牛嶋 星地 院長の独自取材記事
うしじま歯科クリニック
(神戸市灘区/六甲道駅)
最終更新日:2024/11/15

JR神戸線・六甲道駅から徒歩2分。一般歯科はもちろん、矯正や根管治療といった各専門分野にも対応する「うしじま歯科クリニック」。院長の牛嶋星地先生は、歯科医師として30年以上のキャリアを持つエネルギッシュなベテラン歯科医師だ。「仕事が趣味」と積極的に講習会や勉強会に参加し、院内には頭部全域から歯列部分までを撮影できるCTや、21倍まで視野を拡大できるマイクロスコープ、兵庫県内では数少ない歯周病治療の先進機器など、患者一人ひとりに合わせた治療を提供する機械が並ぶ。スタッフは歯科医師3人、歯科衛生士8人を含む21人。全身の病気は口から始まるとして予防歯科に力を入れ、血液検査も取り入れている。「いつか健康に特化した歯科医院をつくりたい」と語る牛嶋院長に、診療に込めた熱い思いを聞いた。
(取材日2018年11月28日/情報更新日2024年11月12日)
専門分野すべてに対応した歯科医院をめざす
開院から30年以上の歴史だと伺いました。こちらを開院するまでのことを教えてください。

大学を卒業後、兄の歯科医院に勤務しながら4年間、一般歯科・口腔外科・小児歯科・矯正歯科などを専門とする歯科医院を兄の紹介で回っていました。当時はインプラント治療がまだ始まったばかりの頃。口腔外科の先生が行う高度な治療に興味が湧き、「患者さんのためにいろいろなことを勉強しよう」と思ったことを覚えています。大学で学んだこととは、レベルも技術も全然違う。「ここが始まりだ」と思い必死で勉強しましたね。その後は、兄の友人が営む富山の歯科医院で分院長として院長経験を積み、1991年にこのクリニックを開院しました。
なぜ、専門分野すべてに対応した歯科医院をめざしたのでしょうか?
やはり、歯科医師になったばかりの頃に、すべての専門分野を見てきたからでしょうね。「何か一つではなく、全部取り入れなければいけない」と思い、矯正・インプラント・歯の根の治療(根管治療)、そういった専門的なことすべてができるクリニックをめざしてきました。開院当時は根管治療の重要性が、あまり理解されていませんでしたが、最近は「この歯は抜かないといけないでしょうか?」という相談が多く、根管治療を受ける患者さんも増えています。しっかりと歯の治療を行っていけば、抜かなくて済むケースも多いので、一人で悩まず気軽に相談していただきたいですね。
機材・設備もさまざまにそろえられていますね。

僕はゴルフもしませんし、車にも興味がありません。高い車を買うぐらいなら良い機械が欲しいと思い、クリニックの機材や設備を増やしてきました。ある意味、趣味みたいなものですね。例を挙げると、頭部全域から歯列部分までを撮影できるCT機器や、21倍まで視野を拡大できるマイクロスコープ、兵庫県内では数少ない歯周病治療の先進機器、歯を削るときに「キュイーン」という音が出ないレーザー機器、短時間でセラミックのかぶせ物を作製できるCAD/CAMシステム、マウスピース型装置を用いた矯正専用の口腔内スキャナー、歯科用内視鏡、全身管理モニター、口腔内カメラ、フッ素イオン導入器、口腔外バキューム、高周波・低周波機器など、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行うために各種機械をそろえています。
虫歯や歯周病を防ぐことが全身の病気の予防につながる
歯科医師やスタッフの人数も多いですね。

