窪薗 遥 院長の独自取材記事
さこだ歯科
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2025/01/21

鹿児島中央駅前の高層ビルというアクセス良好な場所にある「さこだ歯科」。Li-Ka1920の6階フロアに広く構える診療室からの眺めは抜群だ。患者数もスタッフ数も非常に多く、院内には先進の設備が充実している。まるで新しい歯科医院のような雰囲気だが、実はこの地で長く診療する地域密着型クリニックの一面もある同院。近年は幅広い分野に対応するための治療環境が整い、外来診療のみならず訪問診療にも積極的だ。大型クリニックに成長してもなお勢いの止まらない同院の魅力を、窪薗遥(くぼぞの・かなた)院長の歯科医療にかける思いとともに聞いた。
(取材日2024年7月10日)
地域とともに発展し、先進の機器を備えた歯科医院へ
とても大きな歯科医院ですね。患者さんの特徴を教えてください。

当院には毎日数多くの患者さんがいらっしゃいます。ご近所の方や仕事帰りの方、薩摩川内市から新幹線で通われる方、ホームページなどがきっかけで離島から受診される方などさまざまです。設備に関しては、鹿児島の先端を走れるように理事長が新しい情報にアンテナを張り、新鋭の機器を導入しています。歯科用CTやセファロはもちろん、歯科用マイクロスコープや各種デジタル口腔スキャナーも複数台あり、すべての歯科医師が扱えるのが特徴です。また、「生まれてから亡くなるまで、生涯を通して地域に寄り添う医療」というスローガンのもと、小児歯科と障害者歯科に注力しています。小児の患者さんや治療が不安な方も通いやすいように、ポップでかわいらしい内装の扉を入り口として使ってもらっています。
新しい歯科医院という印象ですが、開業は1996年だそうですね。
はい。当院は以前ここに建っていたビルの敷地内に開業し、エリアの再開発に伴い一度移転した後、再開発の終了に合わせて戻ってきました。私の入社当時は8台だった診療台が12台、15台と増え、現在は25台になりました。歯科医師も25人以上が在籍し、誰かが院内にいなくても周りが十分にサポートできるだけの体制が整っています。規模感は変わったものの土地自体は変わっていませんので、付き合いの長い患者さんも。理事長によると、初めは大型のクリニックにする予定ではなかったそうです。しかし将来は医科歯科連携が重要になると予測し、大学病院や市立病院での患者さんの共有や臨床研修医の受け入れなどを考えると、ある程度規模が大きいほうが連携しやすいと判断したと聞いています。現在は、東京科学大学、東京歯科大学、広島大学、長崎大学、鹿児島大学と連携をし、卒後教育含め臨床精度を上げ、日々精進しております。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

患者さんに寄り添う気持ちを大切に、スタッフには治療以外の部分でもいかにご満足いただけるかを考えてほしいと伝えています。あいさつや掃除、整理整頓といった接遇の部分や、患者さんに安心感を与えられる接し方について話すこともありますね。日々多くの方を診療するからこそ、歯科医師が側にいない時は歯科衛生士が会話や次回の予約の案内をするなど、皆さんを一人にさせない工夫をしています。加えてスタッフには教育に関するセミナーにも参加してもらい、参加者が次の世代に教え、育てる循環を促しています。そして個人の得手不得手や希望を踏まえ、メンバーが輝けるポジションを模索することが私の役割だと考えています。スタッフのやる気や意識の向上は患者さんの満足度にも結びつきますので、せっかくつながったスタッフとの縁も大事にしたいんです。
多職種が協働し、地域のニーズや一歩進んだ治療に対応
貴院のクリニックとしての強みは何ですか?

