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北野 隆利 理事長の独自取材記事

キタノ整形外科クリニック

(高岡市/高岡駅)

最終更新日:2022/11/30

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック main

一般的な整形外科疾患に加え、地域住民の健康維持・促進のため、生活習慣病相談や健康診断など、幅広く対応する「キタノ整形外科クリニック」。ガラスブロックと吹き抜けによって開放感が演出された空間で、待合室のソファーの白と青のコントラストが印象的だ。患者に閉塞感を与えないよう配慮したという院内では、開院以来、北野隆利理事長が手入れしている観葉植物の緑が癒やしを添えている。診療の合間を縫ってさまざまな地域貢献活動にも尽力するバイタリティーあふれる院長に、クリニックの特徴や理念を聞いた。

(取材日2022年10月20日)

保存療法でQOL向上をめざして痛みの軽減を重視

開業のきっかけやクリニックの役割などをお教えください。

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック1

大学卒業後は母校の大学病院でしばらく勤め、その後複数の病院で経験を積んできました。手術が得意なので、若い頃から主に外傷や人工関節、関節鏡といった外科的治療に携わってきました。高岡は開業医、その中でも整形外科は特に少なかった地域です。大きい病院はあっても気軽に行ける身近なクリニックがあまりない。困っている「整形外科難民」を何とかしたいとの思いから開業を決めたんです。ここの役割は、病院でするような大きな手術ではなく、手術をすべきか保存治療でもいけるかを診断すること。そこに患者さんの家庭環境や経済面なども考慮して、適切な医療を提供することだと思っています。どうしても手術が必要な場合は、以前いた病院の手術室を借りて、そこで私自身が手術をすることもあります。

医師、中でも整形外科の医師になったきっかけは?

私は小さい時から手が器用で、絵を描くのが得意でした。そんなことから、中学生の頃から漠然と画家か医師になりたいと思っていました。加えて何となく自分が会社勤めするイメージが湧かないというのもあって、最終的に医師を選びました。整形外科にしたのは、スポーツを好きなのが影響しているかもしれません。大学時代はラグビー部にいたのですが、ある時足首を骨折して大学病院に入院したんです。その時、整形外科の医師の回診が、それこそドラマみたいにかっこよくて(笑)。勧誘もされ、もともと手術で患者さんをしっかり治療したいなという思いもあったので、この科を選んだという感じです。

ここではどのような診療を受けられるのですか?

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック2

腰痛や関節痛の治療を中心に幅広く対応しています。大きな方針としては、保存療法といかに患者さんの痛みを取ってあげるかといった、ペインクリニック的な要素に重きを置いているんです。神経ブロック注射や関節内注射、トリガーポイント注射、薬、物理療法などを駆使して、患者さんのQOL(生活の質)向上に努めています。ここでの対応が難しい場合、速やかに大きい病院を紹介する体制を整えているので、いたずらに患者さんを引っ張ることもありません。痛みを取るためにいろいろな所へ駆け込んで、時間だけがたってしまうケースも残念ながらありますが、そのような方を当院で治療することもありますね。長年病院で勤めていた経験があるからこそ、何でも手術を勧めるのではなく、保存治療が適しているか、患者さんのご希望や環境はどうかなど、総合的に判断するスタンスを守っています。

認知症相談や社会保険審査委員など地域活動にも注力

骨粗しょう症にも注力されているそうですが、どういった場合や人に検査をするなどの基準はあるのですか?

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック3

医師主体でやっている全国規模の研究会などもあり、そういうものに積極的に参加したり手伝ったりして知識の更新を図っています。骨粗しょう症の早期発見は難しく、要は日々の歩行レベルの段差から転んで骨折するような骨の弱い状態。脊椎圧迫骨折とか大腿骨近位部骨折といった脆弱性骨折があってはじめて骨粗しょう症と診断されることも少なくありません。発見が難しい病気だからこそ、骨密度検査が重要です。骨折で来られた患者さんは二次骨折予防の意味も含めて必ず骨密度を測ります。また、ご自身から測ってくださいという方もおられますし、健康診断で引っかかって来る方もおられます。年齢的には50歳以上で、女性が圧倒的に多いですね。

認知症相談など地域の活動にも尽力されているとか。

認知症相談は医師会の取り組みで、地域の支援センターに年に何回かいろいろな職種の人が集まって地域がより良くなるための会議をしたり、困っている方の相談に乗ったりといった活動をしています。私は認知症を主体にしているわけではないので治療法について詳しくコメントするとかではないのですが、できる範囲でアドバイスをしたりともに考えたりしています。今は他に、社会保険診療報酬請求審査委員会の審査委員もしています。

社会保険の審査委員をされてから気づいたことはありますか?