3人の歯科医師が、当院と灘駅の分院を入れ替わりで担当しています。このほか歯科衛生士、歯科助手、矯正アドバイザー、歯科技工士、受付・事務スタッフら18人で患者さんをお迎えしています。クリニックとしては大所帯ですが、医療は患者さんのお話をしっかりと聞き、予防や治療面で高いレベルを維持するためには、この人数が必要となります。歯科医師に対しては症例を全員で議論するケースプレゼンテーションや、矯正やインプラント、一般治療などの勉強会を定期的に開いています。
歯科衛生士が8人在籍していると聞きました。
歯科医院では、歯科医師よりも歯科衛生士が重要と考えています。なぜなら、歯の健康を維持することが、全身の病気の予防にもつながるからです。歯周病は糖尿病を悪化させる原因の一つとなったり、動脈硬化を引き起こす場合もあります。糖尿病や動脈硬化になってしまってから治そうと思っても、そう簡単には治りません。それならば「虫歯や歯周病を防いで、全身の病気を予防しよう」というのが、当院の開院当時からの考え方です。歯の健康を維持するため、歯科衛生士たちは歯のクリーニングやメンテナンスを一生懸命行っているのです。
日本の健康寿命の短さは、歯にも原因があると考えていらっしゃるんですね。

厚生労働省が公開した「平成29年簡易生命表」によると、日本の平均寿命は、男性が81.09歳、女性が87.26歳です。しかし、日常生活を過ごせる健康寿命は、男性が70.42歳、女性が73.62歳といわれており非常に短い。つまり、介護が必要な年数が男性で約10年、女性では約13年もあるのです。たとえ長生きができても、生きてるだけでは面白くありません。できることなら人の世話になりたくないですし、死ぬまで元気でいたいですよね。人間はしょせん、動物です。噛んで食べることができなくなれば、栄養状態が低下し衰弱していきます。元気に長生きをしようと思うなら、しっかりと噛み、栄養を吸収することが大切です。「歯を健康に保っておくことが、元気に生きるための秘訣、最低条件ですよ」と患者さんにはお話ししています。ですから、患者さんには歯の治療だけでなく食事指導もしています。
信頼できる歯科医師から正しい知識を
歯科医師を志したきっかけを教えてください。

実家が、祖父の代から100年以上続いている歯科医師の家系なんです。16歳離れた兄も歯科医師ですし、親戚も歯科医師か医師が多くおります。そのため、自然と歯科の道へと進んでいましたね。歯科医師になって38年が過ぎましたが、つらいと思うことはあっても辞めたいと思ったことはありません。小さい時から父と兄に「医療は一生が勉強」と教えられて育ったせいか、今も勉強をすることが楽しいですし、そこで得た知識や技術を患者さんにフィードバックすることで喜んでもらえる。仕事は嫌々やっていても面白くないので、仕事を趣味と考えて楽しんでいます。
先生はとても若々しく見えますね。健康の秘訣と、今後の目標をお聞かせください。
「なぜそんなに若いのですか。何かやっているのですか?」と聞かれたら、「アホと手のひらに書いて飲んでるから若いんだ」と話していますが(笑)、実は健康にはとても気を使っています。まず、タバコは吸わずお酒も飲みません。甘いものは好きですが、できるだけ我慢しています。大好きなコーヒーは週1回と決めて、カフェインも取らないようにしていますね。あとは、サプリメントなどで栄養素をバランス良く取り、デトックスもしています。今後の目標は、できるかどうかわかりませんが、健康に特化した歯科医院をつくりたいですね。歯の治療だけでなく、栄養や運動の指導も取り入れ、死ぬまで健康に元気で生きるための総合的な取り組みを、内科の先生とのコラボレーションでもしてみたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

治療を受けることは、家を建てることと似ています。家を建てるときは、担当者と何度も打ち合わせをしますよね。そして自分でも勉強する。医療も同じです。命に関わることですから、歯科医師任せではいけません。自分もよく勉強しないといけない。ただ、今はインターネット上に情報が氾濫しているので、間違った情報を信じてしまう人も増えています。正しい情報を得るには、信頼できる歯科医師と出会い、今までの医療の常識にとらわれず、正しい知識を身につけることです。「病気になったら誰かが治してくれる」と思っている間は、良い先生とは出会えません。まず、健康に興味を持つことでさまざまな情報が入ってきて、自然と良い先生と出会えると思います。自分を高めなければ自分に見合った人しか来ない。これは恋愛の関係とも似ているかもしれませんね。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/全顎55万円〜、インプラント(1本):22万円〜、セラミック/詰め物:3万3000円~、かぶせ物:17万500円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。