適にクリニックに通っていただきたいので、個人情報の取り扱いに留意しつつ、スタッフ含め全員で気持ちの良い対応を心がけます。

最後にメッセージをお願いします。

当院は患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。時には世間話に花を咲かせることもありますが、そんな何げない会話から治療の大切な鍵が見えてくることがあるからです。歯を健康に保つために、歯科医師が一方的に治療を施すのではなく、患者さんと一緒に話して、一緒に治療に取り組むようにしていきたいと思っています。地域の歯のかかりつけ医として、どんな要望にも応えられるような総合的な治療をめざしていますし、必要があれば、専門の歯科医院を紹介することもできます。どんな些細なことでも気になることがあれば気軽にご相談ください。