春木 隆伸 院長の独自取材記事
はるき小児・矯正・歯科
(明石市/大久保駅)
最終更新日:2025/01/08

JR神戸線・大久保駅南口から徒歩2分、メディカルモールの一角に構える「はるき小児・矯正・歯科」。乳幼児から大人、障害のある人も分け隔てなく通えるファミリーデンタルクリニックとして、地域に愛され続けて四半世紀。院長の春木隆伸先生は、日本小児歯科学会小児歯科専門医の資格を持ち、矯正歯科においても多数の研鑽を積んできた経験豊富なエキスパート。障害者の歯科医療についても学んできた歯科医師だ。同院に所属する歯科医師は計7人。それぞれ歯周病、補綴、歯科麻酔、放射線治療を専門とし、経験に基づいた治療を届けている。患者やスタッフ、周りの人を大切に思い、より良い治療や働く環境のために行動を止めない春木院長から、診療に対する思いをたっぷりと聞いた。
(取材日2024年10月28日)
慣れることから始めて「怖くない場所」に
クリニックの特徴を教えてください。

小児歯科を中心に、ご家族の方の診療も行うファミリーデンタルクリニックです。患者さんは約7割がお子さんですが、ご両親やおじいさん、おばあさんまで、3世代で通ってくださる方も。0歳の赤ちゃんから100歳を超える高齢者まで、幅広い年齢層の方にいらしていただいています。ご家族も診させていただくことで、家族構成や生活背景を理解することができるので、診療の幅が広がります。そういった環境にも配慮したアドバイスを心がけています。
子どもへの診療ではどういった配慮をなされていますか?
スタッフ一同、歯科医院に対する恐怖心やストレスを与えないよう、同じ目線で温かく接するコミュニケーションに重きを置いています。よっぽどの急患でない限り、押さえつけた治療をすることはありません。まずは慣れること、そして診察台に一人で座るところから一緒にトレーニングをしていきます。5回、10回と時間がかかるお子さんがいたとしても、診察台に自ら座れるようになってから、治療に進みます。「歯科医院が怖くて怖くて仕方ない」という大人の方も、よくご相談にいらっしゃるんですよ。一番初めに訪れる小児歯科で歯科恐怖症になり、将来歯科を受診しづらい状況をつくってしまうことだけは絶対にしないよう、注意を払っています。
院長は障害者の歯科医療について学ばれてきたそうですね。

はい。当クリニックには障害のある方も多くいらしています。時間を決めて診療を行うのではなく、皆さんと同じ診療時間内で対応し、障害の有無に関わらず、分け隔てなく通えるクリニックでありたいと考えています。障害のある方も子どもと同じく、まずは環境に慣れることから始め恐怖心や抵抗感を少なくすることで、治療を受けられるようになっていくのです。基本的には押さえつけての治療は行っていませんので、どうしても対応が難しい場合は、院長も執務している明石市歯科医師会が運営する障害者のための歯科医院、あかしユニバーサル歯科診療所を紹介します。
成長や発育を生かした歯列矯正
クリニック名にもある、矯正歯科についても教えてください。

しっかり噛めて虫歯や歯周病になりにくく、健康な生活を送るためにも、適切な歯並びへ導くことはとても大切です。当クリニックは子どもの成長や発育を利用した矯正に力を注いでいます。1995年にワシントン大学に留学し矯正歯科を学んだのですが、ワシントン大学は当時世界でも珍しく、歯列矯正を受けた患者さんの10年後、20年後のデータが多数残っていたんです。その中で、乳歯が残る早期に矯正を始めた人と、永久歯が生えそろってから矯正を始めた人が、それぞれ術後10年たった時の歯並びの後戻りにどのくらいの差があるのかという研究を行いました。その結果、早期で矯正を始めたほうが後戻りが少ないということがわかり、この研究が私の学位論文になったのです。この経験から、子どもの顎顔面の成長を見ながら、必要であれば早い段階での矯正を行っています。大人の矯正も行っていますので、お気兼ねなくご相談ください。
外傷で受診されるお子さんも多いと伺いました。
そうですね。走っていて転んだ、階段から落ちた、遊んでいる時にぶつかってしまったなどのきっかけが多いですね。乳歯が完全脱臼した場合、抜け落ちた歯の保存状態が良ければ、元の位置に歯を戻して固定するための再植を積極的に試みています。外傷は主に上の前歯に起こりやすいので、見た目や発音、食べることにも影響が出ます。ケガをしたのが乳歯でも、きちんと治療をしないと永久歯に影響することがありますので、放置せずに、早期受診をお勧めします。
診療の際にはどういったところを注視していますか?