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック4

今後いかに医療保険を保持していくかを本当に考えないといけない時代が来ていることは間違いないと思います。当院では、患者さんに経済的・肉体的負担をかけすぎない治療を心がけ、医療資源を守ることにも取り組んでいます。例えば、腱鞘炎や手根管症候群、ばね指の手術。入院をするとなると、医療費の心配だけでなく患者さんが仕事等を休む必要もあるため、日帰り治療で対応ができる状態の場合は、できる限り処置室での治療で終わらせるよう努めています。また多くの検査をすれば安心する方もおられるのですが、中には不要な検査もあります。検査が多くなるとそれだけ医療費は高額になるし、当然患者さんの体の負担にもなります。もちろん必要な検査はありますが、何でもかんでも検査すればいいというものではありません。これは必要ない、これは今すぐにした方がいいなど、長年の経験から検査の必要性を判断して適切に対応しています。

整形外科疾患のみならず何でも気軽に相談できる存在へ

他に気をつけておられることは?

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック5

迅速に診断して適切な医療を提供すること、それから丁寧な説明です。画像などもお見せしながら、わかりやすく説明するようにしています。ただ私は端的に必要なことを話すタイプなので、それを冷たいと感じる方もおられるようです。なので言葉遣いに注意して優しく話しかけるよう心がけています。それと「痛み」には重大な疾患が隠れている場合もあるので、それを見落とさないために、整形外科分野に限らず何でも気軽に相談ができ、小回りが利くクリニックでありたいと思っています。精密検査や大掛かりな手術が必要な場合は、すぐに大きな病院へご紹介します。以前、突然足が痛くて歩けないという患者さんの血流をチェックするとかなり危険な状態で、すぐに血管外科に紹介することで適切な治療を受けられたといったケースも実際ありました。重大な病気の発見のためには全体を診ることが大切なので、常に勉強して幅広い分野の知識を持つようにしています。

お忙しそうですが休日のリフレッシュ法や趣味などは?

新型コロナウイルス感染症の流行であまり遠くには行けないので、近くの温泉に行ったりゴルフに行ったり、お酒が好きなのでお酒を飲んだり。実はワインが大好きで、ソムリエ協会のワインエキスパートという資格を持っているんですよ。名刺の裏にも書いているんです(笑)。ワインに合う料理やチーズ、他のお酒などにも詳しくなりました。家にはワインセラーが3台あって、新型コロナウイルス感染症が流行する前は、スタッフや仲間を招いてワイン会やシャンパン会、地ビール会や世界のビール会なんかも主催していました。インターネットでさまざまな銘柄のお酒を取り寄せて、ワインについての講演なんかもして、結構楽しんでいたんです。ワインの値段のつけ方や適切な値段かどうかもわかります(笑)。今はこんな状況なので1人で家で飲むか、たまに息子が来たら一緒に飲むくらいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

北野隆利理事長 キタノ整形外科クリニック6

一番良くないのは、なかなか病院を受診せずに症状がこじれてしまうことです。早期に受診していれば手術をせずに済んだのにということもしばしばあります。高齢で、もう施設に入ろうかと考えているような方でも、適切な処置により、歩くことをめざせるようになるということも結構あるんですね。いろいろ行ったけど駄目だったと諦めている方もおられるのですが、ある病院で「手術しかない」と言われても、別の病院では他の方法で治療ができることもあります。とにかくこじれる前に一度は、経験値が十分にある医療機関で診てもらってほしいと思います。整形外科の疾患はもちろんですが、その他でも気になることがあれば、当院でも相談に乗ります。とにかく、何かあれば相談に来ていただければと思います。

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