対応できる幅の広さです。長年歯科医療を提供する中で、地域に根差しながら先進の機器や技術を取り入れ、なおかつ訪問診療にも広く対応しているということが、当院の強みだと思います。訪問診療においては、ご自宅で暮らす慢性期の症状の方へのアプローチや、安定した状態の医科の患者さんを診療する他に、入院中の急性期の症状の方にも介入が可能です。例えば手術直後の患者さんへ、お体が回復するまでの間、いかに早くご飯を食べられるようになるかを考えた診療を提供しています。さまざまな機材をそろえ、訪問診療専門のチームも毎日稼働。急性期チームには専門知識を持つ歯科医師を筆頭に、栄養士や、医科との連携により看護師、言語聴覚士がそろっています。また、急性期・回復期の病院には、歯科医療者だけでなく医療職に携わる方々が口腔の健康状態を簡単に評価・標準化できるよう、口腔スクリーニング用紙を用いたサポートをしています。
注力されている小児歯科についても伺います。
お子さんが治療中にテレビを見られる診療台や、リラックスした状態で治療を受けるための笑気麻酔の設備があります。予防・治療も一通りのメニューをご提供でき、フッ素に関しては院内での処置だけでなく、成分が含まれたご自宅用のうがい薬の処方もしています。また、最近は親御さんがお子さんの歯並びを気にして来院されるケースも増えました。当院では、従来の矯正治療に加え、口腔機能発達不全症の改善を目的に、お口周りの筋肉を鍛えるトレーニングも行っています。現代はずっと口を開けている子や口呼吸の子が多く、舌の位置が適切でなかったり歯並びに影響が出たりしています。そのため単に矯正器具で歯を並べることをめざすのではなく、歯並びが悪くなった根本的な原因に焦点をあてるのが当院のスタンス。適切な食べ方、飲み込み方、呼吸、姿勢などの観点から、お子さんの健やかな成長を促す環境づくりに取り組んでいます。
障害者歯科における特徴も教えてください。

障害者歯科は対応できる医療機関が限られているため、こちらも地域貢献の一環として始めました。診療台は車いすごと入ることができる専用のものを用意していますので、受診へのハードルは低いかと思います。また、当院には障害者歯科を専門に学んだ歯科医師の他に、麻酔が専門の歯科医師も在籍しています。そのため静脈内鎮静法によりうとうとした状態下をめざしたり、または全身麻酔で眠りに導いた状態で治療を受けることが可能です。恐怖心が強い方や障害のある方もスムーズに受診できる環境があるのも当院の特徴です。
研鑽を経て、理想の診療をついに実現
先生はなぜ歯科医師になろうと思ったのですか?

私の通っていた小学校と中学校には、虫歯のない子を全校生徒の前で表彰するという風習がありました。そこで毎年表彰されるうちに自分の中で歯に対する興味と自信が芽生え、もともと医療に携わりたいと考えていたことも相まって、歯科医師の仕事が選択肢に上がったんです。当時虫歯にならなかった理由は、かかりつけの先生のおかげですね。その先生とは今も親交があります。母が通っていた歯科医院に私もずっと通院し、先生と話す中で「歯科医師は優しい」「この仕事は面白そう」というイメージを持ったことも一つのきっかけです。
勤務医時代のご経験もお聞きします。
鹿児島大学を卒業し、研修後は当法人でずっと診療しています。1年目は先輩の治療を見ながら一般的な保険診療を学び、2年目から矯正やインプラント治療など自由診療の勉強も始めました。得意分野は、もともと取り組みたかった分野でもある小児歯科です。研修後、小児歯科が専門の歯科医院を探していたのですが、面接時に当法人の理事長が「やりたいのなら最終的に任せる。でもその前に、大人の患者さんも多いからそこをしっかり勉強しよう」と言ってくださり、ご縁があって入社に至った経緯があります。そして2023年4月に小児歯科チームを立ち上げ、やっと今、かねてからの分野に専念できる環境が整いました。院長としてスタッフマネジメントにも試行錯誤している最中ですが、大きなやりがいを感じています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院の最終目標である医科歯科連携と地域医療貢献を達成すべく、現在注力している訪問診療、小児歯科、障害者歯科のいずれも人員・規模ともに一層充実させたいと考えています。加えて患者さんがより安心できる医療のために、各分野における専門性の向上も今後の課題です。「大きなビルの6階にあるきれいな歯医者さん」と聞くと気後れしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、当院はこの地で長く診療し、お口でお困りの方すべてをお迎えする歯科医院です。患者さんの人生の伴走者として、些細なことでも何かあればご相談いただきたいという思いで診療していますので、気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/35万円~、インプラント治療/38万5350円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。