日常生活の中で無意識に行っている、子どもの口腔習癖をよく見るようにしています。例えば、指しゃぶりや爪噛みといった癖や、話している時に舌が見えているなどの舌の癖などです。口腔習癖は、噛み合わせや歯並びに大きな影響を及ぼすので、食事の与え方やしっかり噛む練習、話し方の指導を行うことで、お口の発育や健康にアプローチしていきたいと考えています。近年は特に、咀嚼や嚥下ができない、構音の異常、口呼吸というような症状が見られる口腔機能発達不全症のお子さんが増えているのです。2018年からは保険適用され、口腔機能の重要性についても理解が広まっています。大人になってからの改善は難しいので、早めに発見して癖の修正や治療を行っていくことが大切です。
緊密な医療連携で地域一体となり、口の健康を守る
他の診療科との連携も重視されているそうですね。

はい。お子さんを歯科に連れてきたことがない親御さんは、例えばお子さんが口腔内にケガをした時、小児科を選ぶ方も多いのはないでしょうか。しかし小児科の先生もどうしたらいいかわからず、ご相談をいただくことが多々あるのです。そういった場合もなるべく早く対応できるよう、地域での医療連携に努めています。先日も明石市の小児科の先生に向けて「外傷であれば、歯科ではこういった処置を行っています」と啓発する講義をいたしました。このメディカルモールは内科、外科、小児科、耳鼻咽喉科、歯科の5つのクリニックと1つの薬局からなり、総合病院のような場所をめざして1999年にオープンしました。モール内の先生方とも仲良くさせていただいていて、一緒に食事をしたり旅行に行くことも。良い関係を築いて、緊密な医科歯科連携を図りながら、必要な時は地域の基幹病院に紹介し、医療連携を大切にしています。
診療スタイルはどのように築かれてきたのですか?
もともと私は子どもが好きで、将来は子どもに携わる仕事がしたいと希望し小児歯科を志しました。勤め始めた頃は虫歯のお子さんが多く、虫歯治療で手いっぱいなクリニックが多い時代でした。その中で、私が一番初めに勤めたクリニックの院長は「虫歯だけでなく歯並びもきちんと矯正してあげないと、小児歯科をやっている意味はないんだよ」と教えてくださり、当時から矯正歯科を勉強してきたのです。そのクリニックには障害のある方も来られていて、分け隔てなく医療を届ける大切さも学びました。当時は歯科医師になりたてで大変なことも多かったのですが、自分のスタイルを築いてもらった場所でもあり、今となってはすごく感謝しています。
院内保育園「こぐまキッズルーム」も2016年に開設されています。

歯科は特に女性の多い業界ですから、開院当初から女性が働きやすい環境づくりの重要性を意識していました。スタッフがいないとクリニックは成り立ちませんし、安心して長く勤めてもらえる環境を整備することも、大切な仕事の一つです。せっかくのキャリア生かしてもらうためにも、妊娠・出産というライフイベントを経験しても職場復帰がしやすくなるように、子育てと仕事の両立を支援したいという思いから保育園の開設に至りました。
最後に、ご展望と読者へメッセージをお願いします。
近年、他のクリニックさんで行ったマウスピース型装置を用いた矯正のご相談を受けることが増えたので、私たち自身で対応できる体制を整えました。知識も技術も今の状態に満足してしまえば、さらなる成長はなく、そこで終わってしまいます。今後も患者さんに良い歯科治療を提供するために、いろいろな先生の話を聞き、たくさんの症例を見て、学んだことを地域の皆さんに還元してまいりたいと思います。お口のことで何かトラブルがあれば、どんなに小さなことでもお気軽に、ご相談にいらしてくださいね。お待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯科矯正
診断料:4万円
治療費
永久歯の矯正:70万円
※透明な装置は5万円別途追加
※矯正のためのインプラントは1本につき2万5000円別途追加
アライナー矯正:80万
乳歯列期の矯正:20万円
リテーナー:1万5000円~4万円
調整・管理料(来院時):1000円~5